ゲームみたいな異世界へ転生……これ友情破壊ゲームだ!
最近ゲームの世界に行く話が流行ってるみたいだから乗ってみた
ここは異世界ドカドカポンポンワールド、この世界には1つのルールがある………………それは
「さあ選べ、名誉か金か」
俺は目の前に倒れている夜盗に剣を突き付けながら言い放った
「……金だ、金で勘弁してくれ!」
この世界では人は殺される事は無い、ただ負けた方はしばらく動けなくなり奪われるだけだ……
「……そうか金を選ぶのか、さすが夜盗だ名誉より金を選ぶとはな」
「違う!金を奪ってくれと言ってるんだ!頼む、頼むから……止めろぉぉぉぉ!!」
絶叫する男を尻目に俺は宣言する
「貴様の名前は今から『(^^)ノシ』だ!」
「顔文字!」
そう奪われるのだ、金か所持品か名前を
「あああああああ!嫌だ……俺の元の名前が……思い……出せない……」
勝負に負け名前を変えられた者は、全ての者の記憶から、全ての物の記録から、元の名前を消され新しい名前へと書き換えられる
それがこの世界のルールだ
俺には前世の記憶がある、そして死んだのちに神々に会った記憶も……
神々は聞いてきた、次はどんな世界に産まれたいかを、俺は言った、ゲームのような剣と魔法の世界がいいと、すると神の一柱が言った、ちょうど今やってるようなゲームの世界があるからそこへ送ろうと
俺はキチンと確認するべきだったんだ、その時神々がやってたのは友情破壊ゲームだった……
「覚えてろ……必ず……必ずお前も同じ目にあわせてやる!」
この世界には友情などない、あるのは負の連鎖
「(^^)ノシには無理だ……それに俺は……」
「その名で俺を呼ぶな!というか今どうやって発音した!?」
「俺はもうすでに名前を変えられてる、俺の名は『バカ』だ」
子供の頃に俺は幼馴染みと喧嘩し負けた、この世界のルールは子供の喧嘩にも適応される、そして彼女は去り際に俺のことをバカと叫んで泣きながら走って行った
それ以来 俺の名はバカになった、きっとこの世界で最もポピュラーな名前だろう
「そんなの関係ねー、もっとひどい名前に変えてやる!そうだな……カッコ 米じゃねー、なんて言ったっけ……」
「もしかして(*^_^*)か?」
「だからどうやって発音してる!?」
俺には前世の記憶がある、その記憶を使えば簡単な事だ
「さてと、そろそろ動けるだろう?行くぞ」
「は?……行くってどこに?」
さも不思議そうに男は聞いてくる
「お前は夜盗だろ?なら衛兵に引き渡して礼金を貰うに決まってるじゃないか」
何言ってるんだこいつ、俺は腕を掴み引き起こしながら言ってやった
「………………(^^)ノシ」
「おっ、ちゃんと発音出来たじゃねーか…おい逃げようとするな!」
「嫌だ-!見逃してくれー!」
往生際が悪い男を取り押さえながら、俺は深い溜息を吐く
「逃げようとしたらまた叩きのめして、今度はもっとひどい名前を付けるぞ」
「…………一応聞くけど……どんな名前だ」
「『まずうちさぁ……屋上あんだけど……焼いてかない』とか」
「短文!」
俺は男の背中に剣を突き付けながら、歩くように促す
「さあ分かったらさっさと行くぞ」
「くそー!絶対復讐してやるからなー!」
俺は男を引き連れ歩き出す、このクソったれな世界を
(^^)ノシ