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キング・オブ・ドクター  作者: コッシー
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第1章 2 治療は早く、お釣りは多く

手がすごくかゆくてずっと掻きむしってたら、目立つ傷になってしまいました。執筆中に視界に入って気になる。

お気をつけください。

2042に菌に侵食された世界で、なぜ人類が生き残ることができたのか。

医者の存在が大きかっただろう。それもただの医者ではない。『能力』と呼ばれるある種の特殊能力をその身に宿した人間が、政府によって医者として登録され、菌の撲滅を命じられる。のだが、あそこにいる少年は登録されていないようだ。一体なぜ医者を名乗るのか。

「運が良かった?」

手を叩いて、少年は言う。

「はいはーい、さっきから聞きすぎなので自分で考えてみましょう。俺は政府に医者として登録していません。なのに、医者と言っているのはなんででしょうか?」

「えっ?頭がおかしいから?」

「違います!なんで頭おかしいっていう設定になってるんでしょうか!?」

不審者を見るような目で、シャイラが言う。

「いやー、裸足ですし、なんか自分で医者とか言ってますし」

「うわー、今から妹を助けてもらう人の言葉かなー!?心が抉られるなー!」

「だって、本当ですし」

少年は自分の服装を見て、目を見開く。

「ほ、本当だ!」

「今更ですか!?」

「はい!今更です!いやー、そんな風に思われているとは。それで今まで行った村だの元街だのに行った時、変な目で見られてたのか…」

「今、人の闇を見た気がしました」

「それはともかく、理由は?早くお答えください。そろそろ、治療したいんだけど」

「えっと……分かりません」

しょんぼりしながら答える。すると、少年は笑った。

「うんうん、分からなくて当然ですので、その答えが正解です」

「えっ!?そんな答え、ありなんですか!?」

「ありあり。ということで質問終わり。水持ってきてもらえる?」

いきなり終わった質問にはあまり触れないようにしつつ、答える。

「分かりました。持ってきます」

「もしかしたら、ちょっと痛くなるかもしれないけど、我慢してね」

妹に語りかけて、安心させているようだ。だが、未だ苦しんでいる妹には聞こえていないようだ。それを見てから、シャイラは家の奥の部屋にある水道に移動する。バケツ一杯を持って、少年と妹がいた部屋に戻る。すると、少年は床に座って待っていたようだ。立ち上がったところを部屋に入る瞬間に視認できた。

「お待たせしました」

「おおー、待った待った。お疲れ様です。じゃっ、早速始めますか」

「お願いします」

特に何の準備をするでもなく、ポキポキと指を鳴らしていた。

「さーて、苦しかったろう?辛かったろう?そりゃもう終わりだ。お前はこれからちゃんと生活するんだ」

そう言って、妹の体に手を当てる。

すると、何の前触れもなく妹の顔から苦しみの感情が消え、黒い斑点が消えた。すぐに手を離した少年は腹を押さえながら、言う。いかにも簡単な風に。

「終わったぞ。治療」

「え、ええええー!?は、早くないですか!?」

「お前、俺の能力知らなかったけ?あ?ああ?あ、ああああー、言ってなかったー。まただー。忘れてたー」

「なんか勝手に話、終わってるんですけど」

「えーとですねー、俺は触れた菌、及び生物、物の中に入った菌を破壊?殺菌?この場合なんて言えばいいんだろう?」

「そこ、迷わなくていいです」

「んじゃ、殺すことができる、で。そういう能力を持ってるんだよ。だから、お前の妹に触れただけの簡単なお仕事で菌を殺せて、あの黒い斑点が消えたの。お分かり?」

また、簡単そうに言ったがシャイラには、その能力がこの世界で一体どれだけ重宝されるか、それを分かっているのか、少年は?それを問いただそうとすると、少年は付け加えた。

「ただ、一度能力を使うと体の中の菌もある程度殺しちゃうらしくてな。今も腹痛い」

「そ、そんな弱点があったんですか?」

「ああ、今まで幾度となく腹痛に襲われた。もはや、永遠のライバルですよ」

「そ、そうですか」

若干引き気味に答える。だが、能力は本物のようだ。妹の体から黒い斑点は消え失せ、顔からも苦しみの表情は伺えない。それを見て少年は苦笑しながら問いかける。

「お前、まさか俺が嘘ついてるとでも思ってるのか?この状況で嘘つく理由が無えよ」

「確かに。でも、治療は終わったんですよね?これからどうするんですか?」

「んー、とりあえずお前の妹が目覚めるまではここにいようと思うんだけど、分かんないな」

「そうですか」

急にパン!という乾いた音がして少年が立ち上がる。

「よーし!代金の話しますか!」

「う!やっぱり高いんですか?」

「はっはっは、安心しろ。もう払ってもらってる、むしろ多すぎるくらい」

「えっ!?特に何か払った覚えはないんですが…」

「忘れたんですか?俺、シャイラにパン食わせてもらったのに…」

「あんなものでいいんですか?もっと何か他のものもあるのに」

「いやいや、あれでも相当お釣りがきますぜ?さてと…お釣り、どうしましょ」

「妹、助けてもらったんですからいいですよ」

「商売なんだから、そこらへんはちゃんとしとかないと。そうだ!お客さん」

「は、はい!」

「お釣りはこの世から菌を撲滅する、で如何でしょう?」

あまりに軽く、世界のすべての人間が願うことを笑顔に少年を言った。

土下座数 4

今回は、二回分、増えました。お察しの通り、今回二回、土下座をしております。土下座するときは、部屋でしかも誰も入ってこなさそうなことを確認してからしてるはずなんですけど、なぜかものすごく恥ずかしいです。

そして、もはや恒例のーー、宜しくお願いします!

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