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チートを駆使して平和に異世界生活を  作者: 睦月 アル
零章
2/2

零章最終話 女神に騙された者

睦月 或です!

こんな見てくれる人の少ない小説を見てくださってありがとうございます!

今回で零章はとりあえず終わりです!

それでは本編へどうぞ!

目が覚めるとそこは自分が寝かされているベッド以外何も無い真っ白い部屋だった。


「知らない天井だ…」


言ってみたかった言葉を口にした。

状況は何も変わらない。

うん、知ってた。


しかし出口も窓も無い部屋で真っ白の空間…それに俺に僅かに残った、トラックに殺られた記憶…

あれ、何この状況。


トラックに殺られる記憶があるとか普通じゃ滅多にないぞ、ツチノコ見つけるレベル。


…ごめん、それは言い過ぎた。



しばらく考えて俺は今の状況について三つの説を提唱することにした。



一つ目は実は死んでなかった説。

これはまぁ、普通に病院に運ばれて助かったって説だな。

トラックに殺られたって言っても本当に殺られたか?と問われても断言できるほどの確証はないしね。

この奇妙な部屋の事は説明出来ないが案外一番可能性がありそうだ……


二つ目は、ここはもう既に天国…及び死後の世界説。

この説も可能性高そう、全部説明できるもん。



三つ目は…これは一番当たってて欲しい説…だけど一番可能性が低いしほぼ自分がそうであってほしいと思って可能性に入れただけなんだけど…

簡単に言うと、俺。これから異世界に行く説、だ。

何でこんな無さそうな説入れたの?バカなの?とか言われそうだけど…普通に趣味です、憧れるよね。


他にもこれは夢説やら拉致された説やら浮かんだけど希望の無いものは考えないようにしよう、うん。


そう言えばこの前ネット轢かれると異世界に行きやすいトラックはIS〇ZUのトラックって聞いたな、俺を轢いたトラックは…覚えてるわけないよね。



どの説にせよ俺をここに居させてる本人に何かアクションを起こしてもらうしかないな。

それまで俺は寝ることにした、寝る子は育つ。


「あれ?また寝るのですか?」

「え?」


そこにはチビがいた。


「えっと、どなた?」

「誰だと思います?」


こいつ…質問を質問で返すとは…


「女神?」

「正解です!」

「マジっすか!?」


当たってた。


「私は女神ノルンです。よろしくお願いします」

「本当に女神だったのか…よろしく…です?俺は篠月です」

「知ってます、眠兎さん。」

「あっはい。」


怖、なんか怖。ていうか何をよろしくするんだろう。


「一応ここは何処か聞いてもいいですか?」

「何処だと思います?」

「………うざ」

「酷い!!」


おっと、本心が出てしまった…


「冗談ですよー俺が女神様に『なんだこのチビ、クソめんどいな』なんて言うわけないじゃないですか、ハハハハ」

「そんなこと思ってたんですか!?」

「えっと、ここが何処か当てればいいんでしたっけ?」

「話を良い具合にずらされましたけど、まぁそうですね」

「うーん…」


選択肢


1.病院

2.あの世

3.お前の家

4.異世界行くための待機場所


なんだこの選択肢!?

とりあえず消去法で行こう。

1は夢がない、却下

2は希望がない、却下

3は需要がない、却下

よって、4だな、夢も希望も需要も兼ね揃えた完璧な選択肢。


「異世界行くための待機場所?」

「え!?なんでわかったんですか!?」


え、合ってたんですか?


「マジっすか?」

「マジです。」

「やったー」

「棒読みやめましょ?」


何このやりとり楽しい


「改めて説明させてもらうと眠兎さんには異世界に行ってもらいます。」

「それだけか?ならさっさとチート能力寄越せ!」

「んーどうしよっかなぁ?あげようと思ってたけど何か急にあげたくなくなってきたなぁ」

「お願いします、このわたくしめにチート能力をお与えください。」


土下座である。


「でもなぁ~さっきまでのやり取りでノルンちゃんの心は深く傷ついちゃったからなぁ~」


うわ!めんどくさ!やっぱりこいつめんどくさ!


「……何をすれば許してくださいますか?」


土下座してた頭を上にあげ女神ことノルンの顔を見る。凄い屈辱だが能力のためだ、仕方ない。


「奴隷になる、下僕になる、一生私のパシリ、この三つの中から選んでください♪」

「異世界行かせる気ありますか?」


それに何だよ、一生私のパシリって、焼きそばパン買いに行かせる不良かよ、お前一生俺のパシリな?的な。


「さて、冗談はこれくらいにして」


絶対冗談じゃなかったなあれは…


「眠兎さんには……うーん。」

急に私悩んでますアピールをしだすノルン


「どうしたんだ?」

「眠兎さんって呼び方変えてもいいですか?」

「そんなことか、別に構わないぞ」

「ありがとうございます!」


そこからノルンは何かを考えるような表情で黙り出した。

そして突然彼女は満面の笑みを浮かべ、顔を上げたのであった、その時間およそ15秒。


「じゃあミントちゃんって呼んでもいいですか?」

「何故にちゃん付け?嫌なんだけど」

「能力あげませんよ?」

「心ゆくまで呼んでください!!」


弱みを握られた気分だ…


「さて!それじゃあ続き話しますね?」

「ミントちゃんには異世界に行ってもらう前に何か能力あげます!」

「わあーー」

「って言っても能力は選べません、人によって変わります。」

「そーなのかーー」

「これからミントちゃんの能力を確かめに行きましょう!」

「楽しみだなーー」

「返事が適当すぎませんか?まぁいちいち突っ込むのも面倒になってきたのでもういいですけど。」


そういうノルンはおもむろに一冊の本を取り出して差し出してきた。

受け取って開いてみるがその本のページは全て真っ白だった。


「その本でミントちゃんの能力が決まります」

「何も書いていないが?」

「所有者の名前を書いていませんからね、ここに書く名前はあっちの世界でも使うことになります」

「名前は自分で考えるのか?」

「いえ、ミントって名前をそのまま使いましょう」


何故かノルンが動揺していた気がするが疲れているのだろうか?


「じゃあここに私がミントって書きますね?」


そういいノルンは本にミントと書く

すげぇ、見たことない字だ


「じゃあ、ミントちゃん?」

「はい?」

「お楽しみタイム…ですね?」


そう言うとノルンは立ち上がりこちらを見る

その右手には…小刀が持たれていた

妖艶な表情をし小刀を片手にこちらへ近づいてくるノルン…やはりドSだったか…


「やめろノルン…まだやり直せる!!」

「何を言っているんですか?これはミントちゃんの為なんですよ?」


次の瞬間、ノルンは俺を強く押し倒し馬乗りになる

そして俺の手を抑えつけて……


(あぁ…俺、ここで死ぬんだ…短い人生だったな)




その小刀を振り下ろした






「あれ?生きてる?」

「何を寝ぼけてるんですか?」


目を開けるとノルンの顔が見える。

そして後頭部に柔らかい感触、これは…


「何で俺はノルンに膝枕をされているんだ?」

「だって、いきなりミントちゃんが気絶するんですもん…」


あ、俺こいつに殺されかけた


「よくも殺りやがったな!」

「殺ってないですよ!ていうかミントちゃんは既に死んでるじゃないですか!」

「あっそうか…」


うん、そうだった。


「で、何で俺を殺そうとしたの?」

「殺そうとしたわけじゃないです、ただ指をちょっとだけ切っただけです」


手を見ると確かに人差し指が切れていた

ノルンは手を掴むと「ヒール」と呟く

すると魔法陣のようなものが展開され、気づくと傷が治っていた。なるほど、これが魔法か…


「本に所有者を登録するには二つしないといけないことがあります。一つは名前を書く。二つ目は所有者の血を一滴垂らす。それだけです。」


つまり本の所有者として俺を登録するために指の先を切って血を垂らした訳だ


「って殺られるかと思ったわ!」

「ふふふ…騙されましたね?」

「絶対演技じゃなかった!!お楽しみタイムやら表情アウトだったもん!!」

「あれは完全に趣味の範囲です、ご馳走様でした!」


今日一番の笑顔を浮かべている。加虐趣味がある女神ってどうなの?


「それよりミントちゃんが寝ている間に本の所有者登録済ませときましたよ」


それよりとか言うなよ。


「じゃあ俺の能力もうわかるの?」

「はい」

「で、本は何処にあるの?見た感じドコにもないけど」

「今はミントちゃんの周りに魔粒子として漂ってます。所有者のミントちゃんが本に命ずるように『オープン』やら『開け』やら言えば出てきます。仕舞う時はその逆です。」

「閉じる時は『クローズ』やら『閉じろ』って訳か、よし。」


『開け』


そう言った瞬間、俺の手元に光が集まり、一瞬のうちに本の形になる。


「おぉ!すげぇ!!」

「いい反応しますね」

「普通に楽しい!」

「楽しいところ悪いんですけど…能力見ましょ?」

「はい。」


何かさっきより立場逆転してない?


「えっと…これは…ステータス?」


最初のページにはステータスと書かれていた、が、ステータスという文字以外何も書かれていない。


「ミントちゃんまだ転生してないですもんね」

「なるほど。」

「能力のページは三ページ目ですよ。」

「はい。」


やられっぱなしである。


「これは…」

「能力は三つあるはずですけど…どんな能力でしたか?」


能力

『万能』

『書記』

『成長』

『✕✕』


何か万能と成長ってのはありがちの強そうなパターンだけど…何?書記って?字が上手になるの?

それより…四つ目あるじゃん、何これ


「あーまたチートなのが出ましたねぇ…」

「え?嘘これチートなの?」

「はい、効果は本に説明文に書かれるのであっちで読んでください。」

「この『✕✕』って何?」

「それは…そのうち分かります…」


ニヤニヤしてる、うわぁ、腹立つ。


「これで異世界に行く準備は出来たわけだ。」

「はい、じゃあ行っちゃいましょうか」

「軽いな」

「これが仕事ですから」

「給料いいのか?」

「案外ブラックな…って何言われるんですか!」


ブラックなんだ…女神なのに…


「じゃあ、この魔法陣内側に入ってください、飛ばします。」

「違う言い方なかったのかな?」


飛ばしますって…


「そう言えばあっちの世界では言葉通じるの?さっきノルン書いてた文字わからなかったけど」

「そこはよくある感じでいい感じになるので大丈夫です」

「適当かよ」

「じゃあ飛ばしますね!」


もう行くのか!早いな!!


「実は早く飛ばしてサヨナラしたい?」

「そんなことは無いですよ、私こう見えてもミントちゃんの事は大好きですよ?」

「最後に壮大な嘘をありがとう」

「嘘じゃないですよー♪」


ノルンは魔法陣を起動させる


「眠兎さんもミントちゃんもどっちも大好きです♪」

「えっ…それどういう意味…」

「さよなら眠兎さん。行ってらっしゃい、ミントちゃん!」


次の瞬間、視界が真っ白になって俺は意識を失った。








目が覚めるとそこは…

ここは…何処だ?

うん、、森。

やっぱりありがちだね


「ミントちゃーん!ようやくお目覚めですかー?」


脳内にノルンの声が響く、凄い


「色々言いたいことはあると思いますけど、多分ミントちゃんの聞きたいことは…私が最後に言った意味深な言葉についてですよね?」


その通りです。


「その答えを知りたいなら…本の能力のページを見たらわかりますよー♪」


一方的な会話だが、こっちの聞きたいことが読まれている以上素直に従った方が楽なのかもしれない…


『開け』


二回目だけど本出す時相変わらずカッコイイよね

とか言ってる場合じゃなかった…ノルンの言った通り能力のページ、三ページ目を開く。


「なんだこれ?能力『✕✕』が…光ってる?」

「ふふ…そのうち分かるって言ったでしょ?」


ノルンのドヤ顔が浮かぶ、うざい。


能力『✕✕』に触ってみると本の文字が書き換えられていく

そして…そこに残った文字は…


能力『転換』


んん???


「転換……?」


説明

強制発動能力

所有者の性別が変わる。

なお、発動したら二度と解けず、この能力は失われる。


「……え?」

「生意気なミントちゃんに、私からのささやかなプレゼントです♪」


本から文字が剥がれていく。

転換の能力の文字が。


「嘘…ですよね…?」


震える手で本の一ページ目を捲る。



そこには



『♀』と書かれていた




「神は無情だった。」





その言葉を最後に意識がだんだん遠くなっていく。

最後に聞いたのは、女神の姿をした悪魔の笑い声だけだった…


今回はここまでです!

前書きでもあった通りこの話で零章は終わりなので近々設定などを出しときたいです!

見てくださった方ありがとうございました!

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