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美羅撫子先輩

PM5:30


私は美羅撫子 26才 

身長が少し高めで178㎝、流石にもう伸びないと信じたい




私が働いているコンビニは7時から営業する


7時から営業を始める為に勿論色々な準備が必要だ、その内容はまぁいいとして

その準備を全て終える時間は一時間と少し、

まぁ5時半頃に来れば準備しはじめて開店するまでには丁度いい感じだろう、


ここのコンビニの店長は少し変わっていて、ちゃんと規定された開店時間や閉店時間は定められていない。

店長が従業員に一番最初に伝えた言葉はこうだ

「…仕入れとお金の管理は私が全てやる…他は皆で決めて…」


そう言うとそれ以降は給料を手渡しする時か、なぜか勇がシフトの日しかこない。


初めにいた従業員は四人だけ、全てが唐突でめちゃくちゃ大変だったなぁあの時は


そんな話しはいい



まぁとにかく5時半にコンビニにくれば丁度いいという事、けど私は勇がシフトの日だけは5時にコンビニのドアノブを握る、何故かというと、あいつが好きだから、それだけ

また今日あいつに会えると思うと少しはやく家を出てしまう、心が踊ってしまう、

私は思いっきりレズだ、元よりそっちの気はなかった、けどしょうがない、好きになっちゃったんだから





私が通っていた高校は女子高、女の子しかいない高校だった、

まぁ勿論そっちの気の人もいて、よくラブレターはよく貰った、やっぱスポーツとかしてる同級生は大体の人がラブレターを貰ったことがあったらしい、

でもその頃の私はまだ恋愛の対象は男だった、女に変わるなんて思いもしなかったな


私は中学生から自分の高い身長を生かしてバレーボールをやっていて、高校生に入ってもバレーボール部に入った、

元より運動の才能があったのか、将来を期待される程の実力があり、自分もその期待に応えようと毎日練習をかかせなかった


それも含み、女子高での毎日はとても充実した日々だった

勉強は少しいただけなかったけど



そんなある日






家族で旅行に行く事になった、少し遠い場所にある有名な温泉宿、母と父が毎日の練習で溜まった疲れを癒す為にと私に提案してくれたのだ、勿論行くと答え、その日を楽しみに寝床についた



そしてその温泉宿に行く日が来た

家族で意気揚々と車に乗り込み、エンジンをかけて家を出発した、




その道中、事件が起きた、



家を出てから数十分、

交差点の信号が赤色から黄色、ついで緑色を照らすと共にアクセルを踏み込む父、

その瞬間大きく鳴り響く爆裂音と共に私の意識は一瞬にして途絶えた








居眠り運転だった、

私らが乗っていた車が交差点の真ん中にでたと共にに徹夜の運転で睡魔に教われ、深い眠りに落ちた運転手がトラックのアクセルを踏み続け、不幸にも事故になってしまった、





その結果、私は二人の親を失った、

そして、バレーボールを失った

右腕のを粉砕骨折、 

後遺症として右腕の手首が上手く動かなくなったのだ、

一定以上の手首の動きを制限されたのだ、トスもあげられなければスパイクも打てない、ましてや左手だけではバレーボールをするのはとても難しい

そして左の足首にも後遺症が残った、

激しく動かしたりすると激痛が走るようになった






それからの私は心にポッカリ穴が開いたままだった


なにも考えたくない、考えたら絶望で押し潰されてしまうからだ、


友達も消えていった、


なにも喋らず、ただ淡々と授業を受け、飯を食べ、寝て、そんな機械見たいに動く私を気味悪がって近づかなくなった、

あの頃は本当に機械見たいに心が無かったのかもしれない




一年がたった、私が18才になった



そして私はお金を稼ぐ為に働き始めた、


叔父と叔母はもう病気で亡くなっていた、

お金はあったものの、勉強もする気が起きない、起きたとしても元より右利きだった為、左手では字が上手く書けない



大好きだったバレーボールも出来ない、


やることが無いため、ただ、何となくだった









「…何故ここで働きたくなったの…?」


「やることが…なかったからだ」


「そう…」










今思えばなぜ受かったか分からない







「…他は…任せた…」


「ま、まじっすか!?」



「け、結構ぶん投げ系?」



「まぁ私がいれば平気な確率は高い」 



「…わかった」






働きたはじめて七年、淡々と仕事をこなして、趣味や欲しいものが無いため、お金が溜まった


けど溜まったお金の使い道すら考えなかった


特になんにもなかった、起こそうともしなかった


私は何をしているんだろう、穴が開いた心で毎日考える事だ






そしてある日、従業員の一人が「最近仕事がキツいし新しい人入れた方がいい確率が高いです」


と、言い始め、従業員募集の紙を色々な所に貼りはじめた





そして案の定働き手希望者が来た、適当に話を聞いてちゃちゃっと採用しよう、そう自分に言い聞かせ思い腰を上げた











「七城勇、と言います、い、いやぁーいいコンビニですね」





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