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暑中見舞いも宇宙から

作者: 沙綺

『暑中見舞い申し上げます。少年と出会ってからはや半年。宇宙は夏っぽい感じがしないのだが、地球に着てから初めての夏ということで地球を滅ぼすべく、毎日クーラーの恩恵にあやかっています。地球温暖化が進まないものか。』

 そうか。俺があいつらに出会ってからもう半年も経つのか・・・

 環境論者が見たら激怒するだろうな、と容易に想像できる暑中見舞いを送りつけてきたのは俺の友人、とは言えないものの、知人の宇宙人だ。

 はがきにはUFОの写真。よく届いたな。いや、自分で届けたのか。

 受験生の夏。俺は日々勉強に追われる。もう勉強なんてうんざり、と思っていたりもするのだが・・・

「進学先・・・宇宙にするか」

 俺があのエイリアンと出会ったのは去年のクリスマスである。

 


 以下回想始め



 時は二〇〇九年十二月二四日。師走。まさに年末。忙しくて、忙しくて全く仕方が無い。

 数週間前にテストも終わり、今年はもう勉強することも無くだらだら過ごしてきたわけだが、来年のこの時期はもう受験なんだと思うと今年の冬はしっかり悔いの無いように遊びたいと思う。

 しかし残念ながら今現在俺に彼女はなく、明日、聖夜の予定はまだ空白のままで、今日もむなしく、恋人が跋扈する街中を一人で歩いているわけだ。

 クラスの野郎どもにカラオケに誘われたのだが、あまり乗り気ではない。

 しかし・・・少し寂れた商店街もクリスマスとなればいつもより賑やかになっている。クリスマスツリーやキラキラした飾り。サンタの格好をしたケーキ売りのアルバイトさん。そういえば、サンタクロースをいつまでし・・・

 という、やけにデシャブったお約束の質問を言う前に俺の思考は停止した。目の前にいる人物(?)にとても驚いたからだ。さっきも見かけたがこの時期には多いサンタの格好。それはいいのだがそれを着ている人物(?)―――まるでどこぞの映画に出てくるような細い四肢、全アメリカ大統領の演説生中継中に彼の背後に映ったあの影のような大きな瞳、その名の通りの体の色―――まさにグレイ型エイリアンっぽいのが俺の前にいる!

 さて、どうするか。他の人は気付いてないみたいだし、おかしいのは俺の頭か。ああ懐かしき常識を持ち合わせた頭脳。前回のテストで狂ったか。偏差値七十の頭なめんな(嘘)。

 とりあーえず関わらないほうがいい。こういう時どこに電話すればいいのか。FBI?KGB?CIA?オバマさんか?まずは日本の防衛省からだろう。大臣誰だっけ。まあいいや、俺の平凡な日常を返せ・・・彼女いなくていいから。できれば偏差値七十の頭を・・・

 Unfortunately, he looks to me and I realize that my life will be ended by that Arian.

 俺って英語得意。

「そこの少年、2、3聞きたいことがあるのだが・・・」

 英語で質問が来なかった!まさか・・・彼らは翻訳装置でも持っているのか。日本語ってすばらしい。

 さて、気付いてない振りして逃げよう。

「ちょ、少年待ちなさい」

 何でついてくる?他の人に聞け。

「撃つぞ!」ああ、さらば俺の人生、キャトルじゃないけどミューティレーションされちゃうのか。ああ、あのゲームもう一回やりたかったナ。

「で、聞きたいことがあるのだが」撃たないのかよ!

「撃って欲しかったのか?」そんなことは、無いです。

「フムン。面白いな少年。いい研究対象になりそうだ」もう勘弁です。その目で睨まないで。ちょっと怖いから。

「おおそうだった。少年よ。ペンタゴンへはどうやっていけばいいのか?」

「は、今何と?」

「ペンタゴンだ、あの五角形が特徴的な建物だよ。分からないのなら次だ。要塞型対電子戦用都市ムーは今どこにある?」

「何を言っているのですか?」電波系の質問に戸惑う俺。宇宙人よ、放射能か何かに侵されたか?

「この星の人間のくせに分からないのか。全く、なさけない」

「いや、後者はともかくペンタゴンはこの国にありませんよ。アメリカにあります」

「あめりか?それはどこだ」なに古い時代の人間みたいなことを、まさかテレビを見て箱に人が入ってるなんて・・・

「言うわけ無いだろう。我々をなめんな。技術力パネーぞ」亜米利加知らないのに変な言葉知ってる!というか心読んだ。少年びっくりだ。

「くそ、ついてこい」

もう、逃げたい。


「なぜ少年に私の姿が見えたのか分からんが、現地の住人に協力してもらえば情報収集もはかどる。私の姿を下手に見せて混乱させては調査どころではないからな」

「あの、質問いいですか。技術力パネーなら擬態とかできないんですか」

「おお、忘れてた」なんだこの宇宙人。

「ピラピラクりん、くるくるパー」、また電波系!?

 変な呪文と共に現れたのはグラマラスな美女。お前女だったのか。

「違うぞ少年。詳細に調査した結果、少年位の年齢、所謂思春期には異性への興味が増大するというではないか。ホレ、嬉しいだろ?」いらんとこ調査済み!?アメリカ調べとけ。

「フフフ、少年。どうして私と腕を組んでくれないの?クリスマスなのに冷たいわよ。私たち恋人なのに・・・めっ。少年が悦ぶことしちゃうぞ」ぐぼふぁ。何かやわらかいものが・・・

「君たちの弱点はもうヴァレヴァレだよ。実物の体を隅から隅まで調べたからな(嘘)」

「何うらやま・・・もとい破廉恥なことをしてるんだ。読者ドン引きだよ」

「良いではないかー」


「で、結局何しに、どこから来たんですか?」

「ああ、出身はくぁwせdrftgyふじこlp;@星だ」

 I beg you a pardon?

「くぁwせdrftgyふじこlp;@星だ。少年には発音できないだろう。@星と呼びたまえ」・・・まじすか?

「目的は単に侵略だ」ぶっちゃけたー。っていうか情報漏洩かよ。

「前回の侵略開始予定日は十年前の夏のことだった」

一九九九年七の月。空からアンゴル・モアの大王が降ってくる・・・まさかね。

「当時、この星は凄い勢いで情報が伝わった為我々は侵略を断念した。そして今回の調査は、また我々の侵略の情報が広まったという噂を得たため、行ったものだ」それはまさか、三年後に起こるアレですか?

「やはり知っていたか。大掛かりな情報伝達がペンタゴンで開かれているというから来たのに、少年は知らなかったのか」ペンタゴンって・・・近くのショッピングモールの映画館かよ。確かに言われてみれば、あの映画館のトレードマークは五角形だ。

「ではもう一つの目的を果たさねば」ん?

「この星では明日一大イベントがあるようではないか。クリスマスというものが。それは一体何なんだ?」

「ああ、クリスマスというのは・・・」

俺は長々とクリスマスについて宇宙人に語った。たぶん人類史上初だろう。たぶん。

「サンタにプレゼントか。時期を早めて侵略兵器をこの星に贈るか」いや、誰も喜ばねえよ。

「で、少年よ。何が欲しいんだ?」

「俺?いや、別に欲しいっていうものは特に・・・」

「女か?抱ける女が欲しいのか(笑)?」出来るのか!?宇宙人は不可能を可能にするなんて素晴らしい存在・・・また破廉恥な。

「夢を壊すようですまないが、無理だ」はは、ですよね~。

「時間を取らせてすまなかったな少年。勉強になったぞ」

「もう、帰ってしまうんですか?」ちょっと寂しい。

「ああ、いつか侵略に来るかもしれないがな」

「結構です」

「では少年。いいクリスマスを」

 Have a nice Christmas, for wonderful Arian.

 結局、英語を話せるのか分からなかったな。聞けばよかった。


 十二月二十五日。

 さて、昨日もお話したが俺にクリスマスの予定は無く、朝は憂鬱な気持ちで起きたのだが、何故か目の前には見知らぬ・・・天井ではなく袋が。まさかサンタからのプレゼント!

 さっそく開けてみるといしころが入っていた。

「手紙もついてる。どれどれ、少年よ、昨日はありがとう」

『ささやかながらプレゼントを用意した。正真正銘の月の石だ。別に使っても進化はしないぞ。放射線に注意だ(嘘)。大切にもっておけ。じゃあな』

 経済がどうとか、基地がどうとか言ってるこの国には彼らみたいな存在に侵略されるのがいいのかもしれない。きっと解決してくれるだろう。地球温暖化も。

『臨時ニュースです。○×△研究所は先ほど“present for you”というメッセージを受け取り、間もなく大量のクリスマスデコレートされた未確認飛行物体が・・・』

 そんな唐突なニュースを見て俺はただ、エイプリルフールにはまだ時期が早すぎると思った。



 以上回想終わり



 ああ、思い出した。あの後あいつらは地球に隠れ住み始めたんだよな。こんな手紙をよこしてくるんだから楽しく暮らしているんだよな。

 俺は気になったのでテレビをつけてみる。

「まさかと思うけどクリスマスみたいに・・・」

『臨時ニュースです。○×△研究所は先ほど“present for you”というメッセージを受け取り、間もなく大量のお中元をばら撒く未確認飛行物体が・・・』

 色々とデシャブを感じながら俺は、宿題をやろうとテレビを消した。

「やっぱり、進学先は宇宙にしよう。あいつらに常識を教えないとな」


これはよんだ通り、2009年のクリスマス用に書いたものです。

クリスマスでなければ発表できなかったのでこういう形での投稿です。


私の初期の作品なので文体が異なり、読んでて自分も新鮮でした(笑)

感想、お待ちしております。

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