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第3話 禁書の魔術

城に着いた俺は門を魔術で破壊し、城へと入る事に成功した。

どうやら魔法師達の結界は張られてないみたいだ。 まぁ、なんとなく予想はついていた


この王国には魔法師には見えない魔術の結界が張られている。 それも... 禁書の魔術だ。

禁書には禁書特有の魔力の感覚が存在する。 俺はその魔力をなんでか感知できる。


外で寒そうにしてた、少女をこの国に入れてやろうと思ってたがやっぱり入れなくて正解だったな。


この魔術結界を壊して、この国を元に戻せるのはおそらく... 俺しか居ない。


とりあえず、今はこの国の王であるアゼルを見つけるしかないな。

俺は城内を守る衛兵達の目を掻い潜りながら、王室へと向かった。


___________


その頃王室にて....


黄金に光り輝く王室に剣を持った黒髪の男と、黄金の玉座に座る髭を生やし太っている男が居た。

剣を持っている男は膝を床につけ、ある事を聞いていた。


「アゼル様... 私は知りたいのです!!

兄の死の真相を... 何故.. 何故! 聖剣に認められた兄が... 何故死んだのですか!!


聖剣には不死の加護が付いている... あの逸話は... 嘘だったのですか!?」


王に聞くその男は聖剣使いの兄を持つ、バベル・ロイドという剣士であった。


ロイドは昔、聖剣の逸話を聞いた事がある。

聖剣には不死の加護が宿っており、聖剣所有者は死ぬ事がないと。


だが、ロイドの兄は書き置きも残す事なく自身が持っていた聖剣を破壊し... 自室で首を吊って死んだ。


ロイドは謎だったのだ。聖剣にも認められた兄が、何故その聖剣を壊し自殺をしたのか。

その真相を知る為に、王であるアゼルに謁見しているのである。


アゼルは杯に入っている酒をグビグビと飲み、

近くに置いていた酒の瓶を見た後、杯を持ちながらロイドの問いに答える事にした。


「前にも言ったであろう...!! 彼奴は聖剣に認められてなどいなかったのだ!

新たな聖者が出来ると思った我が馬鹿だったのだ!!  お前の兄は... ただの出来損ないの剣士だったのだ!!」


アゼルは持っていた杯を置き、近くに置いてあった分厚い本へと手を伸ばした。


「我は... 我はこの世の全てを統治するのが願いだった!!

だが、何一つ上手くいかない!!! 聖剣使いは死に!! 聖剣も破壊された!!


そしてその弟は出来損ないのクズ!! 我は... 我は全てが欲しい...!!

剣士ロイドよ!! 我を... 我を守り抜け!!! 我の世界を破壊する不届者を!!」


そうアゼルがロイドに叫ぶと、ロイドは頭をガクンと下に揺らし、数秒間静寂が続いた後ロイドはアゼルの方を向きこう言った。


「ご命令とあらば... 私は従うのみ...」


その瞬間、王室の扉が勢いよく破壊され砂埃の中から血だらけの青年が出てきた。


血だらけの青年は手で頭の血を拭った後、アゼルの方を睨みこう言った。


「今の魔力... 禁書の魔術を使ったな。 俺の予想はあってたよ... アゼルバンディラス!」


アゼルは杯を置いていた机を蹴飛ばし、酒の瓶を足元に投げた。


「お前の戯言など... どうでも良い!! 我には... 我にはこの禁書がある!!

 お前も.... お前も我の奴隷だ!!」


アゼルは禁書を開き、ルインに向かって魔術を唱えた。

だが、ルインは顔色ひとつ変えずアゼルが座る玉座に向かってきていた。


「何故だ...! 何故効かぬ!?」


ルインは慌てふためくアゼルを見て、少し笑い声が溢れた。


「俺はアンタが使う... その禁書の魔術は効かない。 身体の魔術構造が違うからな。

 大人しくすれば殺さない程度にするが、どうされたい?」


アゼルは激昂し、ロイドに禁書の魔術をまた唱えた。


「ロイドよ!! 此奴を殺せ!!!」


「はい... 仰せのままに」


ロイドは立ち上がり、腰に付けていた剣を抜きルインにその剣を向けた。


「剣士ロイド、参る!」


その刹那、 激しい閃光と剣の音が聞こえ薄らと魔術の光が見えていた。


「この剣士の動きが... 速すぎて目で追えないっ!! クソっ... 何か面倒くさい魔術をかけたな...」


ルインは『月棘』をロイドに放ちつつ、ロイドの間合いに入らないようにしながら戦っていた。

『月堕』はさっき牢獄で使ったせいで、 使えそうにない... この魔術、魔力消費量が馬鹿なんだよ..


ルインが解決策を見つけつつ、ロイドと戦う中、ルインはロイドの目に宿るある異変に気付いた。


「その目... どっかで見た事あるぞ....」


ルインの目に写るロイドの目には渦巻き状の魔術陣が書かれており、ロイドは戦いの中でも顔色一つ変えず俺に

斬撃を飛ばしてきていた。


俺は昔、ある人と過ごしてた時がある。 朧げな記憶だし、明確に思い出せるわけじゃない。


でも、あの人が使役する... 魔物らしき目に俺の前にいる敵と同じ魔術陣が書いてあった。


魔物は本来、使役できる様な存在じゃない。魔物には特殊な魔術の結界が存在するからだ。

でも、あの人はその結界を超え... 魔物を使役していた...


...使役 なるほどな!!


ルインはロイドの目に宿る魔術の正体に気付き、ロイドとの間に『月棘』を生やし距離を取った。

ルインは腕や腹から傷を流しながら、目が虚なロイドに向かって言葉をかけた。


「剣士ロイド... だったか? アンタは今、アゼルに操られてる... だろ?」


ロイドは剣に付いた血を振り落としながら、またその剣をルインに向けてこう言った。


「操られる... ? 貴方は何を言っているのですか? 私はただ... 命令に従うだけです」


催眠魔法は真実を知れば、解除が出来る。 だが、ロイドにかけられてるのは禁書の魔術だ。

やっぱ... 魔法と魔術じゃ構造が違うから効くわけないか....


魔法師以外は極力殺さない様にしてたが... はぁ... 嫌な気持ちになる。

でも、 禁書を取り戻すにはこうするしかない。


「命令に従う... 。 あぁ、じゃあいいぜ? 俺を殺しに来い.. 殺せるもんなら」


「貴方みたいな強者と戦うのは兄様以来だ。

私も本当は、貴方みたいな人を殺したくはない。 でも、殺せという意思が私の身体中を駆け巡っているのです。

貴方のその言葉... 覚えておきましょう。 私の剣に眠る、数々の魂と共に。


剣に宿りしは不滅の炎、闇を照らし、世界をも照らすその炎で悪を討ち滅ぼさん!!


滅却の炎(アビスインフェルノ)』 」


ロイドがそう唱えると、剣に青い炎が宿り研がれて輝いていた剣がより一層輝いた。


あの炎... 牢獄に来た魔法師達が使っていた炎魔法とは何か違う.... 触れちゃまずい。

そんな予感がする。


だが、俺が今頭に浮かんでいる作戦じゃアイツに近づくしか勝ち目がない。

不死は不死だが、痛い事は普通に嫌だ。魔法師の魔法だって痛かったんだからな...


でも、今はとやかく言ってられる暇はない。 俺は深く息を吸った後、ロイドの方へと走った。


だがその刹那、青い炎が俺の身体を燃やし俺の身体から血が飛び散っていた。


俺は今の一瞬であの剣に斬られ、身体を消えぬ業火で燃やされているのだ。


熱い.... 痛い.... そんな思考が頭の中を駆け巡る。  でも、今は目の前の相手を倒すのが俺のやるべき事だ。


俺は青い炎で身体を燃やされながらも、立ち上がり血を吐きながらロイドの方を向いた。


「その業火で燃えながら立つとは... 貴方は相当強いお方だ... ですが.... 次の一撃で最後でしょう。

最期に名前を聞かせてください、私の剣に斬られる強者の名を」


ルインはロイドの問いに答えず、口に付いた血を拭い手を横に広げ目を閉じていた。


ロイドは少し悲しげな表情を見せつつも、剣を強く握り足を後ろに下げた。


「名乗る程の相手でもないと... 少し、悲しいですが... 名も無き強者として覚えておきましょう。

 では、深い眠りについてください」


その瞬間、ロイドは光の様な速さでルインの元へと走り剣を振りかざそうとした。

だが、ルインは閉じていた目を開きロイドにこう返した


「俺の名はルイン 死後お見知り置きを。 『月堕(ルナ・ガロン)』」


その言葉を聞いた瞬間、ロイドの身体に重い重力がかかり手足が動かせなくなった。


だが、ルインもロイドと同じくとても手足が動かせる様な状況ではなかった。

『月堕』は重力をかけるだけでも、莫大な魔力を使う。

相手に重力をかけて爆散させるなんて、最初だから出来た魔術だ。


俺は血を吐きながら、震える指をそっとロイドの方へと向けて死にかけの身体に残っている魔力を振り絞りながら魔術を唱えた。


月棘(ルナ・ゼクス)


王室の床に、戦いの最中に仕込んでいた魔術の陣が現れ中から一本の長い『月棘』が止められたロイドの身体を突き刺し、ロイドは『月棘』に刺されたまま意識を失った。


だが、意識を失うのは俺も同じだった。最後の魔力を振り絞って出したんだ。


死ぬに決まってる。




















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