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第2話 不死

足音がどんどんと近くなってくる。 武装した魔法師達が来ているのだろう。


俺は、錆びれた階段をゆっくりと上がりながら微かな光が見える扉の方へと歩いていった。

上がる最中ここに居る人達の声が聞こえてきたが、今その人達を救う余裕などない。

俺はその声を無視し、冷静な気持ちのまま魔法師と戦う準備をしていた。


だが、魔法師達は俺の予想より早く到着したようだ。

俺が目指す扉が勢いよく開き、魔法師達が杖や魔導書を持ちながら俺に魔法を唱えてきた。


「闇を祓いし炎よ、魔を祓いたまえ!! 『アグヌス』」


若い魔法師の手から青い炎が飛び出し、俺の周りを囲んだ。あれは炎魔法の中でも最上級の魔法だ。


触れようもんなら、俺の身体に消えない炎が纏わりつき燃え尽きて死ぬだろう。


でも、囲んだぐらいじゃ俺は止まらない。 俺はゆっくりと魔法師に人差し指を向け魔術を唱えた。


月棘(ルナ・ゼクス)』 


俺の指の周りに四つ魔術陣が開き灰色の尖った月石が魔法師へと飛んでいった。


魔法師と魔術師には大きく違いがある。魔術師は物を介さずに魔術を扱えるが魔法師は物を介さないと魔法が使えない。


魔術師達はその点、攻守共に長けている。だが、魔法師は攻めが強くとも守りに弱い。

防御魔法の発動に時間がかかるのだ。


俺が放った『月棘』は炎を切り、風を切り魔法師の身体を貫いた。 

魔法師に必要な腕は弾け飛び、腹には大きな穴が開いた。


その魔法師は口から血を吐き出し倒れ死んだ。

仲間の死を見た魔法師達は、怒りに震え俺に向かって多数の魔法を放ってきた。


強力な風魔法や水魔法、雷魔法などを全身に喰らった俺は腕が飛び、腹に半分穴が開こうとも、扉に向かう足を止めなかった。


「何故だ..... 何故アイツは死なない!!」


1人の魔法師が怯えながらそう言ってきた。

俺は両手を横に広げながら、前へと進みその問いに答える事にした。


「俺は... 死んでも死なない.... 不死の魔術師だ。 貴方達は身近に潜む悪に気付けなかった。

それに俺は... 意味もなく人を傷つける人が大嫌いだ。 だから、ごめんよ。 今、ここで全員死んでくれ」


月堕(ルナ・ガルド)


俺がそう唱えると、俺の足元から魔術陣が展開され周りの全ての魔法師達の動きを止めた。

そして、横に広げていた手を振り下ろすと俺を囲っていた魔法師達が勢いよく縮み、爆散し血が勢いよく噴き上がった。


俺が使うこの魔術は範囲が狭いものの、威力は絶大だ。

熟練の魔法師なら気付くであろう程の魔力を出していたのに、魔法師達は怒りに飲み込まれていたのか気付けていなかった。


俺は血の雨が降る中、血溜まりと細切れになった肉を踏みながら牢獄から出た。

だが、どうやらここはまだ監獄内のようだ。


出れたは出れた... だが状況はとても良いとは呼べなかった。 四方八方から魔法の気配と、足音が聞こえる。


俺は少し息を吸った後、魔法の気配がする方へと走り出し魔術を使って魔法師達を殺していった。


俺が通っていく道にはどんどんと死体の山が出来ていき、後ろから来ていた王国の衛兵達の足止めになっていた。


俺は血に染まる身体を死ぬ気で動かしながら、監獄の出口へと走っていき、『月棘』で鉄の扉を破壊し王国へと飛び出した。


目的はただ一つ、禁書の回収だ。


俺は少しづつ治っていく身体を気遣いながら、街の中を走っていった。 

俺が脱走した事が地上にもバレていたみたいだ。


俺はただ、禁書を回収したいだけなのに。 あの衛兵が冤罪をかけて捕まえてきたせいで、俺の計画が全部狂った。


外で寝てた少女に俺が着てたコートと、ちょっとした食料置いただけだったのに...

襲うだなんだって勝手に決めつけられて最悪だった。 俺はただ、可哀想だと思っただけなのに。


出来る事なら魔法師は殺さない計画で行こうとしたのに、冤罪のせいで魔法師を全員殺さないといけなくなった。


不死と言っても痛覚はあるし、感情だってある。でも、禁書の為だと思ったらまぁ許せる。

禁書に書かれた魔術も気になるし、あの人が言ってた俺の秘密も気になる。


その為にも今はあのデカい城に行かないといけない。


俺はなるべく魔法師に会わないルートで禁書が眠る城へと向かった。







感想などありましたらぜひ書いていただけると嬉しいです。

作者のモチベーションが多分上がります

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