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【プロットタイプ】飢えていても人を選ぶ

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


※『小説家になろう』、『カクヨム』様にも投稿をしております。


注意事項2

恋愛です。R15です。

苦手な方はご注意下さい。


そうだね。

媚びを売っても、最終的な物までは渡さないね。

鏡花という生き物は、常に対となる物を持つ。生真面目な様でだらしがなく、派手な様で慎ましい。何にでも配分を変えてなれてしまうので、自分という核が蕩けて曖昧。けれどもまぁ、誑かすのは自分であるという自負だけはある。


人が見たいと思う。人の二面性が見たいと思う。美しいものは、綺麗な一面は皆んな惜しみ無く晒してくれる。だからその裏、穢らわしく、汚いところに興味がある。

今の私はなんだかおかしくて、気が大きくなってしまって、開いた瞳孔が縮まらない。鼓動が、吐息が暴れ回って、じくじくと心臓を蝕んでいた。そうなると止まらなくなって、瑠衣の背中側のシャツを鷲掴みにした。

こうなった理由は分かっている。今日買った本が原因だ。丁寧な取材から発展したエッセイの様な文庫本。これがなかなかディープであり、生々しく、私の欲を掻き乱す。

「るいたん」

べったりと、舌足らずな声音になっている。女帝が止める声が遠くに聞こえる。耳の中がこそばゆい。身体の中でもっともか弱い部分がむず痒い。心臓が疼く。

瑠衣の顔は冷ややかだった。ただ冷たく、その視線でわたしを切り裂く様に抉って来る。

「口が……」

痒い。そう痒いのだ。顎下が、口腔が、何かに擦り付けたくて仕方がない。指でも良い、萎えたあれでも良い。さっさと昂る熱をいなしたい。

そう思っているとなんだかおかしくなって、瑠衣の首元を鷲掴みにしていた。

「痒い。あぅ……うぅ……」

胸元にある私の手。瑠衣は未だに離そうとしない其れを無理矢理引き離し、髪と髪の間に指を埋めた。一度顔が近付いて、鋭い瞳で此方を射抜くと、ただ淡々とこう言った。

「お前、本当によく分からないな」

焦らされていると思ったら既に体が動いていた。無理やり瑠衣の顔に口を押し付けて、そのまま髪を鷲掴む。色気もへったくれもない口付けをした。それでも瑠衣は対抗しなかった。されるがままに受け入れてくれた。

「今のお前、浮気しそうだな。一説には人妻は価値が上がるらしい。飢えていると思われるから」

浮気はするかも知れない。でも軽んじる者は絞り上げてさよならするよ。


なろうと思えば何にでもなれてしまうのが、鏡花という女である。地味で生真面目な人妻にも、派手な売春婦にもなれてしまう。そして今、完全に売春婦の状態だった。

「おふとん」

風呂上がりの甘ったるいシャンプーの匂い。常日頃だらしないせいか、数段飛ばしで止められたパジャマ姿から見える胸元。一般的には手が出したくなる様な空気があった。

「タダでも身体売るのか?」

「売らないよ。どれだけ飢えていても、人は選ぶよ」

手のかかる奴。

私が売りにしている者は、二面性です。

生真面目で崇高なものも書くし、だらしなくて落魄れたものも書きます。

でもだからそ、境界線だけは常に意識してます。


今ね、

あの街はボロクソ言ったけど、結構好きだよ。

っていう前に紹介した本を読んでるの。


私が好きな街は上の方。

でもこの本が取り上げられているのは下の方。

あんまり表立って言われない、汚いところ、薄暗いところ、ディープなところ、淫らなところ、其れが赤裸々に書かれているもの。


でもだからこそ好き。

お高く纏って居そうな人が、平気で倫理観踏み外す様な、そんな街。

決して何方にも傾かないところが好き。

綺麗も穢いも、同じくらい濃いから。


まぁ生真面目にも、だらしなくもなれそうなんですが、『軽んじられてる』と思ったら媚びへつらいながらも見下すし、一番良いところで『じゃ、これで。君に興味とかないから』とか切り捨てそうな感じがある。


鏡花も私も。

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