読み手だからこそ言える、作品のこと
最近、この作品惜しいなと強く感じる作品に出会いました。
ストーリーも、キャラ設定も、文章も申し分ない。なのに全く作品に引き込まれない。
恐らく、このエッセイを手にとって頂いたかたは他のかたの作品であったり、自分の作品であったり、さまざまなところでこのような経験があるのではないでしょうか。
そこで今からわたしは何故このようなことになるのかを自分なりにまとめてみてみました。
徒然なるままにかいていますので、多少変なところがあっても見逃してください。
まず最初に、良い作品、つまり人気の作品をつかって説明したいと思います。
人気なキャラ、好きなキャラ。誰でも良いので一人思い浮かべてください。
わたしは、そうですね、たとえとして例の飄々とした最強の目隠しを思い浮かべたとしましょう。
そしたら、思い浮かべたキャラの魅力を考えてください。キャラ設定でも、言動でもなんでも構いません。
彼の魅力は、飄々としている様子に見合わぬ強さのギャップ、生徒思いや友人への愛、献身、自信満々な様子…
どうでしょう、思い浮かびましたか?
では次に、設定を変えずそのキャラの魅力を殺してください。
私ならきっと、最初に飄々とした様子を崩させます。愛着が沸く前というのがポイントです。そして、ハイテンポに物語を進め次々とイベントを起こすでしょう。もちろん見せ場は軽く、良い台詞も考えません。再度言いますが、キャラ設定は特にいじりません。
もし彼がこんなふうに作者から提供されたら魅力を感じますか?
上記は惜しいなと感じる作品によくある例です。
キャラに愛着を感じず、魅力も感じず、ああこういうキャラなんだなということだけ与えられて、そして気がつくと怒ったり泣いたりしているんです。そういった場合私はよくこう思います。
「こいつはなんだ」
と。
大体の作品はキャラを中心に回っています。しかしキャラに愛着も魅力もなく、だからストーリーになにも思えず、ただただ文字を目で愛でるだけ。
苦行です。
作者は自分の産んだキャラなので魅力を感じるのでしょう、愛着が産まれているのでしょう。
しかし読者にはそれがありません。そして突然起こされた「よくわかんないなんか」で魅力を感じることも私の場合、できないんです。
まずは、見せ場を作ってください。
あなたの好きなキャラは誰ですか、どの瞬間に惚れましたか?
きっと例に上げたキャラに惚れた人の多くは、かの作品の初期のシーン、そう、指とはじめて対峙したときの台詞、シチュエーションといった、キャラ設定が存分に生かされたあのシーンに惚れたのではないのでしょうか。
あれがいるんです。必須です。
ただでさえ小説は表現できる手段が他と比べ少ない。だからこそより魅力を台詞やシチュエーションで出す必要があるんです。
確かに特段見せ場がなくても魅力的なキャラもいます。認めましょう。
ただそういったキャラはちょっとした台詞がよかったり、行動がよかったり、キャラがしっかりたっていたり、魅力のあるキャラと一緒にいたり、作者の腕が光に光りまくらないと難しいです。あと、小さい見せ場に溢れています。
なのでわたしはおすすめしません。見せ場を作った方が圧倒的に楽なので。
もう語りたいことは語ったのですが、このまま終わるにしては文字数が寂しいのでもう少し語ることにします。
次もキャラ関係のことです。
ズバリ、キャラ崩壊が多い。魅力を殺す方法で一瞬でてきたあれです。
特にクールキャラが多い印象。
あなたは何故そのキャラの設定をそれにしたのか一度聞いてみたいみたいなキャラが結構います。
シチュエーションが輝くキャラ設定というものは存在します。逆にシチュエーションとキャラ設定が噛み合わない上にギャップとしても疑問ということもあります。
例えばクール無口キャラのこくこくとかわいくうなずいたら?それが一度ではなかったら?そういった動作がクールな様子よりも多く占めていたら?もう設定が死んでます。お亡くなりです。クール設定を返上した方がいいでしょう。
そういった事例もかなり多くあります。
個人的にそういった作品の方がクールを強調してくるので、小動物のように可愛がることもできないのが一番嫌です。
死に設定は犬も食べません。いえ、設定を十分に生かせた後別の設定に乗り換えたのなら誰かが食べるかもしれません。
しかしそういった作品ほどテンポがおかしい、早すぎる! 秒あれば良いだろうぐらいの速さ!
年なのでしょうか、まともについていけないのです。
他にはあれですね、キャラがたっていない。これもよくある。
有名作品は全キャラしっかりたっています。
茶柱並みの頻度ではいけない、しっかりたててください。それも180度で。個性をこれでもかと強調してください。
薄味に用などないに決まってる。
やばいそろそろ言い尽くしてきた。ということでキャラから離れます。
とくにプロットとか用意していないのでまた戻るかも。
お次は、そうですね。ここはわたしの好みなのですが、世界観とか雰囲気とかそういったところに焦点を当てていきたいと思います。
かなり感覚的にとらえているところなのでふんわりといきたいと思います。
良い作品はイメージカラーとでも言いましょうか、そういったなにかを感じさせる雰囲気があると思います。
それはキャラよりかは心情、出来事で構成されると思います。
うまく言えないのですが、崇高な精神を持ったキャラが多くいたら澄んでいる色のイメージだったり、絶望的な出来事と結果ばかりだったら暗い色だったり、そういったなにかが思い浮かばせさせるパワーが良い作品というものにはあると思います。
個人的に、人間失格のような心情描写が素晴らしい作品が好きなので私が重視している要素でもあります。
なろうにあげられる作品には濃密な心情描写はあまりないので少し寂しいです。
ありますあります連打で読みにくくて仕方がないかもしれませんが、本当にうまく言葉へ変換できていないので許してください。
短かったですが次いきます。
そうですね、ストーリーのほうへいきましょうか。
ずっといっていますがテンポが早過ぎることが惜しい作品にひじょーに多いです。もっと挟むべき描写がたくさんあると思います。
なぜたった数千文字で次のイベントが始まっているのですか?ちょっと忙しすぎでは?
大きなイベントの中に中ぐらいのイベントがあって、その中にある小さなイベントが数千文字ごとにあるのなら分かります。例えば屋台で買い食いしたーみたいな内容が何千何万文字ある必要は特にないですし。
しかし、そう、例えば敵の幹部とかもそのテンポでやられたら困ります。メインストーリをジェットコースターでかっ飛ばさないで下さい。サイドストーリーメインの物語だったのですか、そうですか…
特に削られていると思うのは心理描写と見せ場。二つとも初登場ではありませんね。どちらも作品の肝ともいえる重要なところだとわたしは考えています。
ふたつを足してメインストーリーよりも多くあっても良い…は言いすぎですが、気持ち的にはそのくらいです。
良い作品に必ずといっても良いほどある心打たれるシーン。
心を打たれるシーンは、今までの内容で土台を作り、ストーリーで揺さぶりを掛け、心情でとどめをさす。私の場合はこのパターンが多いです。特に、今までの内容から言葉にしなくても動作だけで分かるよね?ってされるのが一番効きます。
話を戻しましょう。心情描写は共感を呼びます。共感ではなくても、同情だったり不快感だったり憧れだったりなにかを呼ぶのです。良い心情描写はそれらをなお深く、強く呼ぶのです。
あなたはそれらが一切ないキャラに魅力を感じますか?
補完です、心情描写がないほうが魅力なキャラもいます。そういったキャラは憧れを見せ場で作っています。
見せ場は心情描写よりも憧れやかっこよさ、かわいさを特に伝えられるシーンでしょう。
常に見せ場がある作品が良いんです。常に読者を惚れさせてください。
わたしはそういった作品を好みます。
やばい話したいことはもう無いということでここまでです。
動機は最初に話した通り惜しい作品に出会ったのもそうですが、良い作品、あわよくばこのみの作品が増えてほしいと言う理由もあります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。良い作家ライフを!