18_エピローグ
翌日、ディジーはタイガと共に森を散策していた。
石碑に近付くとマヤとテトラが近付いてくる。
その周囲には他の妖精達もふわふわと浮かんでいる。
「お久しぶり、しかし・・・随分増えたね・・・」
「うん、こっちでは色々やることやりたいことが一杯あって楽しい。」
「で、こっちにいて大丈夫なの?今のところ問題無さそうだけど。」
「うん、ここ結構力に満ちているから、こっちが過ごしやすいように整えるだけで済んでいる。」
「「・・・」」
その力の源はあの六芒星の間なのだろう。
あそこで吸収された力はこうして近隣に流している。
結果ここら辺一帯は余所とは違う植生となっていた。
「ここ一種の神域になっているね。」
「マルクスさん達が結界を張って隠すわけだ。」
マヤがディジーの傍に寄ってきた。
「ねえねえまた遊びに行って良い?」
「都合が付けばね。」
「分かった約束だよ。」
暫く妖精達と戯れた後、二人は館の方に戻っていった。
後ろでマヤ達が手を振っている。
朝食の後、サロンでマルクスとディジーは向かい合っていた。
トーマスは研究室で徹夜して朝食の後、教授に客室に放り込まれていた。
エドはというと同じように研究室で過ごしていたが途中でダウンして寝ていたようだ。
眠そうに眼を擦りながら紅茶を啜っている。
「夢を見せる魔道具の編集は不要だと?」
「ええ、父曰く、前回逮捕した連中の末路を見せれば十分だろうということで。」
「色々騒がせていた問題児は粗方対処したからそれで当分は大人しい筈だと。」
「では要らないのか?」
「これはこれで使い道があるから両方一式譲って欲しいと言ってます。」
「そうか。」
「可能であれば覗き窓の光景を無編集で欲しいそうです。」
「分かった。龍吾であれば変なことはせんだろう。それで・・・」
金額の交渉に話が移ったので教授、エド、タイガはカップを手に席を移動する。
「参加しなくて良いのかい?」
「うーーん、今回は金額が大きくなりそうで心臓に悪いから遠慮します。」
「確かに・・・桁が二つ三つ違うから・・・・」
エドが大きく頷いている。
「マルクスさんの後を継ぐなら慣れた方が良いよ。
僕は医者になるのが先だから。」
背中を向けたままのディジーの声が飛んでくる。
「タイガ、貴方は今からでもお金を稼ぐ算段を考えておきなさい。
お金が全てじゃないけどお金があれば解決出来ることは多いんだから。」
「はい・・・」
「今は父さんや母さんが支援している。
そういう時に独り立ちの準備をしておかないと苦労するよ。」
「はい・・・・・・」
「何時までも手助けできる訳じゃないからね。」
「・・・はい・・・」
教授が苦笑して二人の会話を聞いている。
「身内相手に厳しいね。」
「身内だからですよ。今は勉強が本分だけどそれが全てではないから。」
空になったカップにポットから紅茶を注ぎ、ミルクを入れる。
「やりたいことがある。やらなきゃいけないことがある。やってはいけないことがある。」
カップを両手で包む。
「自由を免罪符に楽な方に逃げるのも義務を理由に見ないふりをするのもしたくないですから。」
「後、権利を振りかざして周りに迷惑を掛けるのも嫌だね。」
エドとタイガは顔を見合わて頷いた。
「我ここに在りって誇れるようになりたいよ。」
「それが君達の答えか。」
「はい、まあ姉さんみたいに無茶はしたくないですが。」
向こうからクッションが飛んでくる。
それを受けとめて3人は笑った。
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古めかしい調度に囲まれた薄暗い部屋
「今回の試練はこれで終わりか。」
「次の試練が始まるまで休むとするか。」
「そうだな。」
最後の試練を経て門の番人となった彼らは眠りに就いた。
閲覧、有難うございます。
一旦ここで完結します。
その内加筆修正する予定
なお、ディジーは今回の決断を思いっきり後悔します・・・
その理由は後日談にでも。




