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ヘキサグラム~我ここに在り  作者:
最終章 我ここにあり・二つの世界

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16_刻まれた魔方陣

「ここには扉は無いんですね。」

前回は、じっくり調べることが出来なかった六芒星の間

あるのは防御の魔方陣の刻まれた出入りに使った扉のみ。

床に刻まれた六芒星。

門の中で見た六芒星の刻まれた扉らしきものはない。


前回門となり引き摺りこまれた六芒星には近づかず壁に刻まれた魔方陣を確認する。

ブラフに隠れて様々な魔方陣が複合的に機能するようになっている。

「凄いですね。これ・・・」

「ええ、一つが壊れても他で何とかなるように設定されている。」

「魔方陣としてはすっごいシンプルなものなのによくもまあ・・・」

強大な力を持った呪陣は複雑で一か所でも壊れると機能しなくなることが多い。

ここの魔方陣はシンプルな機能を持った魔方陣を幾つも組み合わせ重ね合わせている。

一か所が壊れても効力が少し落ちるだけで全体への影響は与えない様に設計されていた。

「鳥の編隊飛行の様なものか。」

教授の言葉に頷いた。

鳥の編隊飛行、プログラムで再現するのに苦労した逸話である。

全体を統制するプログラムでは実現できず、シンプルに個体同士で一定距離を保つようにしたらあっさり実現できた。

ここも同じで魔方陣は異物を吸収して浄化するという機能のみに特化している。

この機能を持つ魔方陣は徐々に進化してよりシンプルに協力になっていた。


「昔化け物か何かきたのかな。」

門の中で無作為に力が流れている様を見た。

それが流れていった先で良きものであるという保証はない。

なのでここに流れ込んできた何かを吸収・浄化する仕組みとなったのだろう。

この異物を吸収・浄化するという仕組みは入り口から入ってきたものに対しても適用される。

それが裁きの一環だったのだ。


「ところで有資格者って一体何?」

エドの言葉に教授は答えた。

「ディジー、ここの魔方陣に再生機能はないと思っていいのか。」

「ええ、あくまでも吸収・浄化に特化している。」

「有資格者というのはここの魔方陣を修復・整備するあるいは出来るものということで良いんじゃないか。」

「・・・そう言えば御祖父様、手に入れた素材でここら辺の防御陣の強化に使ったって言っていたね。・・・」

「ということは最後の試練が終わるとここの番人になるということだろうか?」

そう疑問を口にすると4人は顔を見合わせる。

「えーと、秩序を示すってそういうこと?」

「・・・無いとは言えないな・・・」

水は高いところから低いところに流れる。

門は一定以上力が溜まると開いて低い・・・力を必要とするところに流れる。

中で門が開くのを予測できたのは力の高まる気配を察知出来たからだ。

向かう先は薄っすら糸の様なものが見える。

・・・その糸が自分達の近くに現れたので伏せた・・・


その話をすると教授とエドが顔を見合わせる。

「僕達の時、各々知りたい・得たいと思う世界に繋がったのってその糸のお陰?」

「そうだとすると試練の門は有資格者の望みを叶える世界にその糸を通す仕掛けがあるのか。」

全員の視線が床の六芒星に向いた。

「ここに扉に書かれたいた言葉が書かれている。」

教授の示すところに視線が向いた。


大いなるものに祈りを捧げよ。

祈りは力となり、門を開かん。


天と地を結ぶもの、そは契約の証。


選ばれしものよ、

証を示して試練の門を抜けよ。


知識を望むものには世界を、

力を望むものには神の力を、

定まらぬものには秩序を示さん。


選ばれざるものよ、

門に近づくなかれ。

そには裁きの門とならん。


「確かに扉と同じ文字ですね。」

残念ながらその文字を読めるのは教授一人。

ディジーとタイガには形が同じだと言うことしか分からない・・・

「?」

「タイガ、どうしたの?」

「これは?」

タイガの指さす先には別の文字らしきものが書かれている。

かなり古く掠れて読みづらい。

「扉よりも前に書かれたものだな。・・・」

それを読もうとする教授を合わせてディジーは止める。

「ちょっと待った、それ最初の時に問題起こした奴じゃない!」

「ああ・・・」

教授の指が文字をなぞる直前で引き離すことに成功した4人は六芒星から距離を置き、隅の方に移動した。

わくわくした顔でエドは教授に問い掛ける。

「なんて書いてあったの?」

それに答えようとした教授を止め、ディジーは言う。

「教授、読めたんですよ。」

「ああ。」

「なら外に出ましょう。」


最初の二の舞をごめんだと言うディジーに残念そうに渋々教授は頷く。

「分かった・・・一応文字を写させてくれ。・・・」

「そうですか。では私とタイガは扉の外で待ちますね。」

驚いた表情をする教授に対し、タイガが頷く。

「門の開く条件は3人が揃っていること、姉さんが離れれば門が開く確率は減りますね。」

「僕はどうしよう?」

「教授を一人にするもの不安ですし傍にいてください。」

「監視か?」

「ええ。」

文字が絡んだ時の教授に対する信用は無い。

「教授、声に出したりしないでくださいね。」

「分かった。ちゃんと見ておくね。」

そう言うエドに手を振って、二人は扉を開けた状態で部屋の外に出た。


閲覧、有難うございます。

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