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ヘキサグラム~我ここに在り  作者:
最終章 我ここにあり・二つの世界

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13_覚悟無き自由の代償

「あいつらって向こうで話していたローザさんの同胞?」

「そうだよ。実力も実績もある父さんや母さんに頼めないからって当面こっちにいることが知られている僕のところに押しかけてきている。

勉強の邪魔だって断っているんだけど。

五月蠅くてしょうがない。」

「ディジーのところには来てないの?」

「私が見た目父方の術しか使わないからね。

自分達とは違うと思っているみたい。

家のところにいる人達はそうじゃないって気が付いているけど向こうには教えてないし。」

「仲悪いの?」

「うーーん、ちょっと違う。今タイガのところに押しかけているのって一族の鼻つまみものだから。」

「他の人達に相手にされないから一番扱いやすそうなところに来ている。」

「どういう人達なんです?」

「楽な方に逃げたって言えばわかるかな。

同胞達に伝わる術の内、簡単に覚えられて楽の出来る奴しか使えない半端もの。」

「犯罪者あるいはその予備軍。

楽をしようとすると真っ当な人達から相手にされなくなるんでね。

気が付いたら犯罪の片棒を担がされたり担がされそうになって泣きついてくる。」

「・・・マルクスさん・・・そういうことなんで協力して貰えませんか?」

ディジーの言葉に頷くマルクス

「分かった。協力しよう。儂もその世界を見てみたいし、弟子にも手伝わせる。」

「弟子って?」

「私の友人だ。」

そう言って鞄から最初の時に使った穴掘り道具を見せる。

「僕も手伝う!」

「エド?受験は良いの?」

「大丈夫、資格の方は既に取った!後は行く大学を決めて面接を受けるだけ!」

そっちの方が大変なのではと思うもののエドは自分がどういう方面に進みたいか決めていない気配がある。

今の内に色々経験させておこうと考えているのだろう。

なんであれ、祖父の元にいるなら親も安心だろうし。


翌日、準備が出来たら知らせると言って、3人は帰ることになった。

「足りない素材が有ったら教えてね。こちらにあるようなら融通するから。」

「有難う。多分手持ちで足りるとは思うがその時は相談する。」

和やかに会話するマルクスとローザの横でエドとタイガが別れを惜しんでいた。

二人の住んでいる場所の時差は無いのでビデオ会議の時間を決めている。

「えー、そんなに短いの?もっと話したい。」

「そうか?予習復習に課題対応を考えると結構長めに取った方なのだが?」

そんな会話を横目にディジーが圧を込もったドスの聞いた呟きを漏らす。

「許せん・・・医学部が大変だったっていうことも分からず泣きつくなんて。」

「自分のことしか考えてないんだろう。トーマスに連絡して早めに用意するようにするよ。」

「・・・大丈夫なんですか?・・・」

「チャールズとは違ってトーマスは弟子入りした時点である程度話はしてある。」

「そうですか。」

「まあ表に出せない発明品が増えたけどそれらについては祖父が必要としているところに内密で譲っているから金銭的には困ってないと思うよ。

それに今回作ったものは多分あちらも欲しがるだろうし・・・」

「・・・確かに(拷問や尋問に使えそうな技術よね)・・・」

「で、そちらは大丈夫なのか?」

「母が傍にいる時は寄ってこないし、寮や大学にいる時はこちらが指定した家族以外の連絡は取り継がない様に頼むことにする。」

「それが良い。そうなると君の方に来ないか?」

「私の方は国の仕事もしているんで下手に近付くとそちらから排除されますから。」

「そうか・・・弟さんの方には付けないのか?」

「タイガの方は今の状況だとそこまではしないでしょうね。

まあ既に相当目は付けられているでしょうけど。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


その日のお昼過ぎ、ローザは日本へ国際電話を掛けた。

「龍吾、タイガのことなんだけど。」

「・・・知っている・・・」

「何故教えてくれなかったの?」

「大虎から頼まれた。自力で何とかしたかったらしい。」

「・・・そう・・・」

「こちらで動くからグランマの許可を取ってくれ。」

「分かった。取れたら連絡する。」


それから数週間、不正移民の逮捕者や密入国の検挙、密輸の摘発がヨーロッパ各地で相次いで行われた。

特に不法薬物の所持については徹底的な取り締まりの対象となる。


とある国境の街の警察にて、複数の男女が取り調べて受けていた。

「知らない。頼まれただけよ。」

「ここに連絡してくれ。」

口々に申し立てをするがすげなくあしらわれている。

「連絡したがお前達のことは知らないと返事があった。」

「そんな、だったらここに・・・」


取調室のマジックミラーの裏側で3人の男達が取り調べの様子を聞いていた。

「ご協力感謝します。」

「いえ、情報提供有難うございます。」

今までなかなか尻尾を捕まえられなかった密売組織の売人や運び屋を一斉摘発出来たのだ。

「これでやっと・・・」

地元の捜査官は喜色を露わにしている。

「しかし・・・何で今まで見逃されていたのか・・・」

彼らが今まで見逃されていた理由・・・それは魔女の技である。

警備員や税関の意識を一瞬そらせる技。

彼らはそれを使って密貿易を繰り返していた。

傍にいる男はそれらを無効化する術を持っていた。

そして彼らが術を使う瞬間を狙って無効化を実施。

それが今回の摘発である。

ついでに取調室に術の無効化を施してある。

取調室の中の容疑者たちは自分達の術が効かないことに苛立ちと焦りを見せている。

「後はお任せします。」

「承知しました。」

出ていく男に礼をすると捜査官は取調室に向かった。

閲覧、有難うございます。


グランマ:

ローザの同胞のまとめ役

ローザは次期グランマの最有力候補だった。

真っ当な魔女なので半端ものの振る舞いに胸を痛めていた。

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