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ヘキサグラム~我ここに在り  作者:
最終章 我ここにあり・二つの世界

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07_再会

約束通り、次の休みに教授やエドと顔を合わせた。

場所はイギリスではなくフランスで。

ついでにその場には母と弟が同席している。

元々は前回のメンバーだった父が参加予定だったのだが別件で呼び出されて代理としてこの二人の参加となったのだった。

初めましての挨拶からある程度の情報を共有を開始した。

「わざわざご足労有難うございます。」

「いえ、元々はこちらの問題に巻き込んでしまって申し訳ないと思っています。」

「こちらこそ、夫から向こうだと即門が開きかねないからということでこちらにお呼び立てして申し訳ありません。」


現在母が借りているコテージのテラスには6人が丸テーブルを囲んでいる。

ディジー、教授、エドに、マルクス、ローザ、タイガだ。

エドがローザに父との馴れ初めを聞いている。

今は夫婦の二人だが出会った時に恋に落ちたとかローザが父を追って押し掛けたとかそういう話はない。

手に入れた石板に記されていた素材を探している時に母と知り合い、母の厄介ごとが切っ掛けとなって門が開いた。

帰還後厄介ごとは片付いたが更なる厄介ごとに巻き込まれそうだったので父が自分のところに母を避難させたというのが実態である。

マルクス達の方にしなかったのは厄介ごとの元凶と近くそちらでは庇い切れないと判断した結果。

父は先妻である瑞穂にベタ惚れで母にそういう興味はなく母の方もそういう気は無かった。

瑞穂の状態を改善する薬を作っている過程で母と瑞穂は親友になる。

瑞穂の死後、二人が結婚したのは恋愛感情と言うよりも母の保護、瑞穂の遺言、二人の息子達に懐かれ子供には母親が必要だと周りから説得された結果だった。

ロマンスを期待していたエドには大いに不満だったがディジーやタイガにしてみれば両親らしいと思う。

経緯はどうあれ仲の良い二人なのだ。

余談であるがロマンスの欠片があったのは教授の父親の方。

こちらは身分の問題もあったが何よりローザを守り切れないということで別れることになった。

現在、母がこうして外に出れるのは厄介ごとの元凶が10年程前に内部抗争の末亡くなったからだった。

元凶の後を継いだものは元凶の様に母達の持つ知識に固執せず和解が成立。

お陰でやっと母は故郷であるフランスに来ることが出来るようになった。


もう問題ないのかと言う教授の問いにローザは答える。

「今のあの者たちは別のことに夢中ですし、それに私達に伝わるものは彼らが望むものの触りだけだと言うことはやっと理解したようです。」

「それを理解するのに20年以上掛かった訳だがな。」

マルクスはため息をついた。

自分達が持つ石板もまた彼らが望むものに関りはある。

その為、父とマルクスの二人はそれを隠し、彼らが望むものに近付けそうな別のものに誘導し続けた。

「まあいつ何時彼らが再びこちらに目を付けるかもしれないので用心は必要ですが。」

そう言ってテーブルに置かれたカップを口にする。

「同胞達も大半は影響の薄いところに避難してますし、私がここに来るのもそう多くないでしょう。」

「タイガがこっちにいても大丈夫なの?」

「私達に伝わる知識や力は女系にしか継がれません。」

「男である僕には向うも興味が無いんですよ。」

「ディジーは?」

「私は父の系譜を継承していると思われているので。」

「ということは・・・」

その言葉にディジーとローザは笑って答えなかった。


「ディジーの悩んでいることって何なんです?」

エドの問いに答えたのはディジーではなくローザだった。

「色々ありますが、一番は私の後を継ぐかどうかですわ。」

「貴方の後継ぎとなる?確かタイガ殿が引き継ぐと言っていたと思いましたが。」

「ええ、同胞達への支援は当面タイガが行います。」

そこへタイガが口を挟む。

「だけど男なので後継者にはなれないんですよ。」

「私達が先達から引き継ぐのは魔女の技。タイガでは薬草学とか公にしても良い部分しか継げないのです。」

「というか子供に引き継がせられないというのが正しいんですよ。

僕は魔女の子供なのである程度は魔女の技を使えます。

でも魔女ではないので僕の子供には引き継がれない。」

「確かディジーには妹がいると聞いてますが。」

「カメリアはあの人の仕える神の巫女。魔女の技は引き継げません。」

「ディジーが継がないとどうなるんです?」

「別の者が引き継ぎます。

元々魔女の技は同胞達で引き継いできたもの。

誰か一人だけが引き継ぐというものではないのです。」

「それでは何故貴方が狙われたのです?」

「あの当時、同胞たちの中で一番力が強く多くの技を引き継いでいたからですわ。

そして今、私の引き継いだ技は全て同胞の子供達に伝えました。

私だけが継承している技はありません。」

「それでは何故ディジーが継ぐことが問題になるのです。」

「同胞の子供達が引き継いだのは私が引き継いだ技の一つか二つです。

大してタイガは私の技の全てを使えます。

なのでタイガはこの地にあって同胞達に技を見せ、引き継がせる手伝いは出来るのです。」

「ただ、子供には引き継がせられない・・・」

「ええ、タイガが同胞を伴侶に選べば別ですが。」

「それが望まれているのですか?」

「子供の未来は子供のもの。私が何かを言うことではありません。」

閲覧、有難うございます。

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