8話
昨夜は結局22時まで配信した。
必要なパックを購入し、中々お目当てのカードが当たらず、最後はカードを作成する始末。。。
最初の引きの良さはどこにいったんだ。。。と思いつつ、見ている視聴者さんが盛り上がっていたので良いかという気持ちになった。
登録者:25名
あの後、追加で配信を見に来てくれる視聴者さんもいて、登録者が一気に20名を超した。
vTuber活動3日で、この人数はかなり良いのではないだろうか。
デッキを組むのに時間がかかり過ぎたため、対戦は本日ということになった。
夜の配信用にサムネイルを作るが、すぐに終わってしまう。
昼間の暇な時間。。。
他の個人vTuberは何をしているのだろうと考えつつ、せっかくなのでアプリカードゲームを起動する。
デッキを組んだあとは使いこなす必要があり、どうせなら慣れておこうと思ったのだ。
もちろん視聴者さんに聞いて、1つ1つ覚えるという選択肢もあるが、初回配信でさりげなく勉強出来るアピールも入れたため、あまりアホっぽさを売りにするのは良くない。。。
初期の配信は、黒歴史。
vTuberに限らず、配信者がよく言う言葉ではあるが、私も黒歴史と呼べる日が来るのだろうかと思いつつ、CPU相手に対戦を開始する。
。。。。。。。。
。。。。。。。
。。。。。
。。。
『こんばんは、新人vTuberの水華 桜です。音量は如何でしょうか?』
19時になり配信を開始する、昨日学んだ経験を活かし、音量を聞いていく。
[こんばんは!]
[聞こえるよーーー!!!]
[デッキ作成お疲れ様!]
[最後の引きの悪さは、笑えたわww]
[こんばんは、音量良いよ!!]
[可愛い声聞こえます!!]
始まる前から待機してくれていた視聴者さんのコメントが一斉に流れる。
『音量大丈夫そうですね。皆様、昨日はデッキ作成遅くまでありがとうございました。
本日は対戦していきたいと思います。
不慣れなところも多いですが、よろしくお願いします!』
対戦には2種類存在する。
1つはランクマッチ対戦。
世界中のプレイヤーと対戦し、勝利すると自分のプレイヤーランクが上がる。
もう1つがユーザー対戦。
決まったIDの対戦ルームを作成し、ルーム内のプレイヤーと自由に対戦が出来る。
私は昼間のうちに対戦ルームの作成方法を調べており、
速やかに対戦ルームを作成しIDを公開する。
『ID:405601です、参加できる方はお願いします』
[ID連携サンキューです、参加します]
[ルーム作るの早くね!?]
[慣れている。。。参加します]
[ルームIDありがとうございます、慣れてますね]
どうやら初心者の私が対戦ルームをスムーズに作ったことが驚きであったようだ。
『夜対戦するのが決まっていたので、昼間CPU相手にデッキ回してました。
その時、ルーム作成やゲーム設定などの確認したんです。』
昼間の暇な時間にやったことをせっかくなので素直に話してみる。
[昼間から調べてくれたの??えらくね!]
[調べなくても全然聞いていいよ!!]
[マジか、えらすぎワロタ]
[配信準備以外に、ルームの準備、、、。凄すぎだわ]
........。
vTuberには甘い。SNSでよく見る光景である。
SNSで「配信します!」と投稿しただけで褒められる世界。
嬉しさ半分、この甘さに浸ったら2度と社会復帰は無理だなと思ってしまう。。
『そんな凄くないですよ!ちょっとデッキ回して確認しただけです!』
口角があがりつつ発言する。
かくゆう私も甘やかされるのは大歓迎である。
対戦準備が整い、視聴者さんとの対戦が始まる。
CPU以外の初対戦。。。先行は自分である。
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「勝利」した。
なんてことはない、自分の手札があまりに強く、視聴者さんの手札が悪かった。
先行で、これでもかというほど強固なフィールドを形成し、視聴者さんは返す方法がなかった。
『対戦ありがとうございました、初勝利です!』
[勝利おめでとうございます]
[プレイ上手いっすね]
[どんだけ練習したんですか。。。。]
[特殊デッキのエース出して、妨害効果使用後のプレイ良すぎ]
賛辞のコメントが流れる。
『ありがとうございます!昼間の成果が出ましたね。
皆様、どんどん対戦しましょう!』
2戦目が開始され、夜が更けていく。