6話
さてこのアプリカードゲームの使用に関して簡単におさらいしよう。
世界的大人気トレーディングカードゲームをアプリとして楽しめるようになっており、
スマートフォン、パソコンなどで遊ぶことが出来る。
遊び方は大きく2種類あり、1つはストーリーモード。
トレーディングカードゲームの世界観の中で、様々なキャラクターたちのストーリーを楽しめることができ、カード同士のシナジーなどがあり中々に面白い。
もう1つが対戦モード。
世界中のプレイヤーとリアルタイムで対戦することができ、
大きな大会なども開かれている。
この対戦モードをプレイするために必要なのが、デッキ(40枚のカードの束)である。
このデッキを組むためのカードの入手にはいくつか方法がある。
ストーリーモードをクリアして特定のカードを入手する方法。
パック(他のアプリケーションゲームで言うところのガチャ)を引いて入手する方法。
特定のアイテムを使用して、欲しいカードを作成する方法。
デッキを組むためにはこれらの方法を駆使する必要があり、何もわからない初心者には少々ハードルが高いのである。
『組みたいデッキに関してはいくつか候補があるんですよね。』
カードを効率よく入手する方法は、正直私より視聴者さんのが詳しいと思い、さっそく聞いてみることにした。
『可愛い女の子のイラストが好きで、昼間見ていたんですけど、
戦士とか魔法使いとか、色々多すぎて迷っちゃって。。。
昔カードは集めていたんですけど、最近のカードはテキスト欄も長くて上手く使いこなせるかわからないので皆様のオススメとかはありますか?』
水華 桜の設定として丁寧な口調を入れた私として、馴れ馴れしくなく、かつフレンドリーに発言出来たと感じた。
[声もう少し大きく出来ますか?]
…。
なるほど多くのvTuberは、配信開始と同時に音量を聞いていたが私はやっていないことに気が付いた。
ちょっとしたことだが、1つ発見できたと思い、音量をあげて再び発言する。
[音量バッチりです!]
[可愛い女の子のイラストが好きなんですか?]
[戦士系はマジックの使用順序が難しいかも…]
[構築済のデッキで、可愛いドラゴンとメイドのデッキがあるけど、それはどう?]
すぐに反応が返ってきて、思わすニヤける。
『可愛い女の子は好きですね。可愛い女の子を描きたくて専門学校にも行ってました。
水華 桜のママも自分ですし、そのくらいには好きですね。
戦士系は難しいんですね。。。初心者の私にはそれは向いてないかも。。。。
構築済のデッキってどれですかね???』
さりげなく自分は可愛い女の子のデザイン出来るという自慢を入れて視聴者さんに対し発言していく。
[えええええええ自分で描いたの!?!?!?!]
[マジで!!!凄すぎ!!!!]
[可愛いすぎて思わず登録したわ]
[ここ最近で1番驚いた!!!チャンネル登録しました!!!!]
[構築済のデッキはカードパックの横にあるもので、石500個で固定の40枚が手に入りますよ]
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コメントが盛り上がり、私のテンションも上がっていく。
vTuberの業界ではモデルとなるイラストを描いた方をママと呼ぶ風習があり、
有名なママになればファンが付くほどである。
ママの多くはイラストレーターであり、自分の仕事の1つとしてvTuberのデザインを持っている。
そのため有名なママは中々時間が取れず、新しい衣装などの作成はかなりの時間を要すると聞く。
その点、私はママが自分であるため、衣装の作成に困ることなどはない。
欲しいと思ったときに描くだけである。
『そうですよ~~。自分で描きました(ドヤっ)!チャンネル登録嬉しいです!!!!!ありがとうございます!!!!!
石500個で40枚手に入るのはお得ですね』
早速カードパック横の構築済デッキ一覧にカーソルを合わせる。
構築済デッキは何種類もあるようで、ドラゴンのデッキを選択する。
そこには擬人化された可愛い女の子のドラゴンたちがメイド服を着たイラストが描かれていた。
赤い女の子、青い女の子、緑の女の子、黒い女の子。。。。
ドラゴンの属性に合わせて、描かれているのか複数の女の子がそこに居た。
『可愛いですね!!この女の子たちって、使いやすいんですかね?』
オススメされたものの、初心者の私が使いこなせるかが重要である。
[使いやすいですよ。]
[ビートダウン&ミッドレンジ系です]
知らない単語が出てきた。。。。
ビートダウン?ミッドレンジ?何のことかさっぱりわからない。。。
だが使いやすいと言うのであれば、この女の子たちにしようと決意する。
『使いやすいの良いですね!このデッキを組もうと思います!』
購入のボタンを押したところ、1~3の数字が表示された。
構築済デッキというのは最大3つまで購入できるらしい。
どの数字を押すべきかと止まっていると、、、
[デッキに同じカードは3枚まで入るから、3つ買うのが良いよ]
なるほど、コメントを見て配信者がそれにアクションをする。
vTuberとしての配信が出来ていると感動しつつ、私は3の数字を選択し、構築済デッキを3つ購入した。