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世界一可愛いvTuberになった物語  作者: 水華 桜
第1章 個人vTuber編
5/31

4話

朝眠気が残りつつ目を覚ます。

初回配信を終え、SNSおよび動画サイトを見たが何も起きてはおらず、

寂しさと安心を覚える私がそこにいた。


今日も今日とて配信をする。

2回目は1時間早めて19時開始の告知をSNSに投稿した。

世間一般の配信者さんは18時から24時の間に配信するのがほとんどで、

私もそれに乗っかることにする。


19時までの時間は昨日の初回配信を見返しておく。

本音を言えば、自分の配信など見たくはないのだが2Dでデザインしたのが自分である以上、

想定通りに動けているかなどのモデル確認。

そして不要な発言をしていないかを確認する。


可もなく不可もなくといったものであった。

特に面白さがあるわけではないが、可愛いイラストが動いており、最初は変だと思っていた自分の声も長く聞いていれば違和感はなくなる。

伝えたい設定、好きなものなどキチンと配信に乗せており、今後視聴者さんが見返しても悪くはないと思った。


。。。

。。。。。

。。。。。。。

。。。。。。。。

さて2回目配信ではゲーム実況をすることにした。

ゲームタイトルは大人気はアプリカードゲーム。

世界的に大人気なトレーディングカードゲームで、近年スマートフォン、パソコンで遊べるアプリも出てきたのである。

かくゆう私もこのトレーディングカードゲームは大好きで、デザインを仕事にしようとなった、きっかけでもある。

小学生の頃ではあるが、親にねだってカードも集めていたほどだ。


配信では様々なゲーム実況があり、そのほとんどが許諾が必要なものが多い。

許諾の取り方もイマイチわからず、かつゲームを買うとなるとお金が掛かる。

無料(課金しなければ)で遊ぶことができ、人気もお金もない私のようなvTuberには持って来いであった。





19時になり、配信開始をボタンを押す。

この瞬間は昨日と同じく、心臓が高鳴るが視聴者0人を見て、ホッとしてしまう。

チュートリアルを終えて時刻は19時30分を過ぎる。

この後はストーリーを進めるか、対戦などするためのデッキというカードの束を作成するかを選べる。

どうしようかと考えていると、それは起きた。。。


視聴者1人。

今自分の配信を何人が見ているかのところに、「1」の数字が表示される。

心臓が高鳴り、声が裏返る。

「わ、初めての視聴者さんだ!ぜひ見ていってください!!」

特に何か返事を期待するわけでもなく、出ていかれると悲しいなと思いつつ声を出す。


ピロンっ。

チャットに初めて文字が流れた。


[デッキ組むなら、ストーリーの1は全部クリアした方が良いですよ。そうすれば大体6000個ほど石が手に入るので。]

石とはカードを手に入れるためのアイテムで、昨今アプリゲームでは課金して入手するものであり、その方法をこの視聴者さんは教えてくれたのだ。


…。嬉しい…。

初めての視聴者、反応など返ってくることなど期待もせず、せめて見るのを辞めないで欲しいと思っていたらチャットを貰えた。

頬に涙が流れた。

なんてことのないチャット、それが何よりも輝いて見えたのだ。


『ありがとうございます!ストーリー1全部クリア先にしますね!』

涙声がバレたと思う。

でもそんなこと関係ないくらい嬉しかった。


この日は結局22時まで配信し、ストーリー1を全部クリアした。

そして視聴者人数は配信終了を押す、その瞬間まで「1」を表示していた。


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