30話
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『水華さん、改めて優勝おめでとうございます。
「第一回アプリカードゲーム最強vTuberカップ」は、以上で終了となります。
参加者の皆様、今見ている視聴者の皆様、、、2日間ありがとうございました!!!』
インタビュー後、表彰式が行われ、大会が終了した。
優勝し、称号とエンブレムを私のアカウントに貰えた。全世界で私だけが持っている称号、エンブレム。
見ているとにやけ顔になるが…、涙で目が腫れているせいか若干不気味である。
『2日間お疲れ様でした。タクシー用意しますので、準備出来たら言ってください。』
スタッフさんから声がかかり、帰る準備を始める。持って帰っても良いと言われたので、お菓子と飲み物をいくつか鞄に入れて、マフラーを巻きコートを着る。
時間は20時を回り、外は大変冷え込んでいる。2日間、長く感じていたが終わってしまえば、あっという間である。
『2日間、ありがとうございました。』
タクシーの前で、私を担当してくださったスタッフさんにお礼を言う。色々、気を遣って頂き、非常に良い環境で試合に望めた為である。
『こちらこそ、ありがとうございました。試合は我々スタッフも見ていましたが、凄かったです! 優勝おめでとうございます。また、機会があればご参加頂けると幸いです。』
『ただいまー。』
特に誰かいるわけではないが、癖で言ってしまう。出る前にエアコンのタイマーをセットしていたおかげで部屋が暖かい。
『とりあえず、お風呂入って、それから。。。』
やるべきことを1つ1つ確認していく。2日間、実質拘束されていたので、洗濯物など色々家のことでやりたいことはあるのだが、、、。それよりも今日だけは配信をしたいのである。
お風呂を沸かす間に、簡単なサムネイルを準備し、待機所を用意していく。
タクシーの中でも夜感想配信をすることをSNSで投稿済のため、時間はかからない。
『…、は?』
お風呂から上がり、配信準備を進めるため私のチャンネルを開くと、とんでもないものが目に入ってきた。
待機人数:9476人
登録者数:16783人
昨日まで12000人程であった登録者の数が4000人近く増えている。さらに感想の雑談配信の待機人数が見たことない数字になっている。。。
頭で理解できず、思考が停止しそうである。。。
。。。。。。。。
。。。。。。。
。。。。。
。。。
『こんばんは、新人vTuberの水華 桜です!お待たせしました~!』
[待ってました!]
[ばんわ~]
[初見です!トレカアプリカードゲーム見てきました!]
[お疲れ様~~!]
同時視聴が多いため、いつも以上の速さでコメントが流れていく。その中で目を引くのが、初めてきたという所謂「初見さん」のコメントである。やはりトレカアプリカードゲームで優勝したということがいかに大きいかが分かる。
『初めましての方々、こんばんは。水華 桜です。トレカアプリカードゲームの大会を見て、こちらに来てくれた方がほとんどだと思います。大会の裏側など話せる範囲で話していきたいと思ってますので、少しでも楽しんで頂ければ幸いです。』
[チャンネル登録しました]
[大会凄かったです!]
[感想配信楽しみます!!!]
『ありがとうございます。。。。あ~、部屋の案内などは昨日の配信で話していますので、興味がある方はそちらを見てみてください。』
『では最初に杠葉 杏さんとの試合から。
こちらは、皆様も見ていたと思いますが先行を取ることができて、かつ盤面形成が上手くいったので、大分安心して試合が出来ましたね。
試合前の会話?って皆様は聞こえてました??』
[聞こえないよ!]
[本配信で繋いでからだね]
『なるほど、、、試合前にパソコンから専用のルームに入り、音声チェックとかするんですが、相手の方と簡単に自己紹介とかするんですよ。
杠葉 杏さんとも、もちろんしていて、そこで彼女の人柄とかもあり、杏ちゃんと呼ぶようになったのも、落ち着いて戦えた要因かもですね。』
[そうなんだ!]
[試合中の会話とかは本配信載らないんだよね]
[今度トレカアプリカードゲームの公式から、各試合の動画出すって言っていたのは、その会話入った版?]
『多分そうですね。一応、動画アップ前に各vTuberさんに連絡と確認依頼を出すって言っていたので、アップされるのはもう少し先の気がしますが。』
[どんな会話あったの?]
[楽しみに待ってるわ]
『本当に自己紹介と、呼び方の確認ぐらいですね。試合中も、お互い発動するカードを読み上げているので、そこら辺を楽しんで貰えれば良いのかな?って思ってます。
ただ私と違い、他の参加者は同じ事務所対決とかもあったみたいなので、試合中ももう少し会話とかしているかもですね。』
『杠葉 杏さんとの試合は、そんな感じで特別困ることはなかったですね。
次の泉 桔梗さんとの試合は参りましたね。。。 後攻だったのは、、、実は想定していたんですよ。むしろ1ターンキルを考えて敢えて後攻にするかとかも考えていたので。。。』
[そうなの!?]
[1ターンキルか。。。確かに怖いね]
『怖いですね。。。なので、結果的に後攻はありだったんですが、手札が。。。 妨害なしの、全体除去も1枚だけ。。。 正直、「混沌を司る龍」を引くまでは、ずっと絶望していました。』
[双剣であの盤面はね。。。]
[普通無理だよ]
[わかるわ~]
『本当にね。。。 「混沌を司る龍」を入れておいて良かったと、あの時ほど思ったことはなかったですね。
とは言え、リセット後に1ターンキルされる可能性もあったので、博打でしたが。』
[博打に勝ったね]
[あの手札でやれること全部やってたね]
『本配信のコメントでも言いましたが、「天聖印の玉」を出しておくとかは、練習の成果が出ましたね。』
[ナイス!って思ったよ]
[初見です、プレイ上手いな!って感動しました]
[練習頑張ったかいがあって、良かった!!]
『何事も練習の大切さが改めて分かった瞬間でしたね。そして、決勝の皇 黒姫さんとの試合ですね。
…、今見ている方に居るかは分かりませんがお礼を言いたかったんですよ!』
[?]
[お礼??]
『決勝までの時間が空いてSNSで大会の感想とか、見ていたときに私のことを応援してくれる投稿があって。。
それが本当に、本当に、嬉しくて!
今日のこの感想配信で絶対に伝えたい!って思っていたんです。』
[応援するよ!]
[ふ、俺やな]
[あれだけ頑張っていたんだから、いくらでもするよ!!]
『本当にありがとうございました!!
試合は、相手の手札事故に大分救われましたね。先行の盤面形成がなかったので、助かりました。
その分、手札からの妨害が多いことを想定して動いた結果、程々の盤面作れましたし。この辺りも、練習で相手が動かない場合とかを教えてもらったおかげでしたね。』
[上手かったよ!]
[桜の精霊うららを受け入れて、抹殺を温存したのとか痺れたよ!]
[上手い!って、声に出しちゃったよ]
『ただ、2ターン目の「無限の抱擁」は驚きましたね。。。 そのカードを使う盤面はいくらでもあったのに…、それを防御としてではなく、攻撃の要として使用されれるとは想定していなかったですよ。
皆様が最強!最強!って言っていたのを肌に感じた瞬間ですね。』
[流石最強さん]
[マジかよ!って思ったね]
[本当にね、ヤバすぎるって思ったよ!!]
『ライフこそ削られなかったですが、ターン返ってきたとき、どうしようって思いましたね。
時間が過ぎていく中で、勝てるイメージがつかなかったんですよ。。。
それで、負けるのかな?って一度思ったら…、全然考えまとまらなくて…』
ダメだ。また泣いてしまう。。本当に今日は涙脆いな。。。
[泣かないで!]
[ゆっくりで良いよ!]
『…、ありがとうございます。
本当に無理かなって、何度も思って。。。相手が3枚引いて、何もセットしなかったから妨害あるのは分かったし。。。
ユニットセットして諦めるしかないかな?って何度も考えて、、、。終わっちゃうの?って思って…。
でも、そんな時に皆様の練習とか、さっき話した応援コメントとか思い出して。
まだ諦めたくない!何とかしたい!足搔きたい!って思って。
その結果、賭けが混じるけど、勝ち筋が1つだけ見えて。
あとは、その筋をひたすらプレイしたって感じです。。。』
[頑張ったね]
[無理させちゃった?]
[凄いよ!!]
『無理は、、、分からないです。でも、皆様との練習とかに向き合って、負けても堂々とやれることやった!って言い切りたい気持ちはありました。
その結果、何とか勝てたので、本当に諦めずに良かったな、って思ってます。』
[本当に凄かったよ!]
[マジで感動した!!]
『本配信でも言いましたが、改めて皆様ありがとうございました。
私の我儘で、何度も練習にお付き合いくださりありがとうございます。
私のことを最後まで応援してくださりありがとうございます。
皆様が居たから、念願の優勝することが出来ました!
本当に、本当に、感謝以外の言葉が見つかりません!』
[こちらこそ素敵な試合をありがとう!]
[我儘なんて思ってないよ!]
[優勝できたのは、桜ちゃんの努力の結果だよ!!!]
[本当におめでとう!]
。。。。。
。。。
『少し短いですが、本日の配信は終わりになります。ありがとうございました!』
配信終了ボタンを押し、一息つく。
途中泣いてしまったが、何とか感謝を伝えることが出来満足である。本当に優しい視聴者さん。
私の感想配信がトレンド入りしている。。。
トレカアプリカードゲームのタグも、複数入っているし、本当に影響力が凄いと思いつつ、SNSを見ていると1通メールが来ていた。
何かと思い確認する…。
…。 一体今日は何度驚いただろうか。。。
それは企業サウザンドキューブからのメールであり、所属してみないかというお誘いの内容であった。




