7、双子とルイス 4
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今夜の夕食はいつものダイニングではなく、パーティーホールに呼ばれた。一様、我が家も四大公爵家なので、広大な敷地に様々な施設がある。
パーティーホールはドーム状の建物で、屋根の高さはかなり高い。その天井部には、フレスコ画が施され優美な雰囲気を醸し出し、壁には、大きなガラス窓が嵌め込まれているため、開放感も溢れている。また、その窓からは、美しく整えられた中庭も一望出来るのだ。
そして今、私が疑問に思っているのは、今夜の晩餐は使用人を含めたとしても約二十名。
――――どう考えても、この会場は夕食を取るために使う場所としては、広過ぎるのでは・・・?そんな事を考えていると、パーティールーム前に到着した。
「リゼ、ずいぶんと広そうな、夕食会場だな」
ドアの前で、ルイス様が言った。
「ええ、かなり広いと思いますよ。一体、何故ここで、、、」
私は喋りながら、ドアを押して、ビックリした。
――――いや、一旦閉じよう。
扉を少し開けてから、突然閉じたので、横にいるルイス様から、私は不審な目で見られる。
「リゼ、何で閉めた?」
ごもっともな質問をしてくる、ルイス様。
「いえ、あー、そうですね。じゃあ、次はルイス様が開けてみますか?」
「ああ、良いけど。一体、何なんだよ」
ルイス様は怪しみながらも、ドアを一気に押し開けた。
「はっ、何で!?」
ルイス様も、中を見るなり驚きの声を上げた。
「ほら、ルイス様も驚きましたよね!」
「いや、驚くだろう。何でアイツらが居るんだよ」
「いやー、アイツらなんて失礼だな、ルイス。わざわざ、遊びに来たのに。なぁ、ロゼ」
そこには、ベルファント王国のロイ王太子殿下とロゼ王太子妃殿下が居た。そして、その背後には、アズールとマーゴット王女と、更にシータまで・・・。
「エリーゼ様、お久しぶりです。わたしは、ランドル王国の地方都市へは初めて参りました。とても自然が豊かで良いところですね」
ロゼ様は、緑溢れるベルカノン領を褒めてくれる。
「ありがとうございます!ロゼ様。新婚生活はいかがですか?」
「まぁ!そう聞かれるとお恥ずかしいのですが、ちゃんと大切にしていただいておりますよ。ね、ロイ」
「ああ、私達は毎日幸せだよ。今回は、ハネムーンの旅で来たんだよ」
ロイ王太子殿下とロゼ様は、互いを見つめ合い、ニコニコしている。
「それはそうと何故、アズと姫にシータまで?」
ルイス様は、三人に視線を向けた。
「俺たちは、ロイ王太子殿下達の護衛だと思ってくれ。身内だけどな」
アズは、ロイ王太子殿下の妹マーゴット王女と、先日婚約した。それにより、アズやシータの実家であるバッファエル家は、隣国の王族と親戚関係になったのだ。室内をクルリと見回せば、使用人や護衛らしき者が壁にズラッと並んでいる。
――――なるほど、それでこの広いお部屋にしたのねと納得。
カン、カ、カーンと打楽器が、室内に鳴り響いた!!音の方へ視線を向けると、我が家の双子、ベンジャミンとレノンが立っている。
“こんばんは!皆様、ベルカノン家へようこそ!!“
レノンが、ベルファント語で挨拶をした。
――――私は、肘でルイス様を突いた。ルイス様は念話で、話し掛けて来る。
『リゼ、多分この会のために、二枚目はベルファント語のカードだったのかもな』
『ええ、そうでしょうね。お父様も粋な事をしますよね』
『ああ、さすが宰相だな』
“今夜はランドル王国の郷土料理を沢山のご用意しています。どうぞお楽しみに!!”
レノンは挨拶を言い終えると、ペコリと礼をした。
「可愛いですね。エリーゼ様の弟君ですか?」
いつの間にか、私の横にマーゴット様が立っていた。
「マーゴット様!!お久しぶりです。そうです、あの双子は私の弟達です。向かって、右がベンジャミンで、左はレノンです」
「レノンくんはベルファント語がお上手ですね。驚きました」
マーゴット様は、穏やかな笑顔を浮かべながら、レノンを褒めた。
「ありがとうございます。今日、図書室でベルファント語のお勉強を頑張っていました。お褒めの言葉は伝えておきますね」
「宜しければ、わたくしが直接レノンくんに話しかけてもいいでしょうか?」
「勿論です。弟も喜ぶと思います」
私の返事を聞いたマーゴット様は笑顔を浮かべて頷く。
「アズ、姫とは相変わらず、二人だけで任務に出ているのか?」
「あー、そうだね。大体一緒に行ってる。なんかさ、スッカリ慣れてしまって、いい相棒みたいになっちゃってるんだよね」
「それは凄いな。姫を手懐けるなんて、アズにしか出来ないぞ」
「んー、何で答えたら良いんだ!?殿下、流石に手懐けるって言い方は、マーゴットに失礼だよ」
「すまん、ちょっと言い過ぎた」
横で交わされているやり取りが面白くて、つい聞き耳を立ててしまう、私。
「それでさ、殿下達は、いつ子供を作る予定?」
「グフっ」
「ブッ」
私たち2人は、同時に吹き出した。
「こ、子供って、まだ結婚式もしてないのに・・・」
思わず、私はアズを軽蔑するような目で睨んでしまう。
「お前、その質問・・・。最低だな」
ルイス様は、無表情で言い捨てた。
「いや、同世代の方が都合良いかなと思って、その反応を見る限り、近い未来では無いというのは分かった」
「はぁ、そう言うのはな、自然に任せろ」
あれ?ルイス様の回答も微妙・・・。――――自然って何?私たちは結婚する日まで、清く正しい交際をする予定なのでは?
「アズ兄ちゃん、僕は姪っ子が、、、」
横から、余計な一言を言ったシータは、アズから両頬を抓られた。
「ルイス兄様、このカードのミッションは完了で良い?」
レノンが、私達の方へやって来た。
「ああ、ベルファント語、とても上手だった。よく頑張ったな」
ルイス様は、レノンの頭を撫でた。
「ベンジャミンとレノンには、晩餐会を楽しんだ後で、またカードを引いてもらう。とりあえず、久しぶりに集まったんだ。食事を楽しもう!」
ルイス様は、弟達に向かって言った。二人は、笑顔で頷く。
「では、私が乾杯の音頭を取りますね!!さあ、皆さまお飲み物を手に取ってください」
私は、グラスを手に皆の様子を伺う。全員に飲み物が行き届いたところで、グラスを天高く持ち上げた。
「ようこそ、ベルカノン領へ!どうぞ楽しい晩餐会となります様に!!乾杯!」
「乾杯!!」
皆の元気のよい声が、部屋に響き渡った。
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