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リゼの悪役令嬢日記  作者: 風野うた
第一章 本編

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39/87

39 ミッション

ジャンルにこだわらずガンガン書いていきます。

誤字脱字等のご連絡は感謝いたします。


 今、私は大聖堂の中庭を散策している。


大きな噴水を取り囲む様に、南国的な植物が植えられていて、その中でもシダの大きな葉っぱは迫力があった。


赤や黄、艶やかなピンク色の花も咲き誇っている。


応接室では、クルト司祭さまの話をシータとルイス様が聞いている頃だろう。


私には、うかつにウロウロするという使命が与えられた。


故に、しっかりウロウロしたいと思う。


それにしても、正教会は広いし、人も多い。


先ほどは本当に人払いをしてたのだと1人で歩いてみて分かった。


これなら、誰かが紛れ込んでも分からないかもね。


どうせなら、楽しみたいし、色々と見て回ろう!と、意気込む私。


さてさて、どこを目指すかなー?なんて考えながら建物を見上げていると、私の視線の先で気になる事が起こった。


2階のバルコニーにいた人が、私と目が合うなり、サッと隠れたのだ。


何か嫌な感じじゃない?


せっかくだから、あの部屋を目指して行ってみようかな。


気分はかくれんぼ?


辺りの建物を確認すると、中庭の四隅に階段があった。


私はあの部屋に近そうな階段を選んだ。


「お嬢さん、この階段は一般の方は使用出来ないのでご遠慮ください」


突然の声に振り返ると警備にしては、力も無さそうな丸いメガネを掛けた青年が立っていた。


「そうなのですね、先ほど2階から私を見ている方がいらしたので確認したいと思ったのですが、、、。この階段の利用は、どなたかの許可が必要なのでしょうか?」


「ええ、この上は司教の部屋なので、簡単に許可は出せないですね」


「司教さまの?それならば尚更、先ほど2階に怪しげな人がいましたけど、大丈夫なのでしょうか?」


私がそう言うと、メガネの青年は顎に手を添え、少し考えてから答えた。


「確かにそうですね。それならば許可を出しましょう」


「ありがとうございます。では行ってみます」


私は階段を上る許可を貰って、早速、2階へ向かう。


「あのー、ずっと私に付いて来られるのですか?」 


私の後ろに、先程のメガネの青年が付いてくる。


「そうですね。許可は出しましたが、あなた様がどなたかも存じませんので、、、」


まぁ、そう言われるとそうだよね。


現在、私は不審者。


「私が名乗れば自由にさせて貰えますか?」


「お約束は出来ませんが、名前を教えていただければ、少しは信用するかもしれません」


「余り変わらないのなら、名乗るのは辞めておきます」


「分かりました」


不毛なやり取りをしたところで、目的の部屋に到着した。


「あのー、この部屋に入りたいのですが、ドアを開けても良いですか?」


一様、不審者の私はメガネの青年に確認する。


「ええ、鍵がかかっていないなら、どうぞ」


青年はしつこくついてくる割にダメとは言わないのが、不思議だ。


私がドアノブに手を掛けると鍵は掛かってなかった。


そのまま扉を開けると、中は広く、ソファーセットが置いてある。


窓は開け放たれ、風でカーテンがふわりと靡いていた。


ここは豪華な応接室といった感じかしら。


「怪しげな人はバルコニーにいたので、確認しても良いですか?」


私は背後に立つメガネの青年に声を掛ける。


「はい、どうぞ」


この方、本当に付いて来ているだけなのね。


私はバルコニーの方へ足を進める。


この辺に居たはずとバルコニーに出て探してみたが、誰も居ない。


遅かったか、、。


「居ないですね、もう何処かへ行かれたのかしら」


私は残念そうなそぶりをしながら、青年に向けて言う。


すると、何かを思いついたのか、青年は怪訝な顔をして、私に聞いて来た。


「あなたはもしかして、司祭達に面会に来た方ですか?」


そうよね、来客がこんなところでフラフラしているなんて思わないし、していたら、していたで怪しいわよね。


「はい、そうです。私はランドル王国のエリーゼ・ベルカノンと申します」


私は名乗りつつも、あえて公爵家の者であることを伝えなかった。


ベルファント王国の人々はランドル王国の貴族のことまで余り知らない様だったから、、、。


「遠路はるばるのお越しありがとうございます。ベルカノン公爵令嬢様」


メガネの青年はニヤリと笑って挨拶をして来た。


しかも公爵令嬢と付けて、、、、。


え、この人、、、。


「ご丁寧にありがとうございます。ところであなたは?」


私は内心ヒヤヒヤしながらも、冷静に質問した。


「私は正教会の司教のマキトと申します。ベルファント王国に来られてみて、いかがですか?」


「し、司教さまご本人でしたのね。大変失礼いたしました。ベルファント王国は実際に来てみて、温かい気候を羨ましく思いました。ランドル王国は標高が高いこともあり、この季節でも涼しい日が多いのです」


「なるほど、この季節に涼しいとは驚きました。私も一度は訪れてみたいものです」


「ええ、是非ランドル王国へもいらしてください」


司教さまご本人とは知らず、だいぶん失礼な感じになったけど、コレでいいの?


"うかつに"は、充分クリアしたと思うのよ。


でも、やっぱり失礼だったかしらと、モヤモヤ考えていた私の視線が司教さまの左手の指輪にとまった。


「司教さまはご結婚されているのですか?」


司教さまは、一瞬表情を歪めた様な気がした。


もしや、聞いてはいけなかったのかしら、、、。


「ええ、妻と子が2人いるのですよ。こういう役職にいるとなかなか会えないのです」

 

ああ、ちゃんといたんだ!良かった。


「ここに一緒に住んでいないのですか?」


ここぞとばかりに聞いてみる。


「はい、ここは職場なので、家は別のところにあります」


「そうなのですね。皆様こちらで生活していらっしゃるのかと思ってました。それではなかなか会えなくて寂しいですね」


「はい、わたしも早く会いたいです。ご心配くださりありがとうございます」


私は頷く。


「では、私の疑問も解決したので、そろそろ失礼いたしますね」


なんちゃってかくれんぼは、誰も見つけられなかったし、また違う場所の散策でもするか、、、。


私が部屋を出ようとすると司教さまは私を呼び止めた。


「申し訳ないのですが、ご令嬢には1つ手伝っていただきたい事が出来ました。しばらくここでお待ち下さい」


そう告げると司教さまは足早に部屋を出て行った。


「お手伝い?何だろう」


仕方ないので、私は部屋のソファーに腰掛けて待つことにした。


しかし司教さまは全く戻って来ない。


部屋の時計をみると、もう30分経過している。


ここで時間のムダはしたくない。


誰かに司教さまへの伝言を頼もう。


そう決意した私はソファーから立ち上がって、ドアに向かった。


そして、ドアノブに手を掛け部屋から出ようとする。


「えっ、ドアが開かない!?ウソー!!」


ならば、バルコニーから出れば、2階だし、叫べば何とかなる!と考えて、窓の方へ向かった。


そこで窓に手を掛けてみるも、開かない!!


力一杯、開けようとしてもビクともしない。


思い切って、大きな窓を蹴ってみたけど、割れない!!


あー、ミッション達成。


完全に閉じ込められました。



最後まで読んで下さりありがとうございます。

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