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リゼの悪役令嬢日記  作者: 風野うた
第一章 本編

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32 御伽話

ジャンルにとらわれずガンガン投稿していきます。

誤字脱字等のご連絡は感謝いたします。


 一昨日、私たちは無事に魔塔へ戻ってきた。


私とルイス様はロイ王太子殿下達を迅速に連れ帰ったと思いきや、驚くべきことに救出作戦で12日間の時が過ぎ去っていた。


あれで12日も経過しちゃうなんて恐ろしい。


ついでに、何もかもシータの計算通りで怖い。


 戻ってきた当初、私達4人は空腹と疲労でヨレヨレだった。


王国筆頭魔術師ルータとシータから、まずは栄養を摂り、しっかり寝るようにと促された。


そして、すっかり元気を取り戻した私たち4人は、今回起こったことの擦り合わせを始めたところである。


機密となる内容もあるため、マーゴット様とリチャードは、後から参加する。



 まずは、ロイ王太子殿下とロゼ公爵令嬢が連れ去られた時の状況を聞いた。


すると、犯人の犯行目的は大陸を統一して、竜神王と新しい国を築くと言う、トンデモナイ話が出て来た。


「大陸を統一して、竜神王と新しい国を築くだと?そいつら大丈夫か?」


ルイス様が激怒している理由は言うまでもなく、竜神王を持ち出されているからだろう。


竜神王の生まれ変わりであるルイス様がここにいるというのに、その様な偽りを語るのは一体誰?


「そうなんだよ。竜神王なんて、御伽話だろう。何がどうしてそう言う話になったのか僕にも分からないんだよ」


「え?御伽話?竜神王って、御伽話があるのですか?」


私はロイ王太子の言葉に何も知らないフリをして乗っかる。


「そう、エリーゼ嬢は知らないんだね。もしかしてベルファント王国だけに伝わる話なのかな?」


「そうかもな、オレも知らない」


ルイス様も私の発言に便乗した。


そして、それを聞いたロイ王太子殿下はベルファント王国に伝わる竜神王の御伽話を私たちに話し始める。



 昔々、この大陸は竜の王国だった。


神は世の中の均衡を保つ役割を竜の王に与え、神力も分け与えた。


ある時、この大陸に人間がやって来る。


器の大きい竜神王は人間がこの国に住むことを許した。


そして竜と人間は互いに支え合い平和な時を過ごす。


そんな中、竜神王には息子達が生まれた。


息子達は双子で、竜神王は彼らが成人すると兄に神力を譲って、自らは隠居することにした。


弟は兄の補佐をする事になった。


やがて、兄は人間の娘と恋に落ちる。


弟も同じ娘に恋をするが、娘の気持ちは兄に向いていた。


嫉妬の念に駆られて、王である兄の地位を奪えば娘の気持ちも変わるかも知れないと考え出す。


その結果、弟は悪知恵を働かして、兄に番を持つことは国を滅ぼすことになると進言し、娘か、地位のどちらかを諦める様に兄に迫った。


兄は迷わず、娘を選んだ。そして2人は国を去る事を決め、弟の前から消えた。


残された弟は兄から神力を譲り受け王となり、国を守っていくことになった。


しかし、この事件に納得しないのは兄の側近達である。


番を持つなら地位を譲れと言うのは、あまりに酷い言い分なのではないかと、、、。


彼らは幾度も兄を説得し呼び戻そうとしたが、上手くいかなかった。


無念だった彼らの願いは、やがて兄が戻った時には弟から国を取り戻すという怨念の様なものになった。


しかし、全てを悟っていた兄は、竜の王国に永遠に戻ることはなかった。


賢い彼は新たに住み着いた大陸で、妻や子供達と共に協力して豊かで平和な国を築き、幸せに暮らしたのだった。


おしまい。



「双子の王子の兄は王に向いてたと僕は思うんだ。一人を愛せない人が民を愛せるとは思わない。弟の言い分は卑怯だろう」


ロイ王太子殿下が言う。


「ああ、そうだな。ただ追い払った後は弟も苦労したかもな」


ルイス様は淡々と答える。


 私はこの御伽話がベルファント王国で誰しも知るものだとしたら、誰かが「私が戻って来た竜神王兄です」って言えば、結構簡単に騙されてしまいそうな気がした。


「では、犯人は竜神王を名乗っているのでしょうか?」


私はロイ王太子殿下に疑問を投げかけた。


「そこはまだ何とも言えないね。今の段階では犯人が他国の者か国内の者かも判断出来ないよ。我が国は問題が山積みだ」


ロイ王太子殿下が言う。


ロゼ公爵令嬢も横で頷いている。


「わたしも、マーゴットみたいに腕が立てば良かったのですけど、全然ダメで、、、」


その一言で、私はロゼ公爵令嬢に急に親近感が湧く。


「私も普段ルイス様のお役に全然立ててないので、ロゼ公爵令嬢様もあまりお気になさらなくて大丈夫だと思いますよ」


図々しくも謎の自信に満ちたフォローを入れた。


横でルイス様が下を向いて肩を揺らしている。


誤魔化そうとしても、笑っているのはバレてますからね!!ルイス様!


「ありがとうございます。勇気が出たわ!エリーゼ公爵令嬢さま、どうぞお気軽にロゼと呼んで!」


「ありがとうございます。私もエリーゼと呼んで下さいませ。ロゼ様」


急に距離が近くなったロゼ様に嬉しくなって、私も微笑みながらお返事をした。


「ところで、エリーゼ嬢はマーゴットとお友達って言ってたよね?何処で出会ったの??」


次はロイ王太子殿下が私に質問して来た。


「マーゴット様がランドル王国の王立学園に留学して来られたのです。ロイ王太子殿下、実はお二人が異世界に飛ばされた日からすでに1ヶ月半経っているのです」


「えええー!?」


ロイ王太子殿下とロゼ様の声が重なる。


二人は予想していなかった事態に慌て出した。


かなり深刻な状況だと言う事もこの後、マーゴット様たちに会えば分かるだろう。



「では、そろそろ姫とリチャードを呼ぶか」


ルイス様が呟いた。


「ええ、いいタイミングだと思います」


私は同意した。





最後まで読んで下さりありがとうございます。

面白いと思ったらいいねをよろしくお願いいたします。

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