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リゼの悪役令嬢日記  作者: 風野うた
第一章 本編

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26 危機感

ジャンルにとらわれずガンガン投稿していきます。

誤字脱字等のご連絡は感謝いたします。


 リチャードは、ゆっくりと話し始めた。


「先月、ネバー大陸のホロロ帝国から、歌劇団が公演に来ました。同じ頃に国内で、旧ヨーク公国派の暴動が増えました。捕えてみると犯行前の記憶がないという共通点がありました。加えて、多くのものはホロロ帝国から来た歌劇団の公演に足を運んでいた事が分かりました」


 オレはブランド領にいるヘミングウェイから、火急の件があると呼ばれた。


今、リチャードから隣国で起きた話を聞き始めたところだ。


ヘミングウェイはこの話を一度聞いたらしい。


しかし、彼は武人らしいというか何と言うか、自分には複雑過ぎて受け止められなかったと言っていた。


「それで、他にも共通点はあったのか?」


「いえ、ルイス王子殿下、その前にまだ事件の続きがありまして、、」


「分かった。続けてくれ」


ランドル王国とベルファント王国はルーラシア大陸の双竜と呼ばれる2大大国である。


ベルファント王国は工業が盛んで、ほかの大陸との貿易も盛んだ。


近年はヨーク公国を併合したが、長きに渡り、他国との争いもない。


それは王家とベルファント正教会がバランスよく政治を行って来たからである。


貴族たちも王国議会とベルファント正教会の両方に所属して、良心を持った政治を心がけており、汚職の話もほとんど聞かない。


そんな国で、近年ギザン・サマンサという男の名前がよく挙がるようになった。


彼は海を隔てたネバー大陸のホロロ帝国第四王子で、ベルファント王国のサマンサ侯爵家に婿入りして来た。


サマンサ侯爵は故郷ホロロ帝国とベルファント王国の貿易に力を入れ、短期間に多額の富を手にした。


彼は人の上に立つ事を望み、ベルファント正教会を真っ向から否定した為、超血統主義者と呼ばれるようになる。


そして、彼と彼を取り巻く超血統主義の派閥により、ベルファント正教会は弾圧された状態になり、解体の危機をささやかれる事態となった。


最後の砦として、ベルファント正教会は聖女の召喚の許可を王家に求めた。


王家は1人の貴族が巨額の富と権力を得ることに危機感を持っていたので正教会に許可を出した。


「ルイス王子殿下、どうやら聖女の召喚が失敗したらしく、それを知った超血統派の者たちが勢いづいて、我が国の王太子と婚約者ロゼ・ダストン、私の妹を襲撃しました。そして妹は命を落とし、王太子殿下は昏睡状態となったのです」


「ちょっと待て、貴殿は公爵令息なのか?」


「はい、ベルファント王国の宰相ルルド・ダストンの息子でこざいます。前線に出たいばかりに身分を偽ってしまい申し訳ございません」


なるほどヘミングウェイがオレを呼ぶはずだ。


色々と絡み過ぎだろ。


「貴殿の妹の事はリゼから聞いた。悲しい出来事であったと思う。心からお悔やみ申し上げる」


オレは大切な妹を亡くしたリチャードの心中を思うと胸が張り裂けそうになる。


しかし、顔には出せない。


こういう時、上からものを言わないといけないから、王子職は辛い。


「ルイス王子殿下、ありがとうございます。私に出来ることは妹の様な被害者を出さないことです」


「それはオレも同じ気持ちだ、権力者の都合で民を傷つけることなどあってはならない」


オレが力を込めて言うとリチャードとヘミングウェイも強く頷いた。


「それから、共通点の話なのですが、この王太子襲撃で捕らえた者達も記憶が無いのです。それ故、それぞれが単独の事件なのか、複合的な事件なのかも分からず、王女殿下と私はランドル王国の力をお借りしたく参りました。このままでは我が国が無くなるのではないかという危機感があります」


リチャードがオレを真っ直ぐ見据えて真剣に訴えてくる。


「分かった。とりあえず、捕縛した者は記憶が無くとも解決するまでは牢に入れる。オレ達は王都に戻り、互いの持っている話の擦り合わせをした上で対策を考えよう。王宮には頼りになる魔術師もいるからな。それでいいか?」


「はい、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします」


リチャードは深々と頭を下げた。


オレはそれを見て、事態の重さを感じた。


ベルファント王国ほどの大国が危機だとは、、、。



「では、処理も大方目途が付きましたし、殿下、私が後処理に少し残ります。先にお二人でお戻りになられて下さい。シータ殿にも大変感謝しております。どうぞよろしくお伝えください」


ヘミングウェイがそう言うので、オレは有り難く提案に乗ることにした。




 ルイス様がお戻りになるまで一旦解散になった為、マーゴット様は離宮に戻られた。


私は王宮では部屋無き子になってしまったので、魔塔の一室で休ませてもらっている。


それにしても、先ほどの話には言葉も出なかった。


ロイ王太子殿下が昏睡とは、かなりの事態よね。


マーゴット様の心中をお察しすると胸が張り裂けそうだわ、、、。


婚約者様に至っては、もうご冥福をお祈りするしか出来ないなんて、、、。


まったく!トカゲの使役紋って、いったい誰がつけてるのかしら、許せないわ!!


最初はこの世界がゲームの中だから、誰か外からゲームを操作してるのかしら?とか思ったのだけど、それにしてはルイス様とかマーゴット様に絡んでこないし、ここはゲームとは関係ないのかなぁ。


大体、黒い竜とか無かったよね?無かったのかなぁ?自信がない。


私にゲームの記憶がほぼ無いことがもどかしい!!


何か思い出さないかな、、印象的なスチルとか、、、?


「あーーー!!!」


そうだ!閃いた!!スマホの写真のデーターならWi-Fiなくても見れるんじゃない?


よし!シータに頼もう!!


私は思い立ったが吉日!と部屋を飛び出した。

最後まで読んで下さりありがとうございます。

面白いと思ったらいいねをよろしくお願いいたします。

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