1/20_その2
今日は第4土曜日でしたね。1月も最後の土曜日。つまり、私が最新話を更新する日です。予定より遅れましたが公開です。お願いします。
(えっ、今日第4土曜か……。うそぉ……早いなぁ……)
今回は前回に引き続き、キュリア対ハルトの模擬戦です。いよいよ本編でドンパチやります。
「…………始め!」
初手、ハルトはいくつもの水球を発射してくる。得意の水属性で、しかも手数で攻めてきたわね。なら、反対の火でもぶつけてみましょうか。
「『豪炎の鞭』!」
炎の鞭を右手前に作り出し、前方に向かってくるくると円を描くように振るう。渦巻く炎の竜巻となって、水球はジュッと音を立て蒸発していく。その炎はハルトの方へ徐々に伸びていく。魔力を多めに使っているから、消火にはそれ以上の魔力を用いた水をぶつけないとだめよ。
さぁ、ハルト。どうする?
「ミラ!」
ハルトが叫ぶ。彼の懐から何かが飛び出した。空気中の水を集めながらそれは彼の背後に巨大な姿を表す。翼の生えた水の大蛇。
それは私の炎を羽ばたきだけで消火した。羽ばたき一つで雨のような大量の水飛沫が飛ぶ。私は後方へすぐさま転移し、状況を整理する。
まず、あれは何? 無属性付与の収納アイテムでもない限りあの量の水は出てこない。それに、ただの水の塊じゃない。魔力を持った水の竜。水で構成されてるけど、ちゃんとした生き物だ。
私はあれと同じような魔法生物を過去に見た。レネさんと初めて会った時に見た魔法生物・コウカ。
「それが貴方のイメートってわけね。それにしても……デカすぎでしょうよ」
私はまだイメートを持っていない。イメートの講義を受けていないのもあるし、どんなイメートを持とうとかまだ考えていないから。でも、知識としてどんなものかはだいたい知ってる。魔法と同じで、魔法が生き物の形と、独立した意思を持って制作者(創造主)を支える生涯の相棒。
だとしても、こんな巨大なイメートなんて……。うちくらいは余裕にありそう。30人くらい乗ってもびくともしないのでしょうね。
「何をどう想定して創造したらこんな大きなイメートになるのよ……」
さて、これ、どう攻略しようかしら。ほんとに。
「ミラは今まで誰にも負けたことはないんだ。キュリア、君はどう戦う?」
ぶつり。
ほぉ〜う。これは煽られたわね。煽られた音がしたわ。絶対負けれられない戦いね。こちとら験担ぎのオルガ特性カツサンドを食べてきてるんだから。
……でも実際問題、この大蛇をなんとかしないとハルトに攻撃は届かないのよね。ハルトの属性と同じ水。水の魔法が強化されるし、ハルトくらいなら水属性の隣、闇と風も使ってくるでしょうし……。そう考えると呪いや毒を付与されている可能性から、無闇に水に触れられないわね。炎で蒸発させたら、空気中に毒を拡散させそう。火も使うのは辞めたほうがよさそう。あと、風と組み合わせて凍らせることで氷の礫なんかを撃ってきそう。
ほんと、どう攻略してやろうかしら。簡単に死なない私の性質を利用して、捨て身の特攻を仕掛けるのは最終手段にしたいわね。
水が動く。
攻撃が来るっ!
有効手段が思いつかないまま、私は結界を展開して叩きつけられる水の尾を受ける。地面が少し沈んだし、周りの地面は割れた。すごい力に冷や汗をかく。
自分でこの攻撃を受け続けるのはまずいわね。誰かに肩代わりしてもらわないと。
「隆起せよ、大地の巨人」
土属性の巨大な魔法陣を瞬時に展開する。そして地面が私の下に吸い寄せられるように盛り上がる。大地の揺れで体制を崩す観客やハルト。ミラはハルトを尻尾で受け止めている。(それ、ウォーターベッドみたいで良さそうね。後でやってもらおうかしら。)
ミラよりも大きく、魔力をたくさん。的は大きくていい。重く、動きは遅いし、相手からは攻撃しやすい格好の的。だけど、大地が水を吸収する盾になるならそれでいい。
「ミラ、キュリアを一気に狙うよ!」
ハルトがミラに乗って突っ込んでくる。大きいけれど素早い動き。
あっという間に土の巨人に到達し、巨人に巻き付いて締め壊そうとしている。私はスッと転移魔法で巨人から離れてこれから起こることに備える。ハルト、ミラ……残念だけど、これ、簡単に壊せないのよね。だって、これ……
「ちょっ! 何これっ!?」
ハルトの悲鳴に私はしめしめ、としたり顔。そして嬉しそうに答えてやる。
「水やりありがとう。これ、すごく水が大好きだから助かるわ」
「だからって植物型の魔獣を埋め込む!?」
土の巨人の中に採集依頼のときにゲットした成長速度の早い植物型の魔獣を見つけて、種や苗の状態でとっておいたの。水が大好きで、特に魔力が含まれていると成長がすごく早い。乾燥させて休眠状態にして土の巨人を作るときに混ぜておいた。水をやれば一気に休眠が解けて成長する。その性質を狙って。
「ヒュー! 見ろよ、マティアス! 俺らの弟子がちゃんと知識を活用してるぜ!」
「おじえどいで、よがっだぁ!」
観客席から歓声と嗚咽が聞こえる。
大丈夫よ、先輩達。ちゃんと教えてもらったこと、活かせてるでしょ。
ミラは土巨人の中の植物に囚われ、うまく身動きが取れなくなった。ハルトをぺいっと脱出させて逃れようと藻掻いている。しばらく水を吸われながら格闘しておいてね。
水を吸い付くされるのが先か、ハルトがミラを元の石の状態に戻すのが先かわからないけど。
さて、これで状況は私とハルトの一騎打ち。
最初の状態に戻った。と言ってもハルトはイメートのために今も魔力を注ぎ続けている。私は上級の魔法を何個か使ったけど、まだまだ余力がある。体術戦になったら絶対私が負けるけど、魔法戦なら十分勝てる自信はあるわ。
さぁ、何を出してくる?
いろんな魔法と魔法生物をキュリアが駆使し、工夫して戦っております。あれとそれを組み合わせたり、応用したりが楽しいんですよね。
次回は、1/20_その3。キュリアにさらなる試練が。ハルトの猛攻にどう立ち向かうのか。
2月の第2土曜、発表です。よろしくお願いします。
今回も読んでいただきありがとうございました。




