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魔導学生キュリアの日記  作者: 風雅雪夜
2年生
25/30

12/20 その3

愛とは呪いか、祝福か?

ベレジュナーヤ先生は今日も生徒に教える。やっぱり今日も皆集まって勉強会になりました。

「なるほど、愛のベクトルによる祝福と呪いの違いで為せる、祝いという名の呪いか。キュリア、いい勉強になったな」

「はい。まだ付与に関しては習っていないので、いい予習になりました」



 結局、祝福という呪いが付与されたケーキはご厚意ごといただくことになったので、むしゃむしゃと食べている。味に変化はなく、ケーキはとても美味しい。ケーキを食べながら祝福や呪いの付与について話をする。


 呪いや祝福の付与は主に光属性科、及び闇属性科の6年生が合同授業で行う。また光・闇属性の魔法を使える生徒も聴講可能で、例年、年が明けた2月頃にその授業は行われる。6年生相当の実力がある生徒であれば希望すれば聴講できる。我らが土属性科のミケーレ先輩も年が明けたら聴講するという。

 私も一応聴講は可能だけど、もう少し理解を深めてから聴講したいので、来年度の講義を受ける予定。今、飛び級で6年生の魔法実技をやってるけど、講義の方はまだ2年生レベルだから理解できるか不安だし。だから、もう少し勉強しないとね。今のままじゃ、ちょっとついていけそうにない、かな。


 無属性が沢山いるモクシュカ・ジャドゥは、無属性の魔法付与をアイテムに施して収納袋を制作する、なんて仕事もしている。もし、ここウルガルド王国じゃなくてそっちの方にいたなら、生きるためのそういう仕事用に魔法を学んでいたのかもしれない。

 まぁ、ラツィオや先生を始めとした皆と会えなかったでしょうから、ここはここで好きなんだけどね。でも、興味がないわけじゃないから、いつか行ってみたい。ちょっと気になるのよね。モクシュカ・ジャドゥもそうだけど、道具に属性の魔法を付与するっていうのが。それも祝福や呪いと同じように付与するのかしら?

 来年の講義を受ける前に、予習として図書館で調べてみよう。






 宴もたけなわ。

 楽しいクリスマスパーティー兼忘年会は終わり。

 先輩方を玄関先までお見送りして、私は後片付けのために部屋へ戻る。みんな、今日のパーティーを楽しんでくれたみたい。特別勉強会みたいな感じになったり、情報交換会になったり。

 私も色々と得るものが多かった。普通はもっとこう遊んで馬鹿騒ぎして楽しむのだろうけど……。普段の私達の会話とそんなに大差なく終わってしまった。もちろん少しは遊んだけど、いつも軽い勉強会になるのよね。学生だから?



「先生」

「彼らは気持ちのいい生徒達だな」



 遠くなる先輩方を見ながら先生は言った。窓辺に座ってワインを飲む先生は美しいが、月明かりのせいか、いつもよりその顔が白く、いつもより顔色が悪く見えた。

 この人、お酒飲んでも赤くならないのね。



「ええ。先輩方には、とても良くしていただいてます。勉強やそれ以外の実地でのこと、他愛ない話をすることも。あの学校で私に良くしてくれる先輩はあの人達だけです」

「そうか」



 ハルトから始まった先輩方の縁。その始まりの人がもうすぐ卒業する。彼といた時間はあまりにも短かった。最後に、彼には思い出をプレゼントしたい。そう思って魔法を学んでいるのだ。



「ハルト・ウォードの為に転移の魔法を習得したいんだな」

「そ、それはっ! …………あの、えっとぉ…………………予知、ですか?」



 その答えに先生は答えなかった。予知でなくてもわかるわよね。皆と私を見てればそれくらい。もしかして、私とハルトの旅行計画も先生にはバレてるのかしら。

 でも、先生のことだから怒りはしないはず。貴族要人を何らかのアクシデントから緊急脱出させる場合、どうしたって瞬時に移動させられる無属性魔法は喉から手が出るほど欲しいものだし。むしろ学ぶことを推奨するんじゃないかな。

 先生が私の方へ顔を向ける。真面目な顔をしている。



「ならば敵を減らせ。でなければ滅びる」



 予想外の言葉に私は驚く。

 えっ、敵? 何かがきっかけで私が身を滅ぼす、そんな予知をしたのかしら?

 だから先生は、ハルトと一戦交えて力を示せ、と言ったのかもしれない。何もしなければ私の身に危険が及ぶとか、そういう。いざその時が来ても力不足で自分の身が守れない、なんてことがないように。

 最高学年のハルトと模擬戦をすることで力を内外にアピールしておく。私の味方を増やすためでもあるし、敵に対して力を示しておくために。



「先生、その予知はいつ頃なんですか? 近いんですか?」

「……」



 グラスの中身を飲み干して先生は何も答えず窓際から立ち上がり、私の方へゆっくり歩いてくる。すれ違いざま肩に手を置くように叩かれた。



「予想外より敵は出る。守るために力を示せ」



 未来予知で私の身に何かあった、しかも敵は予想外と来た。誰が? 予想外なら予想されるいつもいじめてくる生徒ではなさそう。まさか、皆が? そんなの考えたくない。彼らはそんなことしない!



「キュリア。私は何があってもお前の味方だ。勿論、彼らも。だからまずは、ハルト・ウォードとの一戦に勝ち、力を示せ」



 ……ひとまず、先生や皆を信じて良さそう。とりあえず、それだけは安心できる。

 ハルトには悪いけど、ここは勝たせてもらって最悪の未来予知を回避しないとね。冬休み中は特訓をしないと。


 それにしても、予想外からの敵って、どこから来るのかしら。先生は何も答えなかったけど、近いうちにその敵ってやつが現れるんだと思う。そいつが現れる前に力を示して最悪の未来だけは回避しないと……。

 告げられた未来予知。一体、キュリアの敵とは誰なのか? 見えない敵を牽制するために、キュリアが持つ圧倒的な魔力と魔法の知識を見せつけるしかない。さぁ、ハルト。可愛い後輩の未来の為に、一肌脱いでくれ。

 というわけで次回から『キュリア対ハルト戦』をお送りいたします。お送りするのですが、現在、まだ『キュリア対ハルト戦』、執筆中です。バトルシーンを丁寧に書くことってあまりなかったので、苦戦しています。でも、楽しいです。


 投稿開始して再来週で一年を迎えますが、それまでに間に合うか……。ちょっと難しそうなので、一旦、しばらく投稿の方をおやすみとさせていただきます。続きはもう少々お待ち下さい。


 今回も、読んでいただき、ありがとうございました。次回更新は活動報告、雪夜(@yukiyo_6)のTwitterで告知したいと思います。

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