9/16 9/17 その1
忙しいと今日が何日なのかわからなくなる今日このごろです。予定より遅れましたが、今日の分のお話を投稿します。
外出してお買い物。趣味と実益を兼ねるとちょっとわくわくします。
9/16
上級生二人に連れられて私は何故か着せ替え人形になっていた。何がどうして、男子の着せ替え人形にならなきゃいけないのか。こういうのって女子同士でやるものでは?
「兄さん、あまり可愛くしすぎるのは変な輩に目をつけられちゃうよ! これは流石に可愛すぎてだめ!」
「けどよぉ……。キュリアは女子なんだからちっとはかわいいかっこさせたいじゃん。お前のはそれもう男子じゃん。ぜんっぜんかわいくない!」
「兄さん!」
ギルド登録したことでいつでも採集に行けるのだが、私のために依頼用の服や装備を揃えよう、と先輩達は張り切っているのだ。ギルメン登録祝いの贈り物として、後輩である私に良いものを贈りたいらしい。それはありがたいのだけど、ここまで揉めることもある?
アンリ先輩は、私が女子なのだから、と色味も華やかでデザインも女子っぽいものを選んでくる。普通の女子ならきっと嬉しいのだろうけど、私はそういうのはちょっとまだわからない。逆にマティアス先輩はというと、デザインよりも機能や質に重きを置いているし、女子というだけで危険な目に遭いやすいので男装させた方がいいと男性物を持ってくる。まぁ、男性物って機能面や質は折り紙付きだから、マティアス先輩セレクトなら長持ちしそうだし、絶対にいいモノ、よね。デザインはともかくとして。
ほんと、この兄弟はなんでここまで好みが両極端なのかしら。そのうち、好きな女性も兄弟の性格上、正反対の人を選びそう。
それにしても、もう何着目かしら。同じ店に2時間はいると思う。ほら、もうお店の人が苦笑しちゃってるじゃない。笑ってないで助けてほしいのだけど。この着せかえショーに終止符を打ってほしい。誰でもいいから助けてほしいんだけど。
「ラツィオでもいいから、誰か助けてくれないかしら……」
その後、兄弟喧嘩が勃発しかけた頃、様子を見ていたいろんな人達がアドバイスをくれたお陰で私の服は決まっていった。中には学園の先輩もいたり、ギルドメンバーの人もいたりして、大変お世話になりました。本当に。
9/17
いよいよ依頼に挑む日が来た。
「天気は快晴! 気温よし! 風よし! 装備はぁ〜〜?」
「僕は良し!」
「私もよ。昨日買ったもの全部着けてきたわ」
「ならば良し! 張りきって行くぞー!!」
朝から元気ね、この人。
今回の依頼は、先輩達がよく行く薬草店から出されていた薬草の採取。薬草に関してはもう先輩達の方が生息場所も見分けもできるので私は周囲の警戒に専念ね。王都を出るまでは比較的安全だからしばらく私の出番は無さそうだけど。
「たまにさ、子供だからってイチャモンつけてくるヤベェ大人のギルメンもいるから、周りに注意しないとトラブルに巻き込まれちまうからな」
アンリ先輩が私に注意事項を教えてくれる。どうやら、王都もそんなに安全じゃないっぽい。そもそも、そんなやべぇ大人もギルドメンバー、略してギルメンで活動してるって、それはやべぇことなのでは? 資格とか剥奪されたり、最初の段階でギルメン加入を断ったりしないのかしら。
「わからないって顔ですね。あれは通過儀礼的なこともありますし……でも、僕はあまり経験したくないです。怖いし」
マティアス先輩は苦い顔で言う。……相当、嫌な思い出だったのね。気が弱そうだからそういう被害に人一倍遭いやすいのかも。そのうちわかるってアンリ先輩も言うけど、そんなにすぐに事が起きちゃうものなの? ここ王都よ? そんなに治安か悪かったかしら?
「よぉ、ガキンチョども」
後ろから男の声がかけられた。あまりいいものではなさそうな雰囲気ね。これが今言ってたやつかしら。
先輩達がさり気なく私を守るように男との間に立ち回っているのは流石ね。纏う空気が少し違う。気の弱そうなマティアス先輩までいつもと違うんだもの。あぁ、先輩たちが先輩してる。感動しちゃう。
絡んできたのは、いかにもチンピラとかガラの悪そうな大人の男性が3人。格好が革鎧とか剣とか持ってるからギルメンみたいね。お顔がちょっと凶悪なんだけど。確実に何人か被害者がいそうなお顔なんだけど???
「おっさん達、何の用だよ? 俺らこれから依頼なんだ。金もねえし、カツアゲなら他を当たりな」
「昨日、準備で使いましたからね……」
これは私もいざとなれば魔法で参戦したほうがいいのかしら? あまり騒ぎは起こしたくないのだけど。
「その装備、ちょいと見せちゃあくれねぇか?」
リーダー格と思しき男が私を指差す。いつでも魔法を放てるように準備だけはしておく。先輩達もはいそうですか、と通さない。
「わりぃな。大事な後輩なんだ。見るならそこからにしな。因みにこいつはハーピーの羽毛にワイバーンの革鎧だから、こいつに手ぇ出してみろ。切れるぜ!」
「魔力を通せば風で敵をふっとばしてくれますから、いざというときはそれで身を守れますよ」
男達を牽制するアンリ先輩の声にかぶせ、こっそりと私にマティアス先輩が使い方を教える。
ワイバーンってそこそこ高い素材だったはずだけど……。むしろワイバーン含むドラゴン系の生物って数自体少ないからあまり市場に出回らないんじゃなかったかしら。しれっと着せられたフード付き外套のマントもハーピーの羽毛使用とか聞いてないんだけど? 魔力を通したら風で吹っ飛ぶ防犯システムとかも初めて聞いたんだけど??
「マジかよ! ほら! やっぱりワイバーンだったろ!」
「畜生! スネーク系じゃなかったか〜!」
「ハッ! まだまだだなぁ、オメーもよぉ」
「そー言うテメェだって! なーにがリザードだよ!」
「うるせー! オメーよりちったぁ近えーんだよぉ!」
そうとう賑やかな先輩ギルメンだ。ある意味厄介な手合に絡まれてしまったわ。あと、うるさい。
その後、カツアゲをするでもなく彼は私の装備の質を褒めてくれたし、色々と有益な情報をくれたので、悪い人たちではなかった。ただ、なかなか疲れてしまった。依頼に向かう前からこんなに疲れてしまうなんて。
「なかなかに災難だったな、キュリア」
「ええ、ほんと。あれはどういうやべぇやつなの?」
「ファッションチェック系のやべぇやつですね〜。悪い装備だと装備屋に連れて行かれて、いい装備を買わせるまで離してくれない系のやつですよ〜」
「やべぇやつの種類が多すぎない?」
「ギルドはやべぇやつが大渋滞してるから、気にしたら負けだぜ?」
先輩? 遠い目をしてるわよ?
もしかして以前同じようなことがあったの? だから最初からいいヤツを買ってくれたの? そういうこと?
ようやく街の外へ出る関所へ到着。ここまで長かった気もするけど、まだ依頼すらやっていない。ここからが本番なのに、どうして疲れてるのかしら。
「よし、いいよ。それと、暗くならないうちに帰ってくるんだよ」
「はーい!」
衛兵の人から温かく見送られ、とうとう王都の外の森へ出てきた。
今回はお買い物回と初仕事の回。
先日、いとこに連れられ人生初のはしご酒をして日の出とともに帰宅しました。時空が歪んだり、いろんなお話をしたり、楽しかったです。初めてのことって疲れてしまうけど、やっぱり楽しい。家のこともあって難しいと思うけど、また行ってみたいです。
今回も読んでいただきありがとうございました。
次回、第4土曜日です。0:00公開予定ですが、遅れたとしてもその日中には公開する予定ですので、少々お待ちいただければと思います。




