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魔導学生キュリアの日記  作者: 風雅雪夜
2年生
18/30

9/3 & 9/4 & 9/15

キュリアは2年生になりました。

9/3


 長い夏休みが終わって新学期が始まった。冬休みと同じで、たまに先生が訪ねてきてはいろんな場所へ跳んで世界を見て回った。世界の国や地域をどれくらい制覇しちゃったのかしら。勿論、無属性やそれ以外の魔法の勉強も少ししたから予習復習もバッチリだし、技術も上がって、魔匠具無しでできる魔法も増えた。


 私は二年生になったけど、やっぱり無属性の後輩は来なかった。そうホイホイと現れてくれるものじゃないから期待はしてなかったし。居たら居たで大ニュースになってるし。まぁ、居ようが居まいが私のやることは変わらないのよね。

 ……ちょっと後輩ってものがほしいとか、思ってないんだから。憧れでは………………あるけれど。


 それよりも、だ。

 私は来年の六月までに、人を連れて無属性の転移の魔法を使えるようにならなければならない。ハルトを連れて世界を旅するのだから。

 この一年、いや、半年が勝負だ。この半年で安定して魔法を発動できて、自分の魔法の危険度を下げなければならない。もっと勉強しないとだし、魔法を使い慣れないといけない。たくさん練習しないと。



「さて、今年も無属性をやっていくぞ」

「はい、先生」



 魔法のレベルは6年生、威力も高い。ハルトにもうすぐ並ぶ。


 だから、━━━。



「先生、私に人を移動させる許可をください」



 そろそろ次の段階へ進まなければ。






同日 ベレジュナーヤの日記より


 キュリア君が人を伴う転移魔法の教授を申し出た。遂にこの時が来たのか、と思った。


 私は、教えることを拒否した。

 いくら物体を転移させる魔法が安定してきたからと言っても、まだ彼女のそれを人にさせることはできない。本来であればその許可を出すのは、まだ先のつもりだった。

 転移の魔法は置き忘れが危険だ。だからこの一年で人以外の生物を遠距離で、瞬時に、安全に転移できるように調整していくつもりだった。


 無属性の魔法のほとんどは取り扱いに注意するものだ。転移の魔法、時間を巻き戻す魔法、空間を固定する魔法……ゆっくりと、最短でも3年をかけて教えていくつもりだった。経験と知識を多く蓄積し、卒業までには一人前の無属性魔導士に、その後は賢者にする予定だった。


 彼女は何に焦っているのだろう。半年前から彼女は無属性の魔法に取り憑かれたのか。以前よりも力を入れて取り組みだした。

 悪いことではないのだが、彼女をそこまで動かすのはなんなのか。まるで、時間があまりないかのように焦っている彼女。一体、何があったというのか……。






9/4


 先生から人を転移をせてもらう許可を貰うことは当分できそうにない。いつかは教えてもらえるけど、そのいつかがハルトの居るうちなのかはわからない。

 私とハルトには、もうあまり時間がない。だから早く教えてもらわないと。今からやって練習しておけば、ハルトが卒業するまでに人を移動させることが可能になるから。ハルトを安全に移動させて旅行することができるもの。

 でも、先生が教えてくれないなら自分でやるしかない。そのためにはもっと転移の精度をあげなくちゃいけない。きっと、先生としては人以外の生物を転移させることに慣れてから、という考えなのだと思う。なら、たくさん練習しないと。そのために最適な練習法ってどうしたらいいのかな?

 何か良い方法はないかしら。自分の実力も試せる、練習に最適な方法は。






9/15


 私はギルドへ行った。



『ギルド登録して依頼を受けて、魔法の練習をすればいいんじゃないか?』



 という意見をラツィオから貰ったからだ。

 騎士団に入れ、とか言わないあたり、私の適正と性格をよく見てくれているのは、『流石、我が友』と言える。放課後や週末にギルドの依頼を受ければ、それなりに魔法の練習になると思う。自分の実力も客観的に見られるし。


 受付のお姉さんからは心配されたけど、放課後や週末など、まとまった時間のとれるときにやること、毎日はしないことを述べた。毎日だと魔力切れや勉強時間がとれないからね。それくらいはわかってるし、そこまで毎日熱をあげてやると、進級や勉学に影響が出るのもわかってるんだけど……心配性ね、このお姉さん。

 実力を試す目的で登録する魔導生も多いみたいだから、魔導生の登録は珍しいことじゃないみたい。魔導生は、のんびりやったり、実力テストで使ったりする人もけっこういるみたいだし。


 早速、魔導生で登録して依頼の貼ってある掲示板に向かう。

 この依頼板は円形だ。難度が高いものが内側、低いものが外側に依頼書が張り出されている。その板は戦闘系・採集系・生活系と円を三等分にして依頼内容が分けられているから自分の得意分野や伸ばしたいもの、受けたい依頼がすぐにわかる。回転する板だから背が届かなくて依頼書が取れないなんてこともない。

 依頼書は、頭の大きなピンが板に打ち付けられ、洋服のハンガーのようなクリップで吊り下げられている。だから、板を回転させても絶対に文字が読めるようになっている。とても親切な設計だと思う。


 この依頼板は昔、ギルド受付をしていた服飾屋さんの娘さんが考案したものなんだって。異業種や自分とは違う視点からのアイデアってハマるとすごく画期的なモノになるのね。


 肝心の依頼板だけど、0級、1級、2級、……と難度の高い方の依頼は少ないから見ていて寂しい。私が受けられるのは5級から下の子供でもできる難度の低いもの。そっちの方はたくさん貼ってあったからいくつか選んで受けようと思う。

 受付のお姉さんは、確か……私は、6級からのスタートで、ひとつ上の5級まで受けられるって言ってたわね。級が上がればひとつ上〜2つ下の級まで受けられるって話だけど、そうなるまでには数をこなして等級を上げないとね。

 さて。魔法がいっぱい使えそうなのは戦闘系の討伐依頼ね。できそうなものはあるかしら。



「あれっ、キュリアじゃん」

「どうしたんですか?」



 アンリ先輩とマティアス先輩だ。

 彼らもギルドメンバー登録をしているみたい。話を聞くと、彼らは主に採集の依頼をこなしていて、少しだけ余分に採取した薬草を部屋で育て研究しているのだという。

 私は討伐依頼を受けたかったけど、初心者が一人で討伐は厳しい、と先輩からの助言を頂いたので、(先輩からのお言葉はとりあえず聞くわ。従うかどうかは別として。)彼らと一緒に採集依頼をすることにした。私の場合は薬草より魔法。今回は先輩達と組んで、私が初めての依頼ということ、私の魔法を使いたいという希望に合わせて、薬草採取の依頼を受けていただくことに。採集中に魔物が出たら全力の魔法で蹴散らしてあげるわね。

 そんなわけで、しばらくは先輩達とパーティーを組んで魔法の経験値を上げることにした。

 キュリア、目標のために遂に動き出します。


今回も読んで頂きありがとうございました。

次回、3月! 第2土曜0:00!

2月って早いですね。


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