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魔導学生キュリアの日記  作者: 風雅雪夜
1年生
15/30

4/22

楽しい魔法の時間。

防御系の魔法を習います。


今年初の投稿です。今年もよろしくお願いします。

 天気もいい学期末&7年生の卒業試験も終わったこの日、今日も無属性の魔法を新しく覚える。空間魔法で結界の魔法だ。今日は簡単な方、盾の方を習得する、という話だ。

 外の演習場の一角で先生と二人今日も学んでいくわ。



(クリーペウス)。指定した空間の魔素を固めて攻撃を防ぐ魔法だ。結界(オービチェ)は全方位包囲型の魔素の盾で、盾の上位魔法。火、水、風、土の物理型の属性にも、光、闇の概念型の属性にも対応できる。光属性の魔法を重ねがけして広範囲の浄化をしたり、闇属性を重ねがけして気づかぬうちに相手を呪うこともできる」

「でも、全方位包囲型だから、局所的な盾に比べると魔力がたくさん必要、ってことよね?」

「そうだ。わかってきたじゃないか」



 先生が褒めてくれるのでちょっと得意げになっちゃうわ。先生から魔法を教わってそろそろ半年経つんだもの。無属性の魔法をいくつか使ってみて色々気づいたわ。



「今日はまず、基本の盾をマスターしてもらう。一般的なまっすぐ突っ込んでくる攻撃なら、これで対応は十分だ」



 まず、先生がお手本で盾を唱える。右の手のひらを正面に向けて唱えると、基本の白い魔方陣が手のひらサイズで展開されている。この右手の向いている方向に盾が展開されている、ということで、手を動かすと微かにブォンという風を切る音がした。目には見えないけど確実にそこにある。

 盾自体を触ってみると、先生をすっぽりと覆うくらいの高さと幅、厚さが1〜2センチの本くらいの何かがそこに存在してるのがわかった。魔素が集まって固まっているのだ。ただ、重さを感じないのはどういう理屈なのかしら。


 どんな感じなのか、お手本を見せて体験させてくれる。先生は守る側、攻撃は先生のイメートが行う。

 このイメートっていう魔法生物は自分で作るんだって。一つとして同じものがない自分だけのオリジナルの魔法生物だから、私も持ってみたいわ。


 閑話休題(ゴホンゴホン)

 先生のイメートはフクロウ。無属性を持つので、どんな属性でも使える。全ての属性での検証ができるのは勉強になるわね。

 盾めがけて突進してくる。まずは突いたり、翼で打ったりする打撃。何もない見えない壁に当たっては弾き返されている。斬撃や打撃に対して完全に防ぐことが検証された。


 次は魔法だ。

 火属性でコーティングしたフクロウが突っ込んでくる。これも同じように弾き返している。火の玉で攻撃してきたり、攻撃方法を変えてきても防ぐ。

 水も、風も、土も、光の矢も、闇の影による斬撃も防いだ。ただ、これらは全て正面から。もし、全方位から取り囲まれるような攻撃のされ方をしたら盾では防げないことは注意しておかなきゃいけない。だからこそ結界の魔法が必要になる。

 例えば、大量の水に飲み込まれてしまうような状況とか。結界の、全方位からの攻撃を防ぐための魔法だけでいいような気もするけど、それじゃ駄目なのかしら? 盾って必要?



「先生、どうして盾と結界、同じような役割なのに2つもあるのでしょうか? 結界で事足りると思うけど……」

「確かに。しかし、生まれたものにはその理由がある。魔法も人も、だ」



 生まれた理由。同じようなものが2つ以上ある場合、それらは何が違うだろう。それには無くて、あれには有る特徴や性質がある。

 ガラスのグラスに例えてみよう。ワイングラスや色のついたグラス、更にカッティングが施されたグラスなど、ガラスのグラスでも大きく違う。それと同じことが盾と結界でもあるのだとすれば……。



「どちらが先に生まれたかは兎も角、今は考えないものとして……。使う魔力の量にも違いがあるでしょうし、範囲にも違いが出る。そして、多分だけど、結界って、もしかして移動できないんじゃないかしら? 今まで習ってきた無属性って範囲を指定して発動させるって感じだったし。だから、自分の立っているその場所、土地に固定させるのが結界なのよ。盾は手を動かすと手の方向に動いたから手に固定、持っているみたいに発動するんじゃないかしら」



 先生が小さくふむ、と声を出す。

 盾を解除してツカツカと歩きだして風魔法で体を浮かせた。そして自分の周りを覆うように球状の盾、いや、全方位だから結界だ、結界を作っている。そして、その結界ごと風に吹かれて動いている。あれ、普通に動ける?



「間違ってはいない。結界は自分がいる場所を起点に作れば固定されるし、自分自身を起点にすればこのように動ける。盾は自分の手を起点にしている。何を起点にするか、が魔法の自由度を上げる」



 なるほど。起点をどこに設定するか、か。なら、離れた位置にいる仲間をとっさに守る為には、仲間を起点に発動させるってことね。起点でかなり応用が効きそう。

 いつか、仲間と一緒に戦うなんて場面では、かなり役立ちそう。自分も仲間も守れそう。体制を立て直すのにも使えるだろうし、敵の動きを封じるなんて使い方だってできそう。



「盾と結界は魔素の量で壁の厚さが変わる。魔素を込めれば込めただけ壁が厚くなり強度が増す。ただし、盾は前方からの攻撃に特化している。例えば、盾の魔力に10使って強度が10の物を作ったとする。その量で結界を作るなら大きさにも寄るが、お前の体の大きさなら……頑張っても強度は6か7だな」






盾と結界の魔力量と強度


     |  盾   |   結界

――――――――――――――――――――――――――――――

 範囲  | 狭・前方 | 全方位包囲方

使用魔力量|  少   |   大

 強度  |  高   |中〜大(魔力の量による)






 表にするとこんな感じかしら。どれをどう使うか、魔力の量とか、攻撃の種類とか、適切に使えれば魔力の消費も少なく済みそう。もっと魔法を学んで、どちらで防御するか見極めるやつね。



「困ったら無理に使うより、各属性の盾魔法を使う方が簡単だ。魔力量も少なくて済む」

「それ、無属性の先生として、言っていいやつ?」

「無属性を含め、全ての属性を使える者として魔法を教えるのが私の仕事だと思っている。無属性の利点や欠点、全てを教えなければ困るのはお前だ」

「それもそうね。モノには向き不向きとか、メリット・デメリットがあるんだもの。間違った使い方は自分も周りも傷ついちゃうものね」

「そういうことだ」



 その後は実際に盾と結界を自分でも作ってみて、強度、魔力量で遊んでみたわ。魔法を使いすぎて部屋がちょっと大変なことになったけど、二人でちゃんと直したわ。びしょ濡れ、焦げ、陥没や切り刻んだ跡……うん、ちょっとやりすぎたわね。




 案の定、学校から『攻撃や防衛の魔法演習は屋外の演習場を使ってくれ』と、ご注意が来た。

同じようなものでも意味や用途が違う。伝えるニュアンスが違ったり、効果が違ったり。それらは個性や特性として見たり、使い分けたりするの、私は楽しいので好きです。


次回、第4土曜日0:00更新です。

今回も読んでいただき、ありがとうございました。

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