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この異世界は物足りない  作者: VRクロエ
魔王城の住民編
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城でパーティ2

更新遅くてごめんなさい……。新しい職場で経験の無い仕事を始めたので疲労で書くのが遅くなってしまっています><

全く書いていない訳では無く、仕事が終わってから布団に倒れるまで少しづつ書いているので、更新されない心配は無いので安心してください!

 知り合いを探してウロウロしていると、大勢の貴族に話しかけられているアノンを発見した。

 勇者としての役目が終わったとはいえ、称号も肩書も健在で、様々な場所に赴いては魔獣の被害などで困っている人を助けているアノンは、その強さも相まって未だに国家間では重要人物として扱われている。

 その為、こういった貴族なんかが多く集まる場でも、やはり注目されるのだ。


 沢山の貴族の間に割って入るのは、普通の奴であれば難しいのだが、俺には関係ない。

 久しぶりにアノンと話すために退いていただくとしよう。


「アノン、久しぶりだな。楽しんでるか?」

「ヨゾラ先輩! あっ……ヨゾラ陛下」

「やめろやめろ気持ち悪い。別にいつも通りでいいだろ。……俺とアノンは友人なんだ、気にしないでくれ」


 周りに貴族がいるということで呼び方を正したみたいだが、気持ち悪くてしょうがなかった。

 アノンが気にしなくていいように、近くにいた貴族たちに声を掛けると、皆首を縦に振って何処かへ去って行った。

 これでアノンも気兼ねなく話せるだろう。

 最後に会ったのはかなり前のことになるので、話すこともそれなりに多そうだし、気を遣ってくれた貴族達には感謝したいところだ。


「最近はどうだ?」

「変わらずって感じです。魔獣の数を何処かで減らしてもまた別の場所で別の魔獣による被害が出ますから……まあ魔獣を沢山倒しているお陰でレベルだけはどんどん高くなっていますけどね。今だったらヨゾラ先輩にも圧勝出来ちゃうかもしれません」

「お、随分と言うようになったな。後輩相手に簡単に負けてやるつもりはないぞ?」


 色々なところに行って、魔獣と戦っていることもあり、かなり自信がついてきたみたいだ。

 元々性格的にアノンは卑屈気味だったので、自信がついてくることはいい影響だと個人的には思う。力の使い方が人助けの為ということも考えれば、変な方向に進むことも無さそうだ。

 まあ、優しいアノンが故意に誰かを傷つけるとはそもそも思ってないけどな。


「強くなったからって無茶してヘマはするなよ?」

「ふふっ、気を付けます。でももし私が困ったらヨゾラ先輩が助けてくださいね?」

「まあそうだな……大体いつでも暇にしてるから俺でもいいしセラフィもいいから、アノンがどうしようもない状況になる前に頼ってくれ」


 俺にはアノンの近状を知る術が殆ど無い。フロディス辺りに聞けば何をしているかくらいは教えてくれるだろうが、そのやり取りをするにもそれなりの時間差が生まれてしまうし、何かと戦いに行くという状況であれば、そんな時間差で貰った情報ではあまり意味が無い。

 なので、もし強い魔獣や、敵が人間の場合も遠慮なく頼ってほしいものだ。もしアノンになにかあったら悲しいでは済まない。

 やはり、俺はアノンのことをかなり大切な相手だと認識しているみたいだ。


 そんなことを思い改めてアノンを見る。

 デザインは白を基調とした一般的なドレスだ。前はおどおどしており、顔もうつむきがちだったのだが、今は堂々としているので、勇者のしての貫禄と言うか、立ち振る舞いは貴族だと言われても信じるくらいだ。

 こういった場でもしっかりと華やかさを強調できており、元々美少女だということもあって、アノンに視線を向けている男もかなりの数がいるのが、周囲を見て確認できる。


「アノンも色んなとこに行って話し掛けられる機会も多いだろ? 恋人とか好きな相手ってのはできたのか?」

「え……恋人ですか?」

「ああ。アノンは可愛いし、言い寄ってくる奴も結構いるだろ? だったら恋人がいてもおかしくないし、好きな奴がいてもおかしくないだろ?」

「えっと、その……恋人はいませんが、す、好きな人は……います」


 顔を赤らめて恥ずかしそうにアノンは言う。その反応を見る感じ本当の事みたいだ。


「ちなみに俺も知ってる奴か?」

「は、はい……知ってる、という言い方は変ですが、まあ知っている人、です」


 ふむ、俺も知っている奴か……俺の知り合いで男と言うと、セシルとかロニ辺りだ。

 他にはビャクとかの線もありそうだが、あまりアノンとの関わりは無いし、多分違うだろう。

 正直かなり気になるが、あまり無理に聞き出してアノンに嫌われたくは無いので、この話題はここまでにしよう。


「まあ、なんだ……頑張れよ」

「はいっ! 絶対に諦める気はありませんので」


 ここまで言うということは本気も本気のようだ。何も思わないこともないが、相当変な奴だったりしない限りは応援してやろう。


「そういえば、ノーヴィストにはいつまでいるつもりなんだ?」

「いつまでかは分からないですが、しばらくはいると思いますよ。と、いうのも、私は今回アマリリス様の護衛も含めて来ているので、アマリリス様次第ですかね」

「リリスに護衛とか本当に必要なのか?」

「あら? わたくしも乙女なのですから、勇者様に守ってもらいたいと思っても不思議じゃないんじゃないかしら?」


 丁度噂をしていると、リリスがこちらにやってきた。

 リリスの元にも結構な数の貴族が集まっていたと思うのだが、振り払ってきたのだろうか? まあリリスも性格的には貴族なんかと面倒な会話をするのは嫌いそうではある。


「リリスは別に守ってもらわなくても大抵のことは自分でどうにかできるだろ」

「個人ではどうにか出来ない場合も多いわよ。ましてやノーヴィストは最難関と言われてる秘境と隣接してるし、強い魔獣がそれなりの数で現れたら勝てないわ。個人でどうにか出来るようになるには、それこそアノンくらい強くないと」

「そうですよヨゾラ先輩! 果ての秘境は英傑ですら安易に踏み込まないレベルなんですから」


 思っていたよりも強い反論が来て何も言えなかった。


「前も言ってたが、やっぱりリリスから見てもアノンは強いんだな」

「そりゃ強いわよ。ヨゾラと戦うまでは、アノンが唯一絶対に勝てないと思っていた相手だもの。まあわたくしも英傑達を全員知っている訳では無いし、英傑の中でも最も強いと言われる人物に関しては見たこともないしね」

「そうなのか? アノンは?」

「私も見たことはありません。ですが……他の英傑の方々と比べても頭一つ抜けて強いと聞いています」

「現在は消息も絶っていて、何処にいるかも分からないらしいわよ」


 アノンはまだしも、皇族であるリリスでも現在の居場所を知らないのは驚いた。それ程の噂にもなっている人物であれば、相応の存在感がありそうだし、目撃情報もありそうなものだが、もしかしたら意図的に人目に付かないように動いているのかもしれない。

 仮にそうだとしたら、何故そうしているのかは予想出来ないが、それ程の奴が何かの目的に基づいて動いているなら、少しだけ頭に留めて警戒しておいた方がいいかもしれないな。


「まあ英傑達は殆どが貴族達に雇われて働いてるみたいだし、知らないだけの可能性もあるけどね」


 英傑達が生まれてきた理由としては、この世界に獣人が現れて人間との戦争が始まったことが起因となっている。そのため戦争が終わってしまえば、戦争中に比べて英傑達の存在意義も薄まってしまい、居場所がなくなることを懸念していたが、まだ共通の脅威として魔獣は残っているので、貴族達が上手く運用してくれているみたいだ。

 アノンも楽になるだろうから、是非とも英傑達には頑張ってほしい。


「そういえば、ロニとフーシーは?」

「あの2人でしたら、冒険者として活躍してるみたいですよ! 色々な秘境に行ったりしてるみたいで、とっても楽しそうです! 私の魔獣討伐にも偶に同行してくれているので助かってます」

「元気にやってるならよかったよ。今回のパーティにも来れたら良かったんだが、まあまたそのうち会えるだろ。そうだリリス、ノーヴィストにはどのくらい滞在するんだ?」

「そうね……満足するまではいるつもりよ! 距離的に滅多に来れないし、隅々まで見ていくわ!」


 皇族としてそれはどうなんだというほど自由だ……まあアノンもそれを聞いて嬉しそうにしているので、細かいことに対するツッコミはしないでおこう。


「ヨゾラも暇な時は案内してよね」

「ああ、別にいつでも暇だからいいぞ。何なら俺を呼びに来るのも手間だろうから城に泊まってくか?」

「いいの!? やった!」

「いいんですかヨゾラ先輩?」

「別に構わないさ、住んでる奴もそんなに多くないしな。それにアノンは来るのも初めてじゃないから、迷ったりすることもないだろ」

「ヨゾラ先輩、それはちょっと意地悪です……」

「あははっ、悪かった。まあ城だが俺んちだからさ、気負わずにゆっくりしてってくれよ」


 使用人達にはビャクやサクラが上手く説明して、2人があまり気を遣わないで済むように気遣ってくれるはずだ。

 部屋自体は大量に余っているので好きな部屋を選んでくれればいい。


「でもまさか勇者が魔王の城でお世話になる日が来るとはね……」

「皇女であるアマリリス様もあまり言えないのでは?」

「わたくしはいいのよ! 外交で済まされるもの。ま、これも平和の証明よね!」

「そうですね」


 2人は楽しそうに笑い合っている。どうやら守る者と守られる者という関係だけではなく、仲も良さそうだ。前に模擬戦もしたことがあると聞いているし、結構な頻度で会っているのかもしれないな。


「それじゃあ魔王様をいつまでもわたくし達が捕まえているわけにもいかないから失礼するわね」

「ヨゾラ先輩、それではまた後で」

「ああ、2人共楽しんでいってくれ」


 アノンとリリスは今度はサクラの方に向かって行った。


「……ビャク」

「はい、使用人たちには通達しておきます。ヨゾラ様は引き続きパーティをお楽しみください」


 相変わらず話が早くて助かる。


 その辺のことはビャクに任せることにして、俺は次に話しに行く奴の元に向かった。

自由な女神「アノンちゃんは勇者として頑張ってるんだね! これからも、無理のない範囲で頑張ってほしいよ!」

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― 新着の感想 ―
[一言] ヨゾラ、鈍感(笑) まぁ自分の気持ちもわかってないし仕方ないんでしょうねぇ。 セラフィもそろそろヨゾラのモテっぷりに危機感(?)出てきてるみたいだし、いいかげん向き合わなきゃですねー。
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