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ビャクと精霊祭

 精霊祭もいよいよ残り日数が少なくなってきた。

 当然のことながら、日が経つにつれて人も増えてきて、自然豊かな聖都もそれに反して、帝国のような賑わいを見せている。


 人が多く、歩きにくいのも祭りの特徴であり、そこに対して大きな文句を言ったりは無しない。

 それは、俺の隣を歩く奴もそうで、人混みに晒されながらも、顔色一つ変えることはなかった。


 できるノーヴィストの総括ビャクは、もはやいないと国が回らなくなるのではないかという程優秀で、頼れる俺の右腕のようなものだ。

 大体何を頼んでも対応してくれるし、俺も色々と仕事を投げてしまうので、普段はかなり忙しいはずだ。

 そんなビャクがこうしてしばらく国を空けることができるのも、どんどん人材が育ってきた証拠であり、頼もしく思う。


「どうだ? 息抜きはしっかりとできてるか?」

「はい、最近ではこうして娯楽目的で何処かへ行くということは無かったので、良い息抜きとなってます。それに学べることも多いので、楽しいですね」

「学ぶことが多いってことは、ビャクの中ではノーヴィストでも祭りみたいなのを開催したいと思ってたって感じか?」

「他国からの参加者が多い祭りは経済的な意味でも、民の活性化という意味でも、かなり良い効果が見込めますので、考えてはおりました」


 和平を結んでからノーヴィストに訪れる者が増えたとはいえ、決して多いとはいえない。祭りを行うことによって、訪れる者が増えれば、確かに経済的にも潤うだろう。

 それに、獣人と人間は戦争をしていたこともあり、獣人は祭りという文化を知らないし、まだまだ閉鎖的だということも拭えない。その部分が祭りをきっかけに改善できれば、更に賑わいをみせる国にできるはずだ。


「何か特産品みたいなのも、作ってみたりするといいかもな」

「そうですね。我が国の強みといえば、秘境の貴重な素材等ですが、現在の需要ですと、武具などといった色が強いので、それらの素材を用いてもう少し一般的な物を作成できると人気が出るかもしれません」

「食べ物はどうだ?」

「そちらも秘境に群生する珍しい果物や、秘境にのみ生息する魔獣を使った料理で十分な付加価値があるので、専門に取り扱う飲食店を作れば人気が出るかと」


 こうして聞いていると、秘境の一部が国となっているノーヴィストは、立地的にはかなり良いのだろう。

 まあ、それも秘境の魔獣に脅かされない強さを持つ者がそれなりにいるからこそ成り立っているので、他の国でこの立地を活かしきれるかどうかは別の話だが……

 ノーヴィストでも秘境の最奥まで踏み込めるのは、俺やセラフィ―くらいなもので、ビャクもギリギリいけそうだが、サクラですら長時間の滞在はキツイ。帝国騎士という戦力を抱えるグラヴィウスや聖女がいるスプリトゥスでも秘境の中層を多少探索するのが現界のはずだ。

 万が一、秘境から大量に魔獣が流れてきた場合などを考えれば、とても対処できるとは思えない。防衛という意味だけならば大規模な魔法の発動ができるレジケルが最も適切だろう。

 いずれにせよ、秘境を最大限活かせるのはノーヴィストだけなのだ。


「帰ったら本格的に色々と考えてみるか」

「ふふっ、今から楽しみです」


 こういう話をしている時のビャクは表情こそそれほど変わらないものの、楽しそうにする。

 サクラもそうだが、俺やセラフィー、それに国のこととなると、何よりもやる気を出して楽しそうになんでもやるのだ。

 本当に、支えられているのだと自覚する。だからこそ、いざという時や、こうした息抜きの時は存分に付き合ってやりたくなるのだ。

 普段、ビャクと2人で話すことはあっても、こうして娯楽目的で出掛けることは初めてだ。

 この貴重な機会に、ビャクと普段とは違う気持ちで話を出来るのはとても楽しかった。



自由な女神「ビャク君は本当に頼りになる子だよね~ これからもヨゾラ君を支えていってほしいと思ってるよ!」

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