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後悔と共に オルドルの手記

 後悔と共に 


 片角羊が考えている。弟子に金色の小鳥を任せて考えている。一人で過去に思いを馳せている。


 片角羊が数年前の手記にふれる。


 片角羊は、先代番犬に孫の命を預けた。片角羊の願いは確かにかない、先代番犬は記憶を失った。


 片角羊は……いや違うだろう。ここでは、この日の光さえ入らない地下では。 


 オルドルは後悔と共に手記を開く。

 先代番犬は、オルドルにとって大切な者の一人だったのだ。




 オルドルの手記


 頼りない蝋燭の炎だけが、この場所を照らしている。


 儂は願いを叶えるため、彼を地下に呼び出した。


 孫より少し年上の彼は、儂からの信頼の証、片角羊のタグを首にさげている。


 儂らは未来を。

 この行き過ぎた理想郷を変える。


 現在の儂らにできることは、儂の孫のクローン個体の中でも、感情を持ち得た者を逃すことのみ。


 この世界は行き過ぎたのだ。

 クローン達は、儂らと同じ生き物。

 感情を持ち得る者だという事を忘れてしまっている。


 この理想郷も歪な部分がすでにある。

 しかしこれ以上の歪みは、理想郷の崩壊を招くだろう。

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