子犬 迷子 太陽
子犬
小さな少年が野原をかけていた。
少年は少女のように、黒い伸ばした髪を風に遊ばせている。
それは、子犬が自身の尻尾を追いかける様に似ていた。
「リベルテ!あんまり遠くに行かないでね」
少年の母親の声が、微かに風に乗って聞こえてきた。
「はーい!」
少年は振り帰ることもなく、いつも通りに手を振った。
迷子
「どうしよう。母さんに怒られちゃうよ」
森の中で少年リベルテは迷子になっていた。どこを見ても草木があるだけ。
「高いところに行けば、草原が見えるかな?」
幼い少年には、川を探すという発想がなかった。
ありあまる体力で、リベルテはどんどん山の頂上に向かっていく。
山頂にたどりついたリベルテは、草原を見渡せる場所についた。
「わー!すごい。草原が小さい」
リベルテは両手を上げながら喜んでいる。
リベルテの家に赤い屋根は、草原の中でもよく目立つ。リベルテが帰る目印にちょうど良いのだ。
「よかったぁ。お家が見えるよ……」
少年は安堵のため息をつくと、家に向かって走り始めた。
太陽
その日。少年リベルテは、はじめての留守番をしていた。
リベルテの母親は、今朝から山に出かけている。
「早く帰ってこないかな」
リベルテは日差しを浴びて、目の下をこすった。
「なんだか、すごく眠いや……」
数分もしないうちに、静かな寝息が聞こえてくる。
「もう食べられないよ……」
リベルテは寝言を呟きながら、太陽が雲に隠れるまで眠り続けた。




