灰色狼と人工洞窟
リベルテと俺は洞窟についた。洞窟は人工的な材質だ。俺の前にいるリベルテは、驚いて足を止めている。本当にリベルテは、洞窟のことを忘れたのか……。
「リベルテは少年と暮していた。この洞窟の中で」
「こんな怪しい場所でか?」
「……少年にはそう聞いている」
確かにこの場所は、怪しい雰囲気がある。しかし、狼としての第六感は安全な場所だといっている。
「俺が先に行こう。リベルテはついてきてくれ」
リベルテと俺は巣窟の中に入った。洞窟の壁は四角く掘られ、ヒビ割れた箇所からは、草や木が人工の光に向かって伸びている。
「サンドル。明るくなってきたな」
「……洞窟の中心部、そこの天井に穴が空いているんだ」
俺は洞窟の天井を指差しながら言った。天井から、太陽の光が降り注いでいる。光の先には、いくつかの古い家が見える。そのうちの一つ、比較的新しい家の庭に黄色い花が咲いていた。
「あそこの家、花の色が一緒だな。もしかして、俺を待ってるやつの家?」
「そうだ。あそこに少年がいる。……そういえば、少年の名前を知らないな」
「うおぅ。マジか、どうやって合えばいんだ。名前のこと聞かれたら、一発でバレるぜ」
どうすればいいのか。狼どうしで考えたが、いい案が思いつかない。悩んでいるうちに、家の扉が開いた。




