灰色狼の仲間は一人
「サンドル。起きようぜ」
誰かが俺を呼んでいる。もう少しだけ寝かせてほしい。久しぶりによく眠れているんだ。……そうだ、この匂いはっ!
「リベルテ!」
「あだぁ!?」
俺とリベルテの額がぶつかりあった。さすがは狼どうし、俺の額も痛い。
「……てぇ。大丈夫かサンドル?」
「俺は問題ない。リベルテの方が痛いだろう……」
石頭の俺は、すぐに額の痛みが消えた。リベルテはまだ痛そうだ。無理もないだろう。狼どうしでも違いはある。
「……白髪の少年が、洞窟で待っている。一度顔を見せに戻ろう」
「そうだな!一回もどるか。なぁ、サンドルもくるだろ?」
「あぁ。もちろんさ」
何の迷いもなく、俺を誘ってくれるリベルテ。なんだか、温かな気持ちになる。
俺とリベルテは木から降りる。時刻は夜になった。俺が見守る中。青年とリベルテが話し合っている。
「じゃあ、またなっ!」
「また、会いましょう!」
青年と視線が合う。俺が頷くと、青年も返してくれた。優しい人間の青年だった。
青年の家を出ると、リベルテが困った顔をしていった。
「……道わかんねぇ」
「リベルテは迷子だったな」
白髪の少年が言っていた。リベルテはすぐ迷子になるらしい。だから俺は、ちゃんと地図を用意してきたんだ。俺はリベルテに地図をわたす。
「今俺たちがいるのは地図の中心。ここから真っ直ぐ北に向かうと、少年のいる洞窟につく」
「……この国の科学。転移門で一気に帰れねぇか?」
俺はリベルテの提案に頷く。リベルテには待っている少年がいる。気が急ぐのは自然なこと。リベルテの仲間は俺だけじゃない。
「転移門はこの国の中心部。一番高いビルの前だ」




