分岐点
中学2年生の夏、私にとって刺激的な時間を過ごす事になる。 それは一本の電波から始まるのだが終業式が終わり家に帰った時何気なく携帯を見たら親友からの連絡があった。かけ直してみると1ヶ月間仕事をしないかと言う内容だった。なんでもお父さんの経営している会社でお手伝いだと言う。
私はその場で返事をして2日後からスタートした。
人生ではじめての「労働」だ。
朝の6時半に迎えに来るといい当日はトラックで迎えがきた、トラックの上には何やら鉄の棒、鉄の板が山積みにされていた。そう、友達のお父さんは鳶職の親方だったのだ。
今となってはすごい経験だが一般家庭の一軒家の時だけお手伝いで来るようになり、中学生の私にとってはかなりキツイものだった。 真夏の高気温に太陽に焼けた鉄の材料、多少体力には自信はあったが比べ物にならないくらい面食らったのを覚えている。それでも年齢が年齢なので絶対足場の上には上がらず下から親方に材料渡す作業なのでなんとか1ヶ月乗り切った。そして仕事が終わる最終日その日は作業内容の事情で昼ぐらいに終わったのだがその日の夜親友とそのお父さんとの3人で焼肉をご馳走になった。 しかもそこそこ値段の張るところだった。そこでお給料をもらうのだが金額は17.8万ぐらいだった、正直無知なところもあり2.3万ぐらいのお給料を想像しており、親にお小遣いちょうだいって言ったら2千円ぐらいしかもらえなかった自分にとっては衝撃的だった。
これが労働という奴か、、、
さらにそこの焼肉屋さんのお会計の時、7万円ぐらいのお会計を見たときはすごくびっくりし、しかもそれを現金でスッと払う親友のお父さんを見て凄くカッコいいとも思った。そしてその日以来私はただ漠然とこういう大人になりたいとも思うようになった。
そして夏休み後半周りの同級生が意識し始める受験勉強が始まる。