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向こうへ
*向こうへ*
屋根越しに
空を見ていた
あの空の向こうへ
あの雲の彼方へ
いつか行けたらと思いながら
いつも空を見ていた
ある日
屋根に登った
あの空の向こうに
あの雲の彼方に
きっとすこしだけ
近付けると思ったんだ
屋根の向こうには
また屋根があった
連なる屋根の群れは
遠く遥かに続いて
あの空の向こうへ
あの雲の彼方へ
いつか行けたらと思いながら
今日も目の前の屋根に登る
ねえ
世界の反対側に行った君に
少しは近付けたかな?
*遠い青*
青々と延々と
空は続く
手を伸ばせば触れられるほど
青はすぐ近くにあるのに
触れた瞬間
触れていないことに気付く
宙を求めた手は
空しく振り下ろされて
遠く遠く
高い空
どこまで背を伸ばせば
掴むことができるのかな
あと一回
もう一回
何度高く跳んでも
澄んだ青は
遠く
遠く
脳裏に焼きつく
君の優しい苦笑いが
疲れ果てた両膝を
すとんと地面に落とさせた
青々と
延々と
肩で息をしながら仰いだ空は
苦しいほどに澄んでいて
あの日の空に溶けた君の笑顔が
今ではもう果てしなく遠いことを
否応無しに実感させる
青々と
延々と
空は続く
晴れすぎた空に
君のさよならが聞こえた
僕は座り込んだまま
そっと両の手を組んで
泣いた




