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ひと
*ひと*
どうして ひとは
きずつき
ぼろぼろに なっても
そのてを そらに
のばしつづけるんだろか
どうして ひとは
こんなにも
ぶきようで あいまいで
つたわりにくいことば かかえ
ひたすらあゆむんだろか
どうして ひとは
こごえるよるを
そっとてらす ともしびのよな
ちいさなぬくもりを
だれかにあたえることが
できるんだろか
*やみのあかりうた*
らららん
うたうの
いつになっても
きりなんて
はれやしないわ
らららん
うたうの
はれないきりを
うけいれるためのうた
はらすためじゃなく
はれないことをうけいれて
すこしだけはらすためのうた
らららん
うたうの
やみからうまれた
ひとしずくの
あかりのうた
ちっぽけなじぶんを
おいつめて
おいつめて
おいつめて
──そうね
ちょっとだけ
ゆるすの
*安寧乞うる民の灯火は*
降りや
言の葉
はるかな月光
静けき宵に
我は願わん
汝は我が身もて
汝を詠い給いて
宴の杯は
星の煌めきに揺れる
今宵
風凪ぎの舞いを
今宵
安寧の唄を
降りや
言の葉
はるかな月光
静けき宵に
我ら願わん──




