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掌編小説集3 (101話~150話)

土産

作者: 蹴沢缶九郎

見た目が地球人にそっくりなラッド星人が、地球人の生態調査を終え、結果を仲間達に報告した。


「我々には及ばずとも、地球人達は比較的高度な文明を持っていた。中には粗雑な輩も存在するが、大体は友好的な宇宙人と判断して良いだろう。それで、特に驚いたのは彼らの発達した食文化だ。そこに関しては我々より遥か先を行っているのは間違いないだろう。」


「ふむ、それは興味深い。是非聞かせてくれ。」


「例えばカレーという食べ物。この食べ物の味は彼らの言葉で辛いと表現するのだが、実は辛いとは痛覚なのだ。」


「なに!? 地球人とは痛覚で味わうのか!?」


「カレーは特別そういう事らしい。しかしこれが不思議と美味しいんだ。あとはケーキという食べ物、これは甘いと表現し、様々な果実を乗せて…」


「待て待て、話だけ聞いていても腹が減るだけだ。カレーもケーキも食べたくなってきたぞ。」


「そう言うと思って地球の食べ物を土産として持って帰ってきた。カレーやケーキではないが食べてみてくれ。これも美味しい食べ物なんだ。」


ラッド星人は地球から持ち帰った土産を仲間に渡した。しかし、受け取った土産を見た途端にラッド星人は怒りだした。


「おい、お前土産を食べたな!! 仲間に食べ掛けを渡すとはどういう事だ!!」


そう言うと、仲間のラッド星人はドーナツの中心を指差したのだった。

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