表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
影(シャドー)を制する英雄  作者: リョウ
第1章 〜影世界〜
4/137

異世界の規則(ルール)

 ミカエルは、右手を差し出した。

 タクトはそれに応えるようにその手を握り返した。


「おれは三上タクト。タクトって呼んでくれ」


 軽く自己紹介をした。


「それじゃあ、この世界についてね。この世界は、元々タクトが生きていた世界の裏側で、影のような存在なの。だから影世界(シャドーワールド)って呼ばれてる。それに対して向こう側―タクトが元々いた世界―は光世界(ライトワールド)って言うの。由来は、影は光がないとできないからっていうことよ」


「へぇー、それで影世界か……」


 タクトは、頷きながら呟いた。

 その呟き応えるかのようにミカエルはうん、と応え続けた。


「それでね、この世界はレベル制なの」


「はぁ!? レベル制!?」


 タクトは、思わず声を裏返した。

 ミカエルは少し困った顔を浮かべながら


「この世界には約1万人の人が住んでるの。それでその人たちを倒すことでレベルが上がるの。

そして、経験値的なものはこの"多機能性レベリング測定器"が管理してくれるわ」


 と説明した。

 そして、ミカエルはタクトの目の前に大きな腕時計のような形をした多機能性レベリング測定器を出して渡した。

 そしてまた説明を再開する。


「その画面上に後何人倒すと何レベになるかという表示がされて、上限レベル100に達すると私と戦う権利が与えられ、勝利するとライトワールドで脳死状態から回復し覚醒することができるの」


 ここまで言い終えるとふぅーと、ながいため息をつく。


「要するに、戦って勝ってレベル100にして貴女(あんた)に勝てばいいんだな?」


 タクトは、確認の意を込め真剣な眼差しで訊いた。


「簡単に言えば、そう言う事だね。

あと、私のことは"ミカエル"でいいよ」


 苦笑しながらそう応えた。


「わかった! でも、倒すってどうするんだ?」


 タクトは、素朴な質問をした。


「消滅させるの」


 ミカエルは、当然のことを言うようにサラッと答えた。


「いやいや! 殺しなんてできねぇーよ!」


 慌ててタクトは言う。


 するとミカエルはにこっとして、


「本当には殺さないよ。1時間のデスペナルティがあるだけでその場で1時間後に復活する。

でも、平日の対人戦で負けると2レベル下がって、対モンスター戦で負けると1レベル下がるの。レベルアップに必要な討伐数は、その時のレベルによって変わるから気をつけてネ」


「モ、モンスターいんのかよ……。それにレベルダウンも有りか……」


 表情を歪めながらタクトは呟いた。

 ミカエルはそれを意にも介せず、


「週末にはバトルロワイヤルというデスペナルティ有り、レベルアップ有り、レベルダウン無しの対人戦イベント的なものがあるよ」


 と説明した。

 タクトは、ただ黙って聞くことしかできなかった。


「あとー、最後に豆知識! レベル0になるとライトワールドでの心臓の動きが停止して死んでしまいます。あと、血は出ない仕組みとなっています。

それと自分の武器等所持品の所有者キープ時間は最後に触ってから1時間30分がリミットです。

 また自分の家等を手に入れると、その中でなら所有者キープ時間は無限で攻撃されることはありません。

 最後にモンスターより対人戦のが経験値効率はいいですよー」


 小悪魔的な笑顔でそう言っているのを聞き終わると、タクトは白い光に包まれた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ