聴覚障害者の日常 〜お店で注文〜編
アタシの発音は、あまり悪くはないらしい。
意識しているわけではないけれど、他人と話すと声が裏返り、家族と話すと声は低くなるらしい。
イントネーションもあまりなく、平坦な話し方らしい。
例えば、同音異義語の『飴』や『雨』、『箸』や『端』のようにイントネーションがかわるものがあるが、アタシにはわからない。だから、そういう言葉も発音がフラットになっているんだそうだ。
でも、違和感なく話ができているので、聴覚障害に気づかないんじゃないか。
−−−以上が、家族がアタシの声について説明したことだ。
飲食店に入ると、少し、緊張がはいる。
注文するときに、言うだけならいいけれど、「確認させていただきます。」といわれても、こちらは相手の言っていることが正確には確認できないのだ。
そのために、よく違ったものがでてくる。
家族が、アタシの声は悪くない、といっているにも関わらず、数回は違ったものが出てくるのだ。
この前、セルフサービスタイプのうどん屋に入った。
「釜あげうどん、並、お願いします。」
と、いったつもりだが、でてきたのは、
『ワカメうどん』
違ったものが出されても、泣く泣くそのまま受けとるしかない。相手は確認して、こちらはわからなくても了解しているのだから…。
そんなわけで、なるべくセルフサービスの対面式ではなく、メニューを指差して確認できるようなお店を選ぶようにしている。
回転寿司でも、パネルで注文出来るようになっているし、飲食店もどんどんかわってきたなぁ。