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プルメリア国のお姫様



 ここはプルメリア国、海に面した自然豊かな土地の浜辺を1人の女の子が今日も元気に走り回っていた。

 波が引いた砂浜には、小さな足跡と、それを追うように2人分の女性の足跡がつく。

 

 女の子は平気な顔でシュミーズ一枚になると、海に飛び込み魚たちと泳ぐ。

 きっとマーメイドがいたらこんな感じなんだろうと想像させる泳ぎっぷりだ。

 

 波間から、プハっと顔を出すと、手には大きな巻き貝を2つ持ち、嬉しそうに言った。

「見て〜サザエよ! 焼いて食べましょ〜!」

「「はい!! 準備いたします!」」

「はい、みんなの分ね。もう一回行ってくるわ! 私も食べたいもの」

「え!いえ、私たちは……! フ、フローレンス様!」


 ザッパーン


「あぁ、行ってしまった」

「いつものことよ。さぁ、火の準備をしましょ」


 2人の侍女は慣れた手つきで波が届かない場所で薪を組み、魔法で火をつける。

 程よく火がつき始めると、折りたたみ式のテーブルと椅子が並べられ、飲み物も用意された。


「わ〜ありがとう。いつも素敵ね!」

 添えられた花を見つけると、髪をタオルで拭きながら侍女達にお礼を言った。

「うふふ。ほら、こんなにとっちゃった。網焼きにして食べると美味しいのよ!」

「フローレンス様、お着替えをしませんと」

「ええ〜ナンナ。食べたらもう一回泳ぎたいのに〜」

「フローレンス様。これから予定が入っておりまして、そうも言ってられないのです」

 と、背後から低い声が混じる。執事のジョセフだ。

「あら、ジョセフ。ジョセフの分もあるわ! よかった多めに取ってきて……。予定って何かしら?」

「フローレンス様、貝の準備はこちらでやりますので、あちらでシャワーをどうぞ」

「アンナ……わかったわ。仕方ないわね」


 渋々、簡易シャワー室に入ると、バケツの下に穴をあけ、ホースを接続しただけのシャワーを浴びる。このシャワーはフローレンスが考えたもので、シャワーを浴びながらつぶやく……。


「これで醤油があればな〜……」


 そう、彼女は転生者。

 この国の第2王女フローレンス・リア・アースキンとして生まれたのだ。現在7歳。

 今は禁止されているが、魔法も使える。

 魔力がありすぎて3歳の時、魔力暴走が体内で起き意識が昏倒した。

 どうにか意識がもどった時、以前日本で生活していた事も思い出した。


 そして、自分の名前が生前読んだ小説の中に登場していた事までも……。


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