驚いてみた
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マジックバックを新たに2個手に入れた所で盗賊ジョブもレベルMAXになり、アリサ達はボスマラソンを終了させダンジョンを出た。
もう野宿に飽きたと言うのが正直な所で、久しぶりにピスリッツの街に戻ったルリとアリサは街の雰囲気が変わっている事に驚いた。
明らかに目つきの悪い冒険者風の男達をあまり見かけなくなり、もうそれだけで街の風通しが良くなった様に感じていた。
「何だか窮屈さが無くなったと言うか、人口が減ったのかしら?」
街に入ってすぐにすれ違う人の数が少なくなっている様な気がして、アリサは誰にともなく尋ねていた。
「シオンが減らしたそうですよ」
ルリがシオンを軽く睨む様にして教えてくれた。
「どれだけ減らしたのよ」
「街から逃げ出した者達も多いのだろう」
シオンはそっぽを向く様にして興味無さそうに答えるのに対しアリサは呆れていた。
実際にその辺は興味が無いのだろうが、アリサにはシオンの本心が見えないので考えあぐねてしまう。
するといつの間にかシオンの前に跪く5人の男達が居る。
(いつの間に? まったく気付かなかったよ)
私が呆気に取られているとシオンは何故か胸を張る様にして頷く。
「支度が出来次第連絡する、その間情報収集を頼む」
シオンがそう言うと、目の前の男達は顔を上げる事も無くまたすぅっと姿を消したのだった。
「誰っ?!」
男達が消えた事で正気を取り戻したアリサは思わずシオンに聞いていた。
「あ奴らが今動いて貰っている我眷属だ。おまえもこれからよろしく頼む」
「眷属って・・・。普通に人間だったよ?」
「私が人間化させた。今回は天狗たちに手伝って貰っている」
なんて事も無いと言う風にするシオンを見ながらアリサは彼が本当に神獣なのだと改めて思うのだった。
「何か知らないけど支度があるんでしょう。待たせているなら急いだ方が良いわ」
「それじゃ頼む」
「って、私!?」
私が支度をするのだと知り、思わず叫ぶようにして自分を指さしてしまった。
聞けばこの大陸にある各国のオークションにドラゴン素材を出品するのだという。
「そういうのは早く言ってよ」
アリサは改めてマジックバックを急ぎ手に入れなくてはと誓い、その後今夜泊まる宿を探し3人で久しぶりに食堂での夕飯を楽しむのだった。
名前 アリサ
ジョブ 盗賊 10
レベル 33
HP 301
MP 283
力 229(+10)
素早さ 238(+25)
体力 218
魔力 228
運の良さ 551
固定スキル 鑑定 複製