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街の掃除をしてみた


スッキリさっぱりとしたせいか何故か興奮してしまい、折角の宿の寝心地の良いベットなのに寝られずにいた。

思えばこんなに寝心地の良い布団もこの世界に来て初めてだった事も理由の一つかもしれない。


布団の上で何度も寝返りを打っていたけれど、思い切って街の中の探索に出かける事にした。

所謂野外の樽や壺漁りだ。

あまり勇者の邪魔はしたくは無かったがここでは賢さの実と貴重なメダルが手に入る筈だと思い出した。


私としてはMPの実か体力の実を早めに手に入れたいところだったけれど、今は素早さと運の良さを上げるのを先決と考えているので焦る事はしないでいた。

しかし折角手に入ると分かっているなら是非手に入れておきたいと思ったのだ。


それから貴重なメダルは城下町の隠れた場所にそのメダルの蒐集家が居て、その集めた枚数に応じて貴重な武器や防具などと交換してくれると言うとても有難いアイテムだった。


もしこのメダルを複製する事ができたなら私は早速にその貴重な武器や防具を手に入れる事ができて、これからの冒険もとても有利に進める事ができるに違いない。


それに後になってまたこの国に戻って来るのも正直面倒くさい。


何しろ一度行った街へ気軽に転移出来ると言う魔法は勇者と魔法使いしか使えず、その魔法と同じ効果があると言いうアイテムは何気に高価で魔物がドロップする確率も結構低かった。

なのでなるべくならこの国で出来る事は今のうちに済ませておきたいと考えていた。


そうして賢さの実と貴重なメダルを手に入れ、メダルの複製ができるかと試みてみたけれど結果は無理だった。


私の勘ではあったけれど、多分後少しMPが足りないのだろうと言う感じの手ごたえはあった。

なのでもう少しレベルUPしMPが増えたらたらまた試してみようと思う。


一円玉より少し小さなそのメダルを何のために集めているのか知らないが、間違いなく世界中のありとあらゆる所に散らばっていて、それを欲しがっている人がいるのも本当に不思議な話ではあるが深くは考えないでおく。


しかし集めれば貴重な武器や装備をくれると言うのだから貰える物なら貰いたい。

そのメダルを何のために集め、何に使われるか等知りたい気持ちは大いにあるがその答えが見つかることはきっとないだろう。


取り敢えずそうと決めたらもう少しレベルを上げ、このメダルを複製できるまで少し頑張ってみるだけだ。


しかしレベルUPの為にダンジョンに戻るとして、ダンジョンまでは2日も掛かるのでまたお風呂生活が遠のく事になる。

なので暫くこの街に滞在してこの街付近の魔物でレベルを上げられるか、そして収支的にどうなのかを試みてからどうするか決める事にした。


何にしてもこの街の安い宿屋を探すのが先決だと考え街の中を移動していてそこを見つけた。


街中の家庭用排水を側溝に流し集めている溜め池の様な場所。多分石や砂で汚水を濾過して海に流しているのだろうが長年放置されたために水も石も既にドロドロで凄い事になっていた。


そしてそう言う場所には当然ネズミ達が生息していて、あまりにも気持ち悪かったので思わず攻撃したらそこに居たネズミ達は一斉に私を襲い始めた。


私は無我夢中でそいつらを倒して行った。

と言うか、こいつらは今まで街に悪さをしていなかったのか?

どうしてここまで放置されていた?

次々と疑問が湧くばかりだったけれど、気を抜けば数の暴力で負けるだろうと夢中になって攻撃を繰り返していた。


幸運な事に何故か取り囲まれる事も無く正面からの攻撃ばかりで、偶に反撃されてはいたがあまりダメージを受ける事も無く状態異常になる事も無かったので、とにかく数を減らして行った。


気が付けば中には進化でもしたのか色の違うものや大きさの違うものもいたが、どいつもこいつも一撃だったので構わずに攻撃を繰り返していた。


向こうから襲い掛かって来るので私はナイフを振り回すだけとは言え、徐々に体力が削られ疲れて来ていたが止める訳には行かず気力を振り絞っていた。


そしてどうにか殲滅させるとそこには山の様なお金と今まで感じた事の無い程の疲れが残った。


どうやらネズミだと思ったそいつらは魔物だったらしい。

それで街に入れなかったのかと何となく納得していた。

どういう訳か街に魔物が入り込む事は無いと言うのがこの世界の常識で、そこに結界だとか障壁だとか言う理由も理屈も何もない。


そして私はその街の中にギリギリ身を置いていたので取り囲まれる事も無く済んだのだった。


令和の世界のゲームだったらきっと、そこに納得のいく設定や解説があるのだろうが何しろここはそう言うものだで通じてしまう初期のファンタジーな世界なのだった。



しかし大変だったけれど有難い事に一度に大量の魔物を倒したお陰でレベルもそこそこ上がっていた。

試しにメダルの複製を試みると思っていた通りできた。できてしまった。

なので私はメダルを100枚複製するまでこの街に留まり、まずはメダルで交換できる武器防具を手に入れる事に決めた。


まだ集めてがいないが、目の前に山積みになったこのお金があればしばらくはこの街に滞在するのには困らないだろうと思うのだった。


リオン

盗賊

レベル 15

HP   84

MP   71

力   121

素早さ 92

体力  45

賢さ  41

運の良さ91

固定スキル 鑑定 複製


装備 ブロンズナイフ 皮の鎧 皮の帽子


現在の手持ちの金額 1636G



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