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おひとり様で行くファミコンRPG世界冒険録  作者: 橘可憐
2 転移編 1ヤキニック王国
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行先を決めてみた

盗賊にジョブチェンジしたら、盗む・逃げる・ダッシュ・発見・警戒と言うアビリティを手に入れた。

アビリティなのでそのまますぐに使えなくて、やはりジョブを変更してもそのまま使えるようにするにはジョブレベルを上げなければならなかった。


そして盗賊には他に魔法もスキルも技も何もなく何となくがっかり感が半端なかったが、多分盗賊の上級ジョブであろう忍者を目指してジョブを育てる事にした。


「ねえ、例えばの話なんだけど、ルリに乗せて貰って移動したとしてこのマップを全部開けるにはどの位掛かるものなの?」


私達は王都へと出発前に3人でいつもの食堂でのんびりと朝食を摂っていた。


「そうですね最速で休みなくと言うなら7日位だと思います」


ルリはポタージュに少々硬くなったフランスパンを千切って十分に浸してからそれを口に運ぶ。


「俺はもう少しかかるかも知れないな」


シオンは特別に肉を焼いて貰いスタミナ丼の様にしたものを堪能している。


この食堂はこの村にいる間ずっと利用していたので、多少の無理を聞いてくれる様になっていた。

それにドラゴンの肉も分けてステーキやすき焼きを作って貰った事もあり、私達の味方と言っても良い位には打ち解けてもいた。


「シオンも飛べるの?」


私は野菜たっぷりスープにトーストと目玉焼きと言う定番の朝食メニューを頂いている。


「ああ、可能だ」


「いや、ちょっとだけふと思っただけで、しないよそんな事。でもどうせなら別の大陸に行っても良いのかなって思ってさ」


「そうですね、この大陸は比較的のんびりした国柄ですから国内の何処へ行っても変わり映え無いのは確かですね」


「それにこの大陸で最強と言われたドラゴンもたいした事無かったしな」


「別に強敵と戦いたい訳じゃ無いよ。ただ他にどんな国があるのかなって」


「色々とありますがそうですね、装備を整えたいと言ってましたよね、でしたら少々不安はありますがダンジョン都市へと行ってみますか?」


小食のルリは最後のポタージュを飲み干し少し考えてからそう提案して来た。


「ダンジョン都市?」


「ええ、ダンジョンの保有数を誇る国の中でも一番栄える都市で、難易度の高いダンジョンも多く素材も豊富で冒険者も多い事から強い装備品も揃えやすいと思います。ただ、その分治安が悪いのが難点ですね」


ルリは思案顔と言うよりは少々不安気味な表情を浮かべながら説明してくれる。


「ここから遠いの?」


「そうですね半日は掛かるかと思います」


「じゃぁ、今から出たら夜には着けるならそこへ行っても構わないよね」


私はシオンにも確認する様に聞くと、シオンは残りのスタミナ丼をかき込む様にして食べ終え

「あそこへ行くのならルリおまえも男になっておけ、そしておまえもだ」そう言って私を指さして来た。


「あそこの治安の悪さを甘く見るな。俺がいるからには手出しをさせる気は無いが余計な争いはできるだけ避けた方が良い」


シオンのあまりにもその真剣な様子に一瞬じゃあ止めようかと言いかけたが、高難度ダンジョンと最強装備と言う誘惑にはなかなか抗える筈も無くその言葉を飲み込んだ。


「分かった、じゃぁ支度を済ませたらすぐ出発で良いよね」

私はそう言ってから残りの朝食セットを急いで食べ終えた。


そして村から離れた適度に広い場所まで歩いて移動してから二人は人間化を解いた。

ルリは瑠璃色に近い青い羽を持つ体長は10m近くは有ろうかという大きな鳥で、シオンはさらに大きな黒い龍だった。


(どっちに乗っても良いぞ)と言うシオンの声が頭に響く。


どっちにと言われたらルリの方が安定して乗っていられそうな気がするが、今はそう言う問題ではない。


「いやいや、ちょっと待って。二人で並んで飛んだらかなり目立つよね。やめてよ地上は大騒ぎになるよ。少しは考えようよ。ルリに二人で乗る訳にはいかないの?」


(可能ですが、その分スピードが落ちますよ)


(騒ぎになるのが嫌なら二人で俺に乗って夜飛べばいいだろう)


ルリは鳥の聖獣だけあって夜はあまり良く飛べないらしいが、シオンはそう言うのは関係ないらしい。

なので私はシオンの提案にのり夜まで自由行動をする事にしたが、ルリはそれまで王都の散策をしたいと言い張るので結局王都近くまでルリに乗って移動した。


王都には銀座通りにハッピーロードにフィーレ商店街と商店通りが3つもあり、その全部を見て回るのはなかなかに大変そうだったが少しだけルリに付き合った。


しかし途中で二人にお金を入れたマジックバックを渡し、私は早々に別行動を取り宿に部屋を借りて籠った。

夜まで能力値アップのグミの複製作業をしておこうと考えたのだ。

高難易度のダンジョンに挑むなら少しでもステータスを上げたいと思うのは当然だよね。


私は王都の商店街をぶらぶら歩く余裕も無い程に、既に気持ちは新たなダンジョンへと向いていたのだった。



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