料理を食べてみた
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木材に模様が彫り込まれた少し大きめなお洒落な扉を開けて入ると、食堂と言うより昭和の喫茶店と言った雰囲気の空間が広がっていた。
1階は半分が吹き抜けになっていてもう半分にはロフトの様になった2階席があり、1階には4人掛けのテーブルと広めのカウンターがありそして2階には2人掛けのテーブルが並んでいた。
食事時間が少し遅くなったお陰か店はそれ程混んではいなかったので、私は1階の4人掛けテーブルに座るとルリとシオンは対面に並んで座った。
壁に貼られたお品書きを見るとそのすべてが日本語で書かれていて、今さらながらこの世界は日本語なのだと納得する。
そしてメニューもナポリタン・ピラフ・カレーライス・シチュー・ハンバーグ・ピックチャップ・ステーキと昭和時代の憧れの洋風メニュー。
お米を使った料理が普通にある。
日本食に悩む事も無いのはひと安心だが、料理チートも難しそうだ。
「この世界の食事事情を少し懸念していたけれど、小説の様な事が無くて良かった」
私は心から安堵して何を頼もうかと心を躍らせた。
「色々とある様ですね」
「俺はやっぱり肉が食いたいな」
「肉ならハンバーグかピックチャップかステーキだね。私は何にしよう」
「他の料理の説明もお願い出来ますか」
ルリは知識では知っているのだろうが料理の味を想像できずに聞いたのだろう。
私はルリとシオンにお品書きにある料理がどんな味なのかを一通り説明して、ナポリタンとピックチャップを頼んだ。
ピックチャップとは多分ポークチャップの事で、ポークの代わりにダンジョンでドロップするラピックの肉を使っているのだろうと思われる。
だとしたらやはりここは是非にも味見をしておきたい。
折角異世界に来たのなら、そこでしか食べられない物も絶対に食べてみたいと思うのは当然だよね。
「私はシチューにしますわ」
「俺はステーキで」
二人も料理を頼み終わり、提供されるまでの時間を持て余したいると「レベルはどの位まで上がったのですか」とルリが話題を振って来た。
私はステータスを改めて確認する。
名前 アリサ
ジョブ 黒魔導士3
レベル 4
HP 98
MP 74(+25)
力 54
素早さ 57
体力 52
魔力 62(+10)
運の良さ 18
固定スキル 鑑定 複製
「レベル4だね。でもジョブのレベルは3だって。レベルが別扱いになってるよ」
「ジョブレベルはどれも10までですけれどね」
「そうなの?」
「魔法や技等の熟練度を上げる方が大変だと思いますよ。そして★3つになればジョブを変えても使える様になります」
「じゃぁ、取り合えず全部を★3にして、少しでも多くの魔法を使える様になってからMAXを目指す事にしようかな。熟練度上げに時間が掛かるだろうけどお付き合いお願いします」
「分かってるわよ」「問題ない」
他にもダンジョンを隈なく探索したい事、出来るなら最深部迄攻略したい事などを話していると料理が来たので話を終わらせた。
ナポリタンは思った通りの懐かしい味でそれ程大盛でも無かったので良かったのだが、ピックチャップにはパンが付いていたのでかなり満腹になり結局残りのパンはインベントリに収納した。
初めての異世界の味ラピックの多分ロース肉は名のあるブランド豚と言った感じで、変な臭みがなく脂身が甘く柔らかくケチャップ味にも負けない美味しさだった。できる事ならこの肉でとんかつや生姜焼きなども食べたいと思っていた。
「そうだ明日はダンジョン探索の為の道具も揃えなくちゃね」
そんな確認をしながら、ナポリタン3Gピックチャップ5Gシチュー4Gステーキ7Gの合計19Gを払って店を出た。
何となく物価が見えた様な気がしたが、私はそれより料理が思っていた以上に美味しかったことに満足していた。




