表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おひとり様で行くファミコンRPG世界冒険録  作者: 橘可憐
2 転移編 1ヤキニック王国
46/95

念話をしてみた

森林ダンジョンに来てみると少し不思議な感じがあった。


見た目はどこからどう見てもただの広大な森林なのに、中の様子を窺う事もできないし入れそうな場所が見当たらない。


「出入口はこっちよ」


ルリに案内されて行ってみると、木や草が生えていない森の奥へと続く小道がが見える。

『森林ダンジョン出入口1 バアラニック方面』と立て看板もあった。


「これって」


「そうよ出入口は全部で三カ所あって、それぞれ出入り口近くには集落があるのよ」


「まぁ、行ってみれば分かる事だ」


中へ入ると小道と言っても道幅は軽く2m以上はあって、三人で並んで歩いても窮屈な感じはまったくしない。


ダンジョンになっている為か小道となっているその両脇の草むらと言うか、小道以外の場所にはどうも入る事はできない様だった。


そしてその小道を進むと、早速目の前に現れるウサギの様に長い耳を垂れさせた豚の様な見た目でウリ坊の様な大きさの魔物。

鑑定をすると『ラピックLv3・弱点は斬撃と火属性・肉は食用』とあった。


(あの肉クエストはコイツか)


(このダンジョンは他にも肉をドロップさせる魔物は多いわ)


(こいつは比較的簡単に倒せて街の奴らでもこいつの肉は手に入れ易いから別の魔物の方が喜ばれるかもな)


頭の中に流れるルリとシオンの会話、私は初めて念話と言うものを体験した。


「ごめんまたやっちゃった」


「別に良いわ。私達の方が慣れてしまったわ。それよりも時間が惜しいわ早く始めましょう」


ルリに急かされファイアを連発して3匹居たラピックを倒して行く。

今の所ラピック相手でもファイアの一撃で倒せるようなので安心して奥へと進む。

インベントリにはファイアで黒焦げになったはずのラピックの肉もちゃんと自動収納されている。


そうして何度か戦闘を繰り返しMPが切れた所でMP回復ポーションを飲み、念のためにまたMP回復ポーションを1本複製しておく。

こうすれば残っている3本はストックとなり続け、絶えず安心していられると思ったのだ。


そうして途中分かれ道があったが、私は外周に近い道を選び進んだ。

すると何だか一瞬何かベールの様なものを潜った様な感覚があった。


不思議に思ったが、きっとこれはアレだよね。

ゲームで言うならダンジョン内の攻略画面が変わった瞬間だろうと思う。

ダンジョン内を自分を中心として移動するのではなく、ファミコンの頃の様に画面に映る範囲の中を移動する感じそのままなのだろう。


試しに戻ってみると、やはり何かを潜った様な感覚に襲われ、そして目の前には今さっき倒したはずのラピックが復活していた。


(おおぉ、コレってリポップ待ちしないで延々と戦い続けられるって事だよね。それってレベル上げにも魔法の熟練度上げにも時短で簡単な場所を見つけたって事だよね? これも言ったら主人公特典か?)


(いいえ、そもそもこのラピック目的の冒険者は何匹か倒したら戻りますし、もっと深い所に行く冒険者はこんな所で戻る事はありません)


(そうだな。ラピックをここで解体するにしてもそのまま持ち帰るにしても結構な重量だ。必要な肉を手に入れたら街に戻るのが一般的だ)


そう言われれば私の場合に限り倒した魔物の姿は消え、肉とお金がドロップ品としてインベントリに自動で収まってくれる。本当にありがたいご都合能力だ。


「なる程です。じゃぁ私はしばらくここでレベル上げしても良いですか?」


「私は構わないわよ」


「しかしすぐにレベルは上がりづらくなると思うぞ、相手が弱すぎる」


「では今日は日が暮れるまでここでレベル上げして、他のクエストは明日出直す事にします」


「ここからなら街へもすぐに戻れますしね」


「俺もそれでいいぞ」


まだまだルリとシオンと会話する事に慣れないけれど、念話のお陰で少しだけ距離が縮まった気がするのは気のせいだろうか?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
タイトル間違ってますね。「念話」では?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ