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おひとり様で行くファミコンRPG世界冒険録  作者: 橘可憐
2 転移編 1ヤキニック王国
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複製作戦を実行してみた

「あなた私達に説明するとか相談するとかまるで考えていない様ね。そもそも会話をする気も無いのかしら? 最低でもあなたが何を考えどう行動するのか私達は知っておきたいのよ、だからこれからはあなたの思考を覗かせて貰う事にするわ。これは必要な事だと思うから異議の申し立ては受け付けないわよ」


ルリにそう言われ私は愕然としていた。


すっかりとソロ活動が長すぎて誰かと話すなんて事に慣れていないと言うか、言われるまで考えてもいなかった。

今まで自分で考え一人で決めてやってきた癖がどうしても抜けきらない。


(そうだよね。考えるまでも無く話をしない事には何も伝わらないし、お互い理解し合うなんて事もできない)


改めて深く反省はしてみるが、すぐに直せるかは自信が無かった。


「思考を覗くって私の考えている事のすべてを見透かされるって事?」


「念話ができる様になったと考えてくれれば良いわ。それとも覗かれて不都合な事でもあるのかしら?」


「まったく無いと言ったら嘘になると思うわ。私も聖人君主でも無いし純粋で純情な乙女でも無いし・・・」


「あなたが私達が一緒にいる事に慣れたならまた考え直しても良いけれど、しばらくは諦めて」


ルリにぴしゃりと言われ、私は仕方なく諦める事にした。


「ちょっと検証してみたい事があったのよ、これがダメだったら地道にスライムを討伐してお金を稼ぐわ」


今指摘されたばかりなので、取り合えず自分の考えを口にしてみた。


「あのスライムはここの草原の掃除屋と呼ばれています。増えすぎるのも困りますが、やり過ぎるのも考えものですよ」


「草原の掃除屋?」


「雑草や害虫を適度に駆除しているのですよ。草原を快適に保っているのはあのスライム達です」


なる程だね。この世界ではスライムは山羊みたいなものなのか。空き地だって放って置くとすぐに凄い事になるし、快適な草原を保つのには必要な存在なのか。

それを聞いてしまったらスライムを駆逐する様な事はできないな。


(その為にもこのMP回復ポーションの複製にMPが然程使われません様に)

と私は願いながら早速瓶の蓋を開けた。


掌に軽く収まるサイズのその瓶の中身は50ccも無い様で、口に入れた瞬間は少しとろみがある様に感じたけれど無味無臭だった事もあり一口で飲み干す事ができた。

すると一瞬でMPが全回復した。


(どう考えても不思議だよねこの即効性。どんな魔法だよっていつも思うよ)


そんな事を考えながら次はMPの全部を使ってMP回復ポーションの複製を念じる。


(これで何本複製できるかが問題になるんだよ、お願い1本でも多く複製できます様に)


願いながら瞑っていた目を恐る恐る開けると、掌に4本のMP回復ポーションがあった。

残っているMPは16。と言う事は、MP回復ポーションに必要なMPは20って事だ。


「やったね!!」


私は自分が考えた作戦が大成功した事に思わずガッツポーズで喜んでしまった。


「そうとなったら森のダンジョンに急ぎましょう」


私はルリとシオンにそう声を掛けて、逸る気持ちを抑える事ができずに駆け出していた。



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