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おひとり様で行くファミコンRPG世界冒険録  作者: 橘可憐
2 転移編 1ヤキニック王国
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MP回復ポーションを買ってみた

武器屋へと入り店の中に並ぶ武器をあれこれと物色していた。

壁に飾られるように並べられた武器は見るからにお高そうで、棚に並んだ武器もそこそこのお値段はしそうな感じ。


「50Gで買える物は有りませんか」


アリサはカウンターに陣取る店員に声を掛けた。


「50Gと言うとこのナイフ位かな」


店員はわざわざカウンターから出て来て入り口すぐの壁際にあった棚の下の段を指さした。


そこにはナイフや短剣の類が並んでいて、店員が指さしたのはその中の一つの万能包丁を細身にした感じの銅のナイフだった。


(そりゃそうだよね、世の中そんなに甘くないか)


お金の表示が『G』だった時点で前の世界と価値は変わらないだろう事は予測していた。


(それならばせめてお金くらい引き継がせてくれても良かったと思うよ。私多分かなりの額のお金を持っていたよ。)


そんな不満を抱きながらも銅のナイフを見詰める。

まだレベルもそんなに上がっていないのに、いきなり自分よりランクが上の魔物と接近戦って正直自信がない。


せめて剣や槍だったなら迷うことなく買ったかも知れないが、ナイフは悩む、超悩む。

スライム相手ならともかく包丁で魔物と戦うなど無謀過ぎるだろう。


「ちなみに一番安い剣っておいくら位しますか?」


「そうですね、うちにあるのでは銅の剣で200Gが一番安い武器になってます」


この銅のナイフは武器の内にも入らないらしい。


「すみません、少し考えてからまた来ます」


アリサは店員に頭を下げ店を出た。


MPが回復するのを待って森に入るか、さっきの子供達の様に木の枝でも拾ってもう少しスライムと戦って200G貯めるかと街中を歩く。


(そう言えばダンジョン探検の為の道具って何を揃えたら良いんだろうか?)


道具を揃えるにもいくら位掛かるのか知りたいし、ふと思い付き道具屋も覗いて見る事にした。


シンプルな木の扉を開けて店の中へと入ると、道具屋と言うより雑貨屋と言った雰囲気で色んな物が雑多に陳列されていて店の中がやたらと狭く感じた。

あれこれと見て回っていると薬として丸薬と一緒にポーションが並んでいた。


「ポーションだ!!」


アリサは思わず声を上げていた。


ポーションってゲームの中では初めは塗り薬って言う設定だったんだよね。

それがいつの間にか液体化して飲み薬になって、今ではかけても良しの万能薬になっている。


目の前にあるそれはお洒落な紺色のガラス瓶で、リアルの世界でも売り出された事のあるあのポーションに感じが似ていた。


不思議なのは蓋迄ガラスだけれど実際大丈夫なのかって不安に思った事はあるよね?

カバンに詰め込んで持ち運ぶためにはせめてスクリューキャップやマキシキャップにしないと、中身が漏れ出る不安が拭えないよね?

まぁ、今はインベントリ収納だからまったく関係ないけれど、ゲームしている時にカバン収納を想像した時の不安は今でもつい思い出してしまう。

もっともそんな事を考えていたらいつの間にかコルクキャップが現れ、同じ様な事を考えた人は居るのだと思ったものだ。


しかしリアルで売り出されたポーションはやはりガラスのキャップだった。

あれは是非にも手に入れたかったけれど、結局買わなかったんだよね・・・。


でも今なら、この世界なら、ポーション欲しい! ぜひ欲しい!! と値段を見ると25G。

暫く腕を組みポーションの前で悩むが、今必要なのは多分ポーションじゃないと諦めた。


が、隣に並ぶMP回復ポーションを見て名案が浮かんだ。


今のMPはMAXなら96ある。

このMP回復ポーションを例えば能力の実と同様にMP15位で複製できるとしたら・・・。


たとえ複製にMP30必要だったとしても、残りのMPでファイアなら23回使えるからジョブチェンジする必要も武器を手に入れる必要も無くなるよね?

これは是非とも試す価値はあるよね?


アリサは50Gと言うほぼ有り金全部を使ってMP回復ポーションを2本手に入れたのだった。



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