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考えない事にしてみた


転移魔法でジパング対岸の街へと転移する。

転移魔法で移動すると何故か船も近くの岸へと一緒に転移するので、たとえ別行動していても難なく合流できるとても便利な仕様。

多分私が船主になった事で私の持ち物としての括りになり、一緒に転移するのが可能なのだろうと勝手に思っておく。


私はここから神殿に掛けてと雪と氷の大地を廻って隣の国までをマップを埋めるつもりでいた。

雪と氷の大地にしか現れない魔物も居るので、一度は足を踏み入れなければならない場所だからその辺もコンプしておこうと思う。


そして隣の国でも勿論イベントが用意されているので、もう躊躇する事無く終わっていないイベントは終わらせるつもりでいる。


船員達にはいつ合流しても良い様に食料や水の補充と海の魔物の討伐を指示して別れ、まずは神殿までの間のマップを埋めるために山を越え森へと向かう。


(や~まをこっえ・たにをこえ~)昔の忍者アニメの主題歌を頭の中でリピートさせながら深い森の中を進んでいた。

昭和には大人も大好きな忍者アニメもあってそのアニメ音楽も何気に好きだったが、今頭の中をリピートしているのは子供向け娯楽アニメのものだった。


そう、私は憧れた忍者の様な運動能力を手に入れていた。

最近はカンストさせた自分の身体能力の本当の凄さに気付き、そしてその制御が上手くできる様になって、速く走れるだけじゃなく高い木にも登れたし、何なら木から木へと飛び移ったりもできた。


そしてかのニャンコ大先生(※イケボの妖魔ではない方)の『にゃんぱらりん』だって出来る様になっていた。


かと言って水の上を歩いたりはまだできていない。

あのアメンボの様な具足道具も無いし、右足が沈む前に左足と言う理屈は分かっているのだが、沈むと言う恐怖心からかどうしても頭が否定して身体が委縮してしまうのだ。


もっともこの世界には忍者と言う職業が無く、忍者系ジョブと言う事で盗賊を極めようとしている訳だができる事なら忍者になってみたいと言う憧れは捨ててはいない。


今は魔物の討伐を目的としていないので、この辺に生息している魔物を一通り倒したら後は放置でサクサクとマップを埋めて行く。


そうして神殿までのマップを埋め終わるとまた対岸の街へと転移して、今度は雪と氷の大地を目指してマップを埋めて行く。


確かこの人も住めない様な厳しい環境の中ひとり引き籠って居る仙人が居て、その仙人を見つけると貴重な杖が手に入った筈なんだよね。

そしてその仙人の頼みを聞くと宝玉も手に入った筈なんだ。


私はそんな事を考えながら雪と氷の大地の中を駆け回っていた。

この世界はドット表示だったので吹雪表示されていなかったのが影響してか、氷と雪の大地だと言うのにそう天気が悪くないのが救いだった。


お陰で視界も良好、走り回っている影響か寒さで凍える事も無く移動出来ていた。

そうして漸く見つける仙人の小屋。

一年中雪と氷のこの環境でどうやって生活しているのか本当に凄い。


そんな事を考えながら小屋の扉をノックしながら声を掛ける。

「ごめんください~」


『返事がない・・・』そう言えば勇者だったらお構いなしに小屋へ入るんだよね。


返事を待ってみたがその返事は無さそうなので私もお構いなしに小屋へと入ると、やはり思った通りに願いを叶えて欲しいと言う仙人。

『変化の杖』を渡され、これを使ってあるアイテムを手に入れてくれと言う。


そのアイテムならばもう既に手に入れているんですよ。

ゲームでは序盤でエルフの街へ行った時は超お高くて買えなかったアイテムだけど、私が行った時には既にその位のお金は持っていましたし、必要になるのは分かっていましたからね。


そしてきっと多分この変化の杖はエルフイベントを攻略しなかった時の為に、この杖を使って魔物に変化してアイテム買って来いと言う話なのだろうと勝手に解釈しておく。


私は用意してあったアイテムを早速仙人に渡すと、仙人も何の疑問も持たずお礼にと宝玉を出して来た。

私は念のため宝玉を複製して仙人に手渡し「勇者が必要とすると思うので、勇者が来たら渡してください」と言うと、「おぬしが勇者じゃ無いのか」とNPCはどうして良いのか反応に困っている様子。


仕方ないので宝玉は勇者が漁るだろう壺の中に放置して小屋を後にした。


そして雪と氷の大地を抜ける頃になって漸く、変化の杖を複製して置いて来るのを忘れた事に気が付いた。

一瞬戻って置いて来ようかとも考えたが、まぁいいかと気づかなかった振りをする事にした。

だってイベントは既に私が終わらせてしまったのだから問題無いよね?

宝玉さえ手に入ればストーリー自体に変化がある訳無いよね?

少しだけ不安は過ったが、私はそれ以上考えない事にした。


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