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宝箱を開けてみた


この世界の宝箱は擬態した魔物と言う可能性もまだ無く、ましてや宝箱に罠なども無くあったとしても精々が宝箱の周りに落とし穴程度の罠だ。


序盤の宝箱などそうたいした物も入ってはいないが、宝箱を無視すると言う選択肢などある訳も無く、ここは安心して目の前の宝箱を開けてダンジョン内を進んで行く。


そう言えばいつの間にか宝箱に罠が仕掛けられる様になって行ったけど、あれっていったいどういう仕組みなんだろう?


そもそもこのゲームでは、魔物との戦闘終了時のレアドロップは宝箱に入っている。しかし宝箱を開ける場面も表記も無く宝箱から〇〇を手に入れたと言う表記で戦闘を終了する。


宝箱はいったい何処に? っていうか、魔物って宝箱持ってたの? いったい何処にどうやって? といつも疑問に思っていたが、現実で戦闘してみると魔物が魔素となって消える瞬間お金とドロップ品と宝箱が現れるのできっと神様(?)からのお恵みなのだろう。


そしてその後宝箱からレアドロップ品が勝手に吐き出されるとその宝箱も当然の様に消えて行くので、現実になってもその辺はゲーム仕様なのですねと納得していた。


このゲーム以降のシリーズから宝箱に擬態した魔物が現れ、盗賊がそれを見破るスキルを使う様になり、さらに宝箱の中身によって宝箱の豪華さが変わる様になり宝箱に擬態した魔物も強くなって行った。


そして同時に罠は宝箱の周りのだけでなく宝箱自体にまで仕掛けられる様になり、私は考え無しに開けてはダメージを受ける事になって行ったのだ。


それからダンジョンにある宝箱も蒐集できないものかと考えた事もあるが、実際私が想像していた宝箱よりもサイズが大きく、ダンジョンの一部と化しているのか動かす事もできなかったので諦めた。


何にしてもさっきの宝箱が何故開けられていなかったのかその理由を考える。

もしかしたら開けるパーティーが変わると復活するのかを検証する為にもさらにダンジョンを進んで行く。


だいたいパーティーによって復活するとしたらその管理はいったい誰が?

私はソロだからそう言う心配は無いがパーティーメンバーを入れ替えたらその場合はどうなるのだ?


それに何度も復活するとしたらその中身は誰が何処から持って来てどうやって入れるんだ、などと深く考えてはいけないのだろう、だってここはそう言う世界なのだ。


そう、宝箱にはアイテム以外にも夢が詰まっている。だから憧れ、目の前にあったら開けずにはいられない。宝箱はRPGには無くてはならないエンターテイメントイベントなのだ。

きっとすべては神様が与えたもう冒険者たちへのご褒美なのだ。


そう言えば世界中にある全部の宝箱を開けないと手に入いらない称号やトロフィーがあるゲームもあったな。この世界とは関係ないゲームだけど・・・。

その称号やトロフィーの為にリスト作ったり何度もゲームやり直したりあれはあれで大変だった思い出。


まぁこの世界にはそんな称号もトロフィーも存在しないけれど、宝箱があるならそれはすべて開けてみたい。

宝箱の中身などすべて覚えてはいないけれど多分宝箱からでしか手に入らない物もあったと思う。


復活するとなったら私はこれからは弟勇者になんの遠慮をする事も無く開ける事ができる。

先に開けようか後からだろうがそんな事も気にせずに開ける事ができる。

どうか弟勇者が開けずに済ませたと言う理由ではありません様にと願う様に次の宝箱を探して歩く。


そして見つける宝箱。

開けられていない。

これはもう宝箱復活説が期待される。


と言うか、もう弟勇者なんて気にせずに宝箱は見つけたら開けるで良いんじゃない?

だって冒険者なんだもん。


そうだよ、冒険者は私だけじゃない。世界中に溢れるほどいるのに、なんで私は今まで弟勇者に遠慮していた?


私ってばきっとこの世界で今まで育って来て男尊女卑・長兄主義の考えが身に沁み過ぎて必要以上に弟を気にし過ぎていたのだろう。


これからはもう弟勇者など気にするのも考えるのも止めて、自分のペースで本当に冒険を楽しもうと決めたのだった。



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欲望の解放
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