懐かしんでみた
妖精の道に入ると途端に眩しい程の光りに包まれ目が眩み一瞬高速エレベーターに乗った時の様な浮遊感を感じ、そして眩しさが無くなり段々と目が慣らされるとまったく別の場所に立っていた。
振り返ると後ろには妖精の道があって辺りは鬱蒼とした木々に囲まれ、まるで妖精の道を隠しているかの様だったが少し進めば鬱蒼とした感じは無くなり、ただの人里離れた森と言った場所だった。
そして出て来る魔物達も変わり少し強くなっていた。
初見のゲーム内でもストーリーを早急に進めレベルギリギリで到達した時に途端に手を焼いたのを覚えている。
所見のゲームプレイ時は戦闘に手を焼きながら瀕死の重傷を負わされ街に到達し、装備を整えようと思えどその装備もかなりお高く手に入りづらい。
仕方なしに宿屋に泊まるを繰り返しながら街の周りを暫くウロウロして装備を整えレベルを上げたのだった。
あれ以来私は立ち寄る街ではレベルを上げ装備をしっかりと整えてからストーリーを進める慎重派になった。
それが私の性格にも合っていた様でお陰でマップを埋めたりアイテムコンプに拘る事にも繋がったのだ。
しかし時が経ち、別のゲームで息子や甥っ子達が低レベル攻略だとか縛りプレイだとか最時短攻略だとかで盛り上がるのを見ていて時代の流れを感じた。
ダンジョンもフィールドも隅々まで回りたい私に対して攻略サイト見て必要な宝箱だけ開けて最短ルートで回るとか、私には考えられないプレイスタイルにもやもやしたものも感じたりもした。
時代が変わりゲームが進化しても私は変わらずにソロでマイペースだったが、プレイスタイルは違ってもゲームを楽しむ心は同じだと時代の流れに乗れない自分を慰めたりもした。
そんな時に慎重派の私を打ち砕くかの様なゲームが現れた。それは自分のレベルが上がると同時に敵のレベルも上がると言う仕様のゲームだ。
子供達から話を聞いた時にはそれって本当に楽しめるのか? と聞いてしまった程だったが、対策や攻略法を聞きながら私でもプレイ出来たのは少しだけ自信に繋がったという懐かしい話だ。
そう言えば、スーファミRPGでコントローラー2個にそれぞれキャラ設定して二人プレイを楽しんだ事もあった。
一つの画面でキャラ二人。相棒は私の思い通りに言う事を聞いてくれない幼い子供。何しろ画面は一つなので一定以上離れる事ができず、こっち行くのとキャラを引っ張り合ったり、この敵倒してとテレビ画面の前で叫んだり私にもソロプレイでは無かった時代があったわ。
思い出したら本当に懐かしい・・・。
話はすっかりそれてしまったが、今この世界に居る私はこの辺りの魔物で手を焼く事はまったく無いし、装備を整えると言うよりはアイテムを手に入れるのを目的としているので、街では風呂付の宿屋に泊まり各商店を覗いて回った後はさっさとサクサクマップ埋めに励んで行く。
ダンジョンも既に宝箱は開けられてしまっているだろうが、魔物コンプの為にも隅々まで回ろうと足を踏み入れ進んで行くとなんとびっくり宝箱が復活していた。
復活と言うのが正しいのかどうか分からないが、確かダンジョンの宝箱は一度開けると開いたままになっていた筈なのに開いていない宝箱がそこにあった。
もしかしたら弟勇者が開けなかったと言う可能性もあるが、これはいったいどうした事かと暫く宝箱の前で立ち竦んでしまったのだった。
リオン
盗賊
レベル 34
HP 299
MP 999
力 999
素早さ 999
体力 999
賢さ 466
運の良さ 999
固定スキル 鑑定 複製
装備 闇の衣 ドラゴンブーツ ドラゴンローブ 復活の指輪 グリンガムのムチ
現在の手持ちの金額 335635G