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睨んでみた


考えてみたら転移アイテムか転移魔法でどこか他の街に転移すれば良かったのだと気が付いた。

そんな事さえ失念する位にどうやら私は動揺していた様だ。


でも今さら振出しに戻るのも面倒だし、もう一度行ってみたい街も無いのなら、新たに行ける街を増やす為にもこのまま先に進もうと決めた。


そう建物内や洞窟内やダンジョンと言った天井がある場所でない限り転移魔法で移動する事はいつでも可能。


このゲームでの転移は時空異動ではなく、どうも空を飛ぶと言うか飛ばされると言ったただの移動方法でしかない。なので天井があると『ガンッ』とものすごい音を立てて天井に頭をぶつけ、ゲームとは言えアレは見ているだけでも本当に痛そうだった。

なので移動するとその移動時間に関わらず、どういう訳か移動先に着くと必ず朝になっていた。


現実となったこの世界の転移魔法がどうなのか試してみたいと言う興味もあるが、それは今でなくても良いだろうと思っていた。



隣の大陸に近い側の港街に着くと本当に水平線に近い場所に大陸が見えていた。

海を挟んでいると言うより大きな運河の対岸の様にも思える近さに私は少し驚いていた。


しかしそれが幸いして大物の海の魔物が殆どいないので、多くの漁師たちが漁業を営み海女が海に潜る事ができて魚介類が豊富に獲れる街だった。


私は市場に並ぶその豊富な魚介類に小躍りしながら露店を覗いて歩いていると、「ねえ君でしょ、ヤマタノオロチ倒した冒険者って」と後ろから声を掛けられた。


見るとこの国に一緒に入国した二人組の冒険者たちで、私に声を掛けて来たのは少しチャラい感じの戦士風の青年だった。

冒険者になって始めて声を掛けられた。


いやいや、その前も家族以外から声を掛けられる事なんてほとんど無かった。

と言うより、家族でさえも私を叱るか命令する以外で私に話しかけてきた事など無く、家を出てからも必要に迫られた対人との会話以外誰かと話した事など無い。

話しかけられるのを警戒して気配を消す様にしていたし、闇の衣を装備してからは殆ど認識もされていなかった筈なのでここで声をかけられた事に本当に驚いた。


私が驚き戸惑っているのにも構わず「君強いんだね、良かったら僕たちのパーティーに入らない」と、勝手に話を進めて来る。


この世界に転生してからこの方他人とのコミュニケーションなど皆無の私。前世でもそれ程コミュニケーション能力が高かった訳でもない私は適当にあしらうと言う技を発動出来ず、結局無視をする事にした。


しかし向こうに認識されてしまったせいか気配を消そうと試みてもその効果は発揮される事も無い様で「君一人でアレを倒したって事は賢者でしょ、僕たち後魔法使いと盗賊を仲間にしたいと思って良い人探しているんだよね。だから君なら僕たちにピッタリだと思うんだよ」

私の腕を掴み引き留めようとするので「お断りします」そうきっぱりと言い、私は青年の手を勢いよく振り払った。


「別に遠慮する事無いよ、一人って寂しいしそれに不便でしょ?」引き下がる気が無い様子にホトホト困り果てた。


絡んで来た相手が魔物なら問答無用で討伐して終わりなんだけど、人間相手ってこういう場合どう対処したら良いの?


第一ヤマタノオロチをソロで倒した私にパーティーに入れてやるよと言った感じの上から目線も気に入らない。


他人を信用できないからここまで一人でやった来たと言うのに、どうして寂しいだとか不便だとか君たちが勝手に決めつけるんだ?

何だか考えている内にどんどんと腹が立って来て、私はおもいきりそいつを無言で睨めつけていた。

すると今度はもう一人の戦士風の青年より少し年上の感じがする僧侶風の男が割って入ってきた。


「コイツは世間知らずなもので不愉快な思いをさせたならすみません、どうぞお許しください」


そう言って頭を下げられれば私もそれ以上腹を立てる理由も無く「分かって頂ければ結構です」そう言って立ち去ろうとすると、「あなたに是非お願いしたい事があるのです、どうか話だけでも聞いて頂けませんか」僧侶風の青年にさらに呼び止められ「お願いを聞いて頂ければ、あなたが女性である事は私だけの秘密にします」そう耳元で囁かれた。


えええぇぇーー、どうして知ってるの? と言うか分かったの?


内心で焦りおろおろする私にニッコリと笑顔を見せる僧侶風青年の鋭い眼差しに逃げ場を無くした様に感じていた。


リオン

盗賊

レベル  32

HP    299

MP    999

力    999

素早さ  999

体力   447

賢さ   149

運の良さ 999

固定スキル 鑑定 複製


装備 闇の衣 ドラゴンブーツ ドラゴンローブ 復活の指輪 グリンガムのムチ


現在の手持ちの金額 334512G



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